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神経学先進国におけるNeuro-ICUの現状 とわが国の歩み

ドキュメント内 プレナリー (ページ 43-46)

座長:永山 正雄 ‌‌

国際医療福祉大学大学院医学研究 科‌脳神経内科学

有賀  徹 ‌‌

独立行政法人労働者健康安全機構

≪ねらい≫

すでに欧米のみならず世界の主要大学病院、主要病院には Neuro-ICUが設置されており、多くの場合、脳神経内科が中 心となり関連各科、多職種が連携して、すべての重症神経 疾患、潜在的に重症化し得る神経疾患、神経学的合併症を 有する患者さんに救急・集中治療が行われている。2018年 には、「Standars for Neurologic Critical Care Units」も米国 Neurocritical Care Societyから公表され、世界における標 準化の流れは加速している。本シンポジウムでは、神経学 におけるNeuro-ICUの歴史的意義、神経学先進国における Neuro-ICUの現状、これまでのわが国における歩みをご紹介 し、本邦でも漸く機運が高まっているNeuro-ICU設置の準備 に必要な知見を提供する。

S-02-1 神経学における重症患者

管理とNeuro-ICUの意義

○‌‌太田 康之

岡山大学病院 脳神経内科

【略歴】

2000年‌ 3月 岡山大学医学部医学科卒業

2000年‌ 4月 岡山大学医学部附属病院神経内科 研修医 2000年10月 岡山労災病院内科 研修医

2002年10月 岡山大学医学部附属病院神経内科 医員 2007年‌ 7月‌‌‌脳神経センター大田記念病院神経内科 2008年‌ 4月 倉敷平成病院神経内科

2009年‌ 4月 岡山大学病院神経内科 医員 2010年‌ 4月 岡山大学病院神経内科 助教

2010年‌ 7月 カナダ ラバル大学医学部神経科学部門ポスドクフェロー 2014年‌ 7月 岡山大学病院神経内科 助教

2015年‌ 4月 岡山大学病院脳神経内科 講師

プライマリケアとして救急疾患に対する診療は重要である が、一般病院の救急患者における神経疾患が占める割合は大 きく、救急現場における神経専門医(脳神経内科医、脳神経 外科医など)が果たす役割は非常に重要である。救急現場で 遭遇する神経疾患に対する診療では、意識障害、頭痛、めま い、けいれん、運動麻痺などの神経症候をもとに、重症神経 疾患を診断することは重要であり、脳卒中、髄膜脳炎などの 重症神経感染症、てんかん重積、重症神経外傷、神経変性疾 患や神経免疫疾患の急性増悪などを的確に診断し、速やかに 適切な治療を開始することが求められる。わが国においては、

急性期脳卒中への集中治療として、stroke care unit (SCU)

やstroke unit (SU)の有用性が認識され、全国の基幹病院に おいて広く設置されつつある。一方、米国、ドイツなどにお いては、脳卒中だけではなく、広く重症神経疾患を集学的に 検査・治療を行うneurointensive care unit (neuro-ICU) の 重要性が認識され、急速に設立が進んでいる。しかしわが国 においては、neuro-ICUの概念は広く知られておらず、集学 的な神経救急・集中治療への対応は進んでいるとは言えない。

本講演では、救急における神経学が果たす役割と現状につい て、またNeuro-ICUが果たす意義について述べる。

31 日 シ ン ポ ジ ウ ム シンポジウム 01

8月31日(月)10:30 ~ 12:00 第04会場(岡山コンベンションセンター3F301会議室)

公募 En

S-01-4 Ageneticallyengineered mouseapproachtoelucidate molecularmechanismsof demyelinatingdiseases

○ ‌‌Ryo‌Yamasaki

Department of Neurology, Neurological Institute, Graduate School of Medical Sciences, Kyushu University, Japan

【CurriculumVitae】

Dr. Ryo Yamasaki is currently an associate professor of the Department of Neurology, Neurological institute, graduate school of medical sciences, Kyushu University, Fukuoka, Japan.

He graduated Kyushu University Faculty of Medicine on 2000.

He obtained his PhD degree on 2008. He had been working as a postdoctoral research fellow in Lerner Research Institute, Cleveland Clinic, Ohio, USA from 2010 to 2012. After he returned to Kyushu University as an assistant professor, he engaged in clinical neurology and in basic research. His research interest is on the pathomechanisms of various neurological disorders through microglia/macrophage dysfunctions.

