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5月20日(金) 13:15~14:55 第5会場(神戸国際展示場2号館2F 2A会議室)

ドキュメント内 第57回日本神経学会学術大会 抄 録 集 (ページ 167-170)

295

-シン ポジ ウム

S-14-2

本邦における遺伝性ジストニア

徳島大学病院 神経内科

○宮本亮介,瓦井俊孝,梶 龍兒

1997年にTOR1A(DYT1)が家族性ジストニアの原因遺伝 子として初めて発見されて以降,現在までに15以上の原因遺 伝子が家族性特発性ジストニアの原因として同定されてい る.そのうち比較的頻度が高いと考えられているものは,

TOR1A,GCH1(DYT5,瀬川病),THAP1(DYT6),PRRT2 (DYT10),SGCE(DYT11),GNAL(DYT25)であり,これら の遺伝子に変異を持つジストニア家系は本邦においても存 在する.

ジストニアの臨床型から原因遺伝子を予測するのはしば しば困難であるが,DYT5では下肢発症でL-dopaに反応する ことが,DYT10では発作性運動起源性であることが,また DYT11ではミオクローヌスを伴うことが,それぞれ診断の 手がかりになる場合が多い.また,DYT1では四肢のジスト ニアで発症する場合が,DYT6,DYT25については頚部のジ ストニアで発症する場合が多く,発症部位に関する情報は原 因遺伝子スクリーニングの優先順位決定に用いられる.

我々の日本人ジストニア患者における検討では,約10%の 患者で家族歴が陽性であった.また,二つの異なったスク リーニング調査において,DYT1は3.4%(6/178),DYT6は 1.4%(4/280)の割合で存在することを明らかにした.本邦に おけるDYT1の表現型は既報告と同様であった.一方,一人 のDYT6患者は頚部発症の典型例であったが,二人のDYT6 患者では稀な書痙発症であり,もう一人はミオクローヌス様 の不随意運動を呈したことが特徴的であった.

本口演では,ジストニアの原因遺伝子による分類を軸にし ながら,遺伝性ジストニアの臨床型の多様性および共通項に ついて述べる.(症例ビデオ使用)

《略歴》2005年(H17) 3 月 徳島大学医学部卒業 2005年(H17) 4 月 亀田総合病院 初期研修医 2007年(H19) 4 月 亀田総合病院 神経内科 医員 2009年(H21)10月 徳島大学 神経内科 医員

2010年(H22)10月 広島大学 原爆放射線医科学研究所 分子疫学 特別研究員

2013年(H25) 4 月~ 徳島大学 神経内科 医員

S-14-3

課題特異性 (task-specific)ジストニア

~音大生における実態調査と最近の知見

大阪大学大学院医学系研究科神経内科学

○小仲 邦,望月秀樹

ジストニアは異常運動の持続的な筋緊張によりしばしば 捻転性または反復性の運動や異常姿勢を来す病態と定義さ れ,特定の課題を施行した時に限定して生じる場合を課題特 異性ジストニアという.課題特異性ジストニアは約2世紀前 に初めて報告され,以来神経内科医にとって大変興味深い神 経徴候として注目されることとなった.職業上の特定の動 作で出現する職業性ジストニアは器楽演奏家,理容師,タイ ピストなどが知られている.具体的には鍵盤やキーボード の打鍵の際に指が過度に屈曲,または伸展したり,鋏を使用 する時に指が硬直したりする動作が不随意に出現する.課 題特異性ジストニアの出現部位は手指以外にも顔面の上部 や下部,喉頭,上下肢,体幹といった局所における出現が知 られる.本邦における課題特異性ジストニアの実態調査の 報告は少なく,我々は特に音楽家に注目し,二つの音楽大学 生1480名を対象に器楽演奏や歌唱時のジストニアの経験に ついて調査を行った.得られた回答の中でジストニアを有 すると考えられた学生10名は医療機関を受診しておらず,本 症候の社会的な周知や理解が不十分である背景が推測され た.課題特異性ジストニアのリスクとして年齢,性別,末梢 の運動器異常や家族歴があり,アリルスルファターゼGの異 常といった遺伝的な要因の関与も指摘されている.現在病 態の仮説として運動プログラムの選択及び抑制のメカニズ ム (surround inhibition) の異常,小脳のジストニアの回路へ の関与などが挙げられ,治療として感覚運動再訓練,定位脳 手術,ニューロモデュレーションなどが試みられている.本 症のレビューや最近の知見についても触れたいと考えてい る.

