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神経免疫疾患の個別化医療:現在と将来 座長:山村  隆 ‌‌ 国立精神・神経医療研究センター

ドキュメント内 プレナリー (ページ 138-141)

神経研究所免疫研究部

岡本 智子 ‌‌

国立精神・神経医療研究センター 病院脳神経内科

≪ねらい≫

免疫性神経疾患の治療は昨今著しい飛躍を遂げ、特に多発性 硬化症、視神経脊髄炎、免疫介在性ニューロパチー、重症筋 無力症では新しい治療が展開されている。しかし個々の治療 薬の有効性は予測できず、疾患修飾薬(DMD)のみではコン トロールできないケースも少なくない。このような状況にお いて、治療成績を格段に向上させるためには、”個別化医療

(personalized medicine")のコンセプトが非常に重要である。

個別化医療を推進するには、治療反応性を検討する上で有用 な疾患バイオマーカーの開発、およびDMD以外の治療に関 する研究の進展が期待されている。本シンポジウムでは、診 療経験豊富な各分野のエキスパートにご講演をいただき、免 疫性神経疾患の個別化医療の現在と将来についての議論を深 めることを狙いとしている。

S-34-1 免疫介在性ニューロパ

チーの個別化医療

○‌‌岡本 智子

国立精神・神経医療研究センター病院 脳神経内科

【略歴】

1989年 滋賀医科大学医学部医学科 卒業 1989年 滋賀医科大学付属病院 第3内科 研修医

1995年 滋賀医科大学大学院医学研究科 修了 医学博士取得  1995年 国立療養所宇多野病院 神経内科 レジデント 1996年 滋賀医科大学付属病院 第3内科 医員

1997年 ミュンヘン大学 生理学講座‌留学 ポストドクトラルフェロー 2001年 独立行政法人 国立病院機構 宇多野病院 医員

2006年 国立精神・神経センター武蔵病院 神経内科 医員 2010年 国立精神・神経医療研究センター病院 神経内科‌‌医長 所属学会日本神経学会、日本糖尿病学会、日本内科学会、日本末梢神経学会、

日本神経免疫学会、日本神経治療学会、日本臨床神経生理学会、

日本臨床免疫学会、日本パーキンソン病・運動障害疾患学会(MDSJ)、

日本脳神経CI学会 資格医学博士

日本神経学会 指導医・専門医 日本内科学会 認定医

日本臨床免疫学会 免疫療法認定医  役職日本神経学会 代議員

日本末梢神経学会 評議員 日本神経免疫学会 評議員

免疫介在性ニューロパチーには、ギラン・バレー症候群

(GBS)、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)、多 巣性運動ニューロパチー(MMN)、抗ミエリン関連糖蛋白

(MAG抗体)関連性IgM MGUSニューロパチーがあり、その 病態解明は進歩し続けている。その一方で、免疫学的病態機 序の違いにより臨床症状は多様で、いくつかの病型が混在し 診断に苦慮する症例も少なくない。CIDPの診断は一般的に EFNS/PNSの診断基準が用いられるが、その電気生理学的 基準は診断の上で必須ではあるものの完全に他の疾患を鑑別 できるとは言えない。そのような状況の中で、neurofascin やcontactin等のランヴィエ絞輪・傍絞輪部の膜蛋白を標的 とする自己抗体はバイオマーカーとして有用であり、特徴的 な臨床症状を呈し典型的CIDPと治療反応性が異なることが 明らかになってきた。

免疫介在性ニューロパチーの診断におけるpitfallや多彩な病 型の見極め方と治療について解説し、GBSに対する抗補体医 薬、CIDPに対する免疫グロブリン製剤 静注・皮下注療法に よる維持療法の実際、リツキシマブに代表される分子標的治 療薬などの新規治療に関して紹介する。さらに、臨床的、血 清学的、電気生理学的、画像的な側面からそれぞれの免疫介 在性ニューロパチーを細分化して治療選択を行い、その中で も症例ごとの治療反応性や社会的な実情を考慮した個別化医 療の実践について現状と将来展望について述べる。