Connexins (Cxs) are gap-junction proteins that are organized as a hexagonal cylinder with a central pore. In the central nervous system, Cx30 and 43 are expressed on astroglia while Cx3 2 and 4 7 are expressed on oligodendroglia. In acute and chronic multiple sclerosis

(MS) lesions, oligodendroglial Cx47 is extensively and persistently lost. In order to elucidate roles of glial Cxs in inflammatory demyelination, we generated Plp-CreERT;

Cx47 fl/fl mice, which showed oligodendroglia-specific Cx47 deletion (Cx47 icKO upon tamoxifen administration.

Control Cx4 7 flox (fl)/fl mice were also treated by tamoxifen. Fourteen days after tamoxifen treatment, experimental autoimmune encephalomyelitis (EAE) was induced by myelin oligodendrocyte glycoprotein peptide

(MOG35-55) immunization. Cx47 icKO mice demonstrated

exacerbation of acute and chronic EAE with increased relapse rates and more pronounced demyelination than Cx4 7 fl/fl littermates. CD3+ T cells, especially Th1 7 cells, and macrophages more abundantly infiltrated the spinal cord in Cx47icKO mice compared with Cx47 fl/

fl mice, while MOG3 5-5 5-specific proliferation and pro-inflammatory cytokine production of splenocytes were unaltered. Microarray analysis of isolated microglia revealed stronger microglial activation toward pro-inflammatory and injury-response phenotypes in Cx47 icKO mice compared with Cx47 fl/fl mice at the acute to chronic phases. Immunohistochemically, NOS2+ and MHC class II+ microglia were more abundant in Cx4 7icKO mice than Cx47 fl/fl mice. While both mice showed up-regulation of A1-specific, A2-specific, and pan-reactive astroglial genes at the acute phase, only Cx47 icKO mice showed persistent upregulation of A1-specific genes at the chronic phase. These findings suggest that oligodendroglia-specific Cx47 ablation induces severe inflammation upon autoimmune demyelination, underlining a critical role for Cx47 in regulating neuroinflammation.

31 シ ン ポ ジ ウ ム 日

8月31日(月)10:30 ~ 12:00 第05会場(岡山コンベンションセンター3F302会議室)

S-02-2 欧米におけるNeuro-ICU の現状と脳機能モニタリ ングの進歩

○‌‌永山 正雄

国際医療福祉大学大学院医学研究科 脳神経内科学

【略歴】

横浜国立大学教育学部附属横浜小中連携高、東海大学医学部卒後、国立病院機構東京医療 センター    米国ミネソタ大学医学部神経学講座留学・客員研究員、東海大学医学部神経内科学講

師・ 高度救命救急センター講師、国際医療福祉大学熱海病院副院長を経て現職 専門  脳神経内科学、とくに神経救急・集中治療、脳血管障害、てんかん重積状態、脳死    医学教育、医学英語教育、医の倫理、危機管理医学 脳蘇生

主な国際学会活動

   理事; 米国Neurocritical Care Society (NCS)

   会長; 米国NCSアジア・オセアニア支部

 脳神経疾患の特徴は、難治性病態、重症病態、 救急を要 する病態が多いことであるともいえる。実際、すべての救 急患者に占める脳神経系の救急・集中治療を要する病態の割 合は広義には40~60%に達し、また一般に疾患の重症度が高 ければ高いほど脳神経系合併症の頻度は高く(ICU入室例の 少なくとも20%以上)、高度の脳神経系マネジメントが肝要 となる。一方、時間軸による神経救急では無く、専門性・高 度性を考慮して神経救急・集中治療医学、Emergency and Critical Care Neurology (CCN)、Neurocritical Careと称さ れる、

  米 国 で は、Raymond Delacy Adams教 授(Harvard M e d i c a l S c h o o l)、F r e d P l u m教 授(U n i v e r s i t y o f Washington) がCCNの 祖 と も 言 わ れ、 短 期 間 にCCNが 神経学のsubspecialtyとして確立され、急速に成長した Neurocritical Care Society (NCS)のみならず、American Academy of Neurology (AAN)、World Congress of Neurology (WCN)でも主要部門の一つと位置付けられてい る。またハリソン内科学書にも独立した項がCCNに与えら れ、Adams and Victor's Principles of Neurology, Merritt's Neurologyの編集はCCNをsubspecialtyとする脳神経内科医 により継承された。