《略歴》平成7年和歌山県立医科大学卒業 平成15年大阪大学医学系研究科生 体統合医学専攻博士課程 平成16年国立循環器病センター内科脳血管 部門 平成22年大阪大学医学部神経内科・脳卒中科特任助教

シンポジウム S-14:ジストニアの臨床像を理解する

5月20日(金) 13:15~14:55 第5会場(神戸国際展示場2号館2F 2A会議室)

シン ポジ ウム

S-14-2

本邦における遺伝性ジストニア

徳島大学病院 神経内科

○宮本亮介,瓦井俊孝,梶 龍兒

1997年にTOR1A(DYT1)が家族性ジストニアの原因遺伝 子として初めて発見されて以降,現在までに15以上の原因遺 伝子が家族性特発性ジストニアの原因として同定されてい る.そのうち比較的頻度が高いと考えられているものは,

TOR1A,GCH1(DYT5,瀬川病),THAP1(DYT6),PRRT2 (DYT10),SGCE(DYT11),GNAL(DYT25)であり,これら の遺伝子に変異を持つジストニア家系は本邦においても存 在する.

ジストニアの臨床型から原因遺伝子を予測するのはしば しば困難であるが,DYT5では下肢発症でL-dopaに反応する ことが,DYT10では発作性運動起源性であることが,また DYT11ではミオクローヌスを伴うことが,それぞれ診断の 手がかりになる場合が多い.また,DYT1では四肢のジスト ニアで発症する場合が,DYT6,DYT25については頚部のジ ストニアで発症する場合が多く,発症部位に関する情報は原 因遺伝子スクリーニングの優先順位決定に用いられる.

我々の日本人ジストニア患者における検討では,約10%の 患者で家族歴が陽性であった.また,二つの異なったスク リーニング調査において,DYT1は3.4%(6/178),DYT6は 1.4%(4/280)の割合で存在することを明らかにした.本邦に おけるDYT1の表現型は既報告と同様であった.一方,一人 のDYT6患者は頚部発症の典型例であったが,二人のDYT6 患者では稀な書痙発症であり,もう一人はミオクローヌス様 の不随意運動を呈したことが特徴的であった.

本口演では,ジストニアの原因遺伝子による分類を軸にし ながら,遺伝性ジストニアの臨床型の多様性および共通項に ついて述べる.(症例ビデオ使用)

《略歴》2005年(H17) 3 月 徳島大学医学部卒業 2005年(H17) 4 月 亀田総合病院 初期研修医 2007年(H19) 4 月 亀田総合病院 神経内科 医員 2009年(H21)10月 徳島大学 神経内科 医員

2010年(H22)10月 広島大学 原爆放射線医科学研究所 分子疫学 特別研究員

2013年(H25) 4 月~ 徳島大学 神経内科 医員

S-14-3

課題特異性 (task-specific)ジストニア

~音大生における実態調査と最近の知見

大阪大学大学院医学系研究科神経内科学

○小仲 邦,望月秀樹

ジストニアは異常運動の持続的な筋緊張によりしばしば 捻転性または反復性の運動や異常姿勢を来す病態と定義さ れ,特定の課題を施行した時に限定して生じる場合を課題特 異性ジストニアという.課題特異性ジストニアは約2世紀前 に初めて報告され,以来神経内科医にとって大変興味深い神 経徴候として注目されることとなった.職業上の特定の動 作で出現する職業性ジストニアは器楽演奏家,理容師,タイ ピストなどが知られている.具体的には鍵盤やキーボード の打鍵の際に指が過度に屈曲,または伸展したり,鋏を使用 する時に指が硬直したりする動作が不随意に出現する.課 題特異性ジストニアの出現部位は手指以外にも顔面の上部 や下部,喉頭,上下肢,体幹といった局所における出現が知 られる.本邦における課題特異性ジストニアの