1 シ ン ポ ジ ウ ム 日

シンポジウム 34

9月1日(火)14:15 ~ 15:45 第07会場(岡山コンベンションセンター2F展示ホール)

公募 Jp

S-34-2 血液浄化療法の有用な病

態と神経疾患

○‌‌林  幼偉

1,2

1 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究セ

ンター 病院神経内科診療部、2 国立研究開発法人 国立精神・

神経医療研究センター 神経研究所免疫研究部

【略歴】

1996年3月:京都大学医学部卒業

1996年4月:京都大学医学部附属病院 神経内科 1996年9月:財団法人 住友病院 神経内科 1998年5月:財団法人 天理よろづ相談病院 神経内科 2001年5月:国立精神・神経センター 神経研究所 免疫研究部 2005年1月: 国立精神・神経センター 武蔵病院 神経内科

神経研究所 免疫研究部

2009年9月:マギル大学モントリオール神経学研究所

2010年4月: 独立行政法人 国立精神・神経センター病院 神経内科 神経研究所 免疫研究部

2015年4月: 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター病院 神経内科 神経研究所 免疫研究部

【研究領域】

多発性硬化症における制御性T細胞の解析

自己ペプチドを用いた制御性T細胞の調節による自己免疫・腫瘍免疫の統制 難治性の多発性硬化症・視神経脊髄炎に対する複合的免疫療法

Normal appearing Imaging-associated Neuroimmunologically Justified Autoimmune encephalomyelitis (NINJA)の提唱と病態解析

 病態解明の進歩により神経免疫疾患に対して昨今様々 な薬剤が開発され、多発性硬化症(MS)、視神経脊髄炎

(NMOsd)、重症筋無力症(MG)、慢性炎症性脱髄性多発神 経根炎(CIDP)・ギランバレー症候群(GBS)や多発性筋炎な どにおいては疾患修飾薬の普及、免疫抑制剤の調整や免疫グ ロブリン療法の適応などにより多くの症例で再発・進行に関 する疾患活動性の制御が可能になり、治療戦略は大幅に変化 した。しかし症例によっては治療反応性が必ずしも充分とは いえず、そもそも急性増悪症状に対してステロイドパルスを 複数クール施行しても完全な寛解に至らずに進行する場合も 少なくない。

 MG、MS・NMOsdとCIDP・GBSに対し古くから保険適用 となっている血液浄化療法は急性増悪期の治療選択肢の一つ として診療ガイドラインに記載されているが、適応条件・施 行条件や有効性などの実態は調査されていない。

 このシンポジウムでは、①どのような神経免疫疾患に対し 血液浄化療法がどの方法で施行されているかについて、2017 年5月から2019年1月までに全国12施設で施行された463症例 のうちで登録210症例を対象として疾患内訳(MG 82例;MS 30例;NMOsd 25例;GBS 4例;CIDP 10例;その他55例(内、

自己免疫性脳炎33例;橋本脳症6例))、施行方法(血漿免疫 吸着療法;二重濾過型血漿交換療法;単純血漿交換療法)、

施行回数、施行条件、有効性と安全性を調査したJapan-Plasmapheresis Outcome and Practice Patterns Study for Neurological disease (J-POPPS)の解析内容や文献的考察を 紹介し、②当院においてステロイドパルス不応例に対して 導入している血液浄化療法について、2005年度から2011年 度の初期5年間に行ったMS 77人(再発型(=RRMS) 45人; 進 行型(=SPMS) 32人);NMOsd 20人と2016年度から2017年 度の後期2年間に行ったMS 73人(RRMS 41人; SPMS 32人);

NMOsd 44人を対象とし、施行方法別の有効性とそれに相関 しうる免疫学的指標について解析した結果を紹介し、神経免 疫疾患における併用療法または代替療法としての血液浄化療 法の有用性について考察したい。

