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学界の諸学説

第五章 農民集団の法的形態に関する一考察

第二節 農民集団の法人化に関する諸学説

一 学界の諸学説

すべての経済機能を行使する595

(二) 農業合作社法人説

農業合作社法人説の内容は以下の五つに分けて説明する。第一に、各集団の現状に 基づき、社員の資格の判断基準を確定する。原則として、村集団の戸籍簿に登記され た農業戸籍を基準として、社員の資格を確定する596。第二に、社員大会あるいは社員代 表大会を設立する。社員大会あるいは社員代表大会は合作社の意思機関であると同時 に、法人の最高権力機関とする。集団土地の請負、調整、宅基地と村内建設用地使用 権の取得などは社員大会あるいは社員代表大会で表決する必要がある。すべての社員 は平等的な議決権を持ち、一人一票で、社員全体の多数決によって一般的事項を議決 し、農民の参与権を保障する。社員大会は定期的に開かれ、特殊な状況下では臨時会 議を開くことができる597。第三に、社員大会から常置の意思執行機関を選挙する。この 機関は、社員大会あるいは社員代表大会の執行機関として、集団土地の請負、調整、

宅基地と村内建設用地の使用などを監督する。業務の効率を高めるために、この機関 の委員は村民委員会の委員と互いに兼務することができる598。第四に、監事会という常 置の監督機関を設定し、合作社の日常事務を監督する。そのメンバーは社員大会の民 主選挙により選出され、執行機関の仕事を監督し、必要な場合、臨時社員大会を開く ことを提議できる599。第五に、株式化される農地は、合作社によりリースや投資などを されたり、請負に出されたり、あるいは合作社自体が運営する600

(三) 農村社区法人説

農村社区法人説は民法の社団法人に基づき、社区という範囲、会社の管理方式を手 本にすること、社区法人が村民委員会を代替すること、社区法人の権利を弱体化する べきことなどを強調する601。つまり、農村社区法人が村民委員会を代替し、農村集団土

595黄輝「農村土地所有権制度探討」120 頁。

596胡君・莫守忠「集体土地所有権主体的反思与重構」行政与法 2005 年第 12 期 88 頁。

597胡君・莫守忠「集体土地所有権主体的反思与重構」88 頁。

598胡君・莫守忠「集体土地所有権主体的反思与重構」88 頁。

599胡君・莫守忠「集体土地所有権主体的反思与重構」88 頁。

600高海『土地承包経営権入股合作社法律制度研究』241 頁。

601張広栄は農村社区法人について、その制度設計、権利の行使、村民委員会の役割などを詳しく述べ た(張広栄『我国農村集体土地民事立法研究論綱』122-156 頁)

地所有権の行使主体とする。具体的な内容は大きく以下の二つに総括できる。第一に、

立法上、社区法人は村民委員会と区別される。村社区法人は村民委員会、集団経済組 織、村民小組を代替し、集団土地所有権の行使主体とする。第二に、立法上、農村社 区法人の土地所有権は国有土地所有権と同等に取扱われ、農村社区法人の土地所有権 の権能を改善する。第三に、土地の徴収に対し、社区法人の権利を制限し、農民個人 の権利を強化する。つまり、農村集団土地所有権の行使主体である社区法人の権利を 弱体化し、農民の土地請負経営権を強化する602

(四) 農村社区合作社法人説

農村社区合作社法人説は、農村社区合作社を構築し、その法人地位を明確にするこ とを主張する。具体的にいうと、土地請負経営権は集団経済組織に移動し、農戸は土 地請負経営権の収益権能のみを保留し、合作社に加入・脱出するかについては選択の 自由がある603。農村社区合作社法人説を適用すると、組織機関がなく、機能不全に陥っ ている農民集団は、法人格を持ち、健全な組織機関がある農村社区合作社となること ができる604。農村社区合作社は農村集団所有権の主体である。合作社の構成員が民主的 に選出した管理機構が合作社の日常業務を処理する。村民委員会は村民の自治組織で ある。ただし、村民委員会組織法により、農村自治の役割を行使する。村民委員会は 合作社の日常管理には参与することができず、外部から集団所有権の行使状況のみを 監督する605

602農村社区合作社法人説の論者は農村集団土地所有権の行使主体である農村社区法人の権利を弱化 すべきとの理由を、以下のように説明した。中国の農村では、すでに家庭を単位とする土地請負経営 を実現しており、集団を生産単位とする共同的な生産・経営は基本的に存在していない。このように、

集団は経営・生産を実行するという重要な機能を失っている。1999 年の憲法修正案においても「聯産」

という言葉が削除され、2006 年から全国的に範囲で農業税を取り消し、農村集団の国家への税金徴収 代理人という機能は中止された。また、実際に見て、農民の土地請負経営権を侵害しているのは、主 に農村集団土地所有権の行使者である。従って、農民の権利を保護するため、農民土地権利に対する 干渉と侵害を減らすべきである。以上を理由として、農村社区法人説は、農村集団土地所有権の行使 主体である社区法人の権利を弱体化し、農民の土地請負経営権を充実するべきである(張広栄『我国 農村集体土地民事立法研究論綱』143-144 頁)

603董景山『農村集体土地所有権行使模式研究』202-203 頁。

604董景山『農村集体土地所有権行使模式研究』204-205 頁。

605董景山『農村集体土地所有権行使模式研究』209 頁。

(五) 株式合作社法人説

株式合作社法人説は、中国会社法の規定により、集団土地株式合作社法人を設立す ることを主張している。

株式合作社法人説の内容は以下のとおりである606。まず、農民集団の株式合作化につ いて、法律上の規定が欠乏する段階で、外国法における法人定款に関する規定を参考 にし、中国の村民委員会組織法の規定を依拠として、集団土地の株式合作社法人定款 を制定する。また、各地の現状により、株式合作社の範囲を判断する。つまり、農村 土地請負経営制が実施されて以来、集団土地の区分が行政村を単位とするか、それと も村民小組を単位とするかに基づき、株式合作社の範囲を確定する。次に、戸籍を原 則として、さらには集団土地が生活の保障であるかどうかを判断基準とし、株式合作 社法人の構成員を明確にする。さらに、社員大会は株式合作社法人の意思機関とし、

村民委員会以外には、独立的な機関を設置し、村民委員会の経済的役割を代替する。

この独立的な機関は株式合作社法人の執行機関とし、その担当者は株式合作社法人の 法定代表者でもある。他に、株式合作社法人は社区組織であるため、その範囲が一般 的に大きくない。従って、特定の監事会を設立する必要がなく、現行の村務公開制度 を基礎とし、構成員全員に監督権を授ける607

また、株式合作社法人説により、農民集団の株式合作社法人化には集団土地の社会 保障の機能を実現できるという有利な点がある。加えて、土地権益の移転、集中及び 農村労働力の移転に対しても有利であり608、農民集団の株式合作社法人化は農民の積極 性を高め、農民が最大の利益を実現するために、積極的に自分の権利を行使し、これ によって、集団土地所有権主体の虚位問題を解決できる609