 この間、すでに欧米のみならず世界の主要大学病院、主 要病院にはNeurological Intensive Care Unit (Neuro-ICU)、

Neuroscience ICUが急速に設置されており、脳神経内科を はじめとする関連各科、多職種が連携して、すべての重症神 経疾患、潜在的に重症化し得る神経疾患、神経学的合併症 を有する患者さんに救急・集中治療が行われている。2018年 には、「Standars for Neurologic Critical Care Units」も米国 NCSから公表され、世界におけるNeuro-ICU標準化の流れは 加速している。またドイツでは、Neuro-ICUロテーションが 神経学の卒後研修上、必修化されて久しい。本シンポジウ ムでは、神経学先進国におけるNeuro-ICUの現状を、Neuro-ICUを支える著しい脳機能モニタリングの進歩を含めてご紹 介し、本邦でもようやく機運が高まっているNeuro-ICU設置 準備に必要な知見を提供する。

S-02-3 神経集中治療におけるシ

ミュレーション教育と Neuro-ICU

○‌‌黒田 泰弘

1

、江川 悟史

2

1 香川大学医学部救急災害医学、2 TMG あさか医療センター 神経集中治療部、脳神経外科、脳卒中てんかんセンター

【略歴】

学 歴および職 歴 

1978年3月  兵庫県立姫路西高等学校卒業

1984年3月  山口大学医学部医学科卒業、ボート部で年7ヶ月は合宿していました 1988年3月  山口大学大学院医学研究科博士課程(麻酔学専攻)修了(武下 浩先生)

1990年6月  グラスゴー大学脳神経外科学教室研究員(Ross Bullock先生 現 Miami大学)

1991年7月  山口大学医学部助手(総合治療センタ-)

1999年8月  徳島大学講師医学部付属病院(集中治療部)

2000年4月  徳島大学助教授 医学部附属病院(救急部)

2004年3月  香川大学助教授 医学部附属病院(救命救急センター) 副センター長 2009年1月  現職

免許及び資格

神経集中治療の目的は、二次性脳障害損傷の発生を防止する ために脳循環代謝バランスを維持することであり、重症患者 では他の多臓器障害の管理と連携して行う必要がある。神経 集中治療の対象疾患は、脳卒中、痙攣重積状態、神経筋疾患、

に加えて、頭部外傷、心停止後症候群、敗血症関連脳障害、

など広範囲に及ぶ。それに伴い、神経集中治療の研修で習得 すべき技術としては、神経診察手技に加えて、頭蓋内圧モニ タリング、TCCFI (transcranial color flow imaging)、持続 脳波モニタリング、体温管理療法、などが挙げられる。

本邦における上記神経集中治療関連の教育体制はまだ十分と は言えない。我々は約2年前から、上記のコンセプトを含む セミナーを開発し年に4回施行してきた。幸いなことに、受 講を希望する医師は後を絶たない状態である。このセミナー では、これまでは救急および集中治療を専門とする医師が神 経系の知識技術を習得し、神経集中治療が得意な集中治療医 の数を増やすことを目的としてきた。今後も、継続的に同様 の教育を継続していく予定である。

一方、当初は受講生の多くは若手の救急医、集中治療医で あったるが、回を重ねるにつれ、脳神経内科・脳神経外科の 医師にも広がっている印象がある。我々は、神経集中治療の 発展のためには、脳神経系を専門とする医師も集中治療の知 識と技術を習得できる双方向の教育システムが必須と考えて いる。

また、受講を修了した医師が知識と技術を維持する方法も検 討する必要がある。今後の展望として、実際の臨床現場での 教育体制を早急に確立すること、さらに、神経集中治療のエ キスパートを希望する医師には研修プログラム(海外研修も 含めて)を提供することが必要になると考える。

最後に、これらの神経集中治療の教育・研修を通じ有能な医 師が育成されることが、看護師ほか多くのコメディカルから なる神経集中治療チームの形成、質の向上、研究推進につな がり、これが日本のNeuro-ICU発展に少なからず貢献できる のではないかと考えている。

31 シ ン ポ ジ ウ ム 日

ドキュメント内 プレナリー (ページ 43-46)

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