S-34-3 重症筋無力症における濾

胞性T細胞の偏移:新規 疾患活動性バイオマー カーになりうるか

○‌‌近藤 誉之

1

、芦田 真士

1,2

1 関西医科大学総合医療センター 神経内科、

2 京都府立医科大学脳神経内科

【略歴】

1987     京都大学医学部卒業

1992-1997 国立精神・神経センター神経研究所第6部研究員

1997-1999  Neuroimmunology Branch, NIH (R. Martin's Lab, USA)

       米国多発性硬化症協会 Postdoctral fellow 1999-2001  国立精神・神経医療研究センター 免疫研究部室長 2001-2004  福井赤十字病院神経内科代表部長

2004-2009  国立病院機構長崎神経医療センター臨床研究部長 2007-2009  長崎大学大学院医歯薬総合研究科分子神経学講座教授 2009-2011  田附興風会北野病院神経内科副部長

2011-2012  康生会武田病院神経免疫センター所長

2013-2016  京都大学医学部附属病院地域ネットワーク医療部准教授 2016-現在  関西医科大学総合医療センター診療教授

抗アセチルコリン受容体抗体陽性重症筋無力症(myasthenia gravis: MG)において、抗体価は各患者においてはその増減が 比較的疾患活動性に相関するとされる。しかし、抗体価が低下 しても臨床的に改善しない症例も存在する。また、異なった患 者における抗体価の高低と臨床症状には相関がない。新時代治 療薬であるEculizumabなどの治療効果は抗体価と相関しない とされる。

B細胞の抗体産生には、従来ヘルパーT細胞が関与するとされ てきたが、抗体産生に最も重要なT細胞は、二次リンパ組織に 存在する濾胞性T細胞(follicullar helper T cell: Tfh)であるこ とが判明している。TfhはC-X-Chemokine Receptor 5 (CXCR5)

の発現によって同定されるが、Programmed cell death 1:

PD-1)やinducible T cell costimulator (ICOS)といった分子の 発現や様々な刺激によるInterleukin (IL)-21などの産生もその 特徴である。また、Tfhのカウンターパートとされる末梢血中 CXR5+ヘルパーT細胞(circulating Tfh: cTfh)は、複数の抗体 介在性自己免疫疾患に置いて増加すると報告されている。

われわれは、MGにおいて、病因抗体の上流の異常がTfhにあ るのではと仮説して、cTfhの量的、機能的異常を解析してきた。

MG患者では健常群と比較して、cTfhの頻度, 中でもinducible T cell costimulator (ICOS)を高発現したcTfhの頻度が上昇お り、cTfhによるIL-21の産生は亢進していた。ICOS低発現と 高発現cTfhに分けて解析すると、IL-21の産生はMG患者由来 ICOS高発現細胞群で亢進していた。健常人由来cTfhではICOS 発現程度の相違によるIL-21の産生能の変化も認めなかった。

臨床的には、治療導入前の患者において、ICOSを強発現する cTfhのCD4 T細胞における頻度は定量的重症筋無力症スコア

(QMG)と相関していた。副腎皮質ステロイドからEculizumab まで様々な治療が導入されたが、ICOSを強発現するcTfhの CD4 T細胞における頻度と定量的重症筋無力症スコア(GMG)

の相関は治療前と比較すると弱まっていたが、統計的有意を 保っていた。

cTfhの機能的異常が示唆するTfhの機能的異常が病態に関与す る可能性を報告する。またcTfhの機能的あるいは量的偏倚が疾 患活動性マーカーとなる可能性を示す先駆的結果を得た。

1 日 シ ン ポ ジ ウ ム シンポジウム 34

9月1日(火)14:15 ~ 15:45 第07会場(岡山コンベンションセンター2F展示ホール)

公募 Jp

神経免疫疾患の個別化医療:現在と将来 座長:山村  隆 ‌‌

国立精神・神経医療研究センター

神経研究所免疫研究部

岡本 智子 ‌‌

国立精神・神経医療研究センター 病院脳神経内科

≪ねらい≫

免疫性神経疾患の治療は昨今著しい飛躍を遂げ、特に多発性 硬化症、視神経脊髄炎、免疫介在性ニューロパチー、重症筋 無力症では新しい治療が展開されている。しかし個々の治療 薬の有効性は予測できず、疾患修飾薬(DMD)のみではコン トロールできないケースも少なくない。このような状況にお いて、治療成績を格段に向上させるためには、”個別化医療

(personalized medicine")のコンセプトが非常に重要である。

個別化医療を推進するには、治療反応性を検討する上で有用 な疾患バイオマーカーの開発、およびDMD以外の治療に関 する研究の進展が期待されている。本シンポジウムでは、診 療経験豊富な各分野のエキスパートにご講演をいただき、免 疫性神経疾患の個別化医療の現在と将来についての議論を深 めることを狙いとしている。

S-34-1 免疫介在性ニューロパ

チーの個別化医療

○‌‌岡本 智子

国立精神・神経医療研究センター病院 脳神経内科

【略歴】

1989年 滋賀医科大学医学部医学科 卒業 1989年 滋賀医科大学付属病院 第3内科 研修医

1995年 滋賀医科大学大学院医学研究科 修了 医学博士取得  1995年 国立療養所宇多野病院 神経内科 レジデント 1996年 滋賀医科大学付属病院 第3内科 医員

1997年 ミュンヘン大学 生理学講座‌留学 ポストドクトラルフェロー 2001年 独立行政法人 国立病院機構 宇多野病院 医員

2006年 国立精神・神経センター武蔵病院 神経内科 医員 2010年 国立精神・神経医療研究センター病院 神経内科‌‌医長 所属学会日本神経学会、日本糖尿病学会、日本内科学会、日本末梢神経学会、

日本神経免疫学会、日本神経治療学会、日本臨床神経生理学会、

日本臨床免疫学会、日本パーキンソン病・運動障害疾患学会(MDSJ)、

日本脳神経CI学会 資格医学博士

日本神経学会 指導医・専門医 日本内科学会 認定医

日本臨床免疫学会 免疫療法認定医  役職日本神経学会 代議員

日本末梢神経学会 評議員 日本神経免疫学会 評議員

免疫介在性ニューロパチーには、ギラン・バレー症候群

(GBS)、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)、多 巣性運動ニューロパチー(MMN)、抗ミエリン関連糖蛋白

(MAG抗体)関連性IgM MGUSニューロパチーがあり、その 病態解明は進歩し続けている。その一方で、免疫学的病態機 序の違いにより臨床症状は多様で、いくつかの病型が混在し 診断に苦慮する症例も少なくない。CIDPの診断は一般的に EFNS/PNSの診断基準が用いられるが、その電気生理学的 基準は診断の上で必須ではあるものの完全に他の疾患を鑑別 できるとは言えない。そのような状況の中で、neurofascin やcontactin等のランヴィエ絞輪・傍絞輪部の膜蛋白を標的 とする自己抗体はバイオマーカーとして有用であり、特徴的 な臨床症状を呈し典型的CIDPと治療反応性が異なることが 明らかになってきた。

免疫介在性ニューロパチーの診断におけるpitfallや多彩な病 型の見極め方と治療について解説し、GBSに対する抗補体医 薬、CIDPに対する免疫グロブリン製剤 静注・皮下注療法に よる維持療法の実際、リツキシマブに代表される分子標的治 療薬などの新規治療に関して紹介する。さらに、臨床的、血 清学的、電気生理学的、画像的な側面からそれぞれの免疫介 在性ニューロパチーを細分化して治療選択を行い、その中で も症例ごとの治療反応性や社会的な実情を考慮した個別化医 療の実践について現状と将来展望について述べる。

1 シ ン ポ ジ ウ ム 日

ドキュメント内 プレナリー (ページ 138-141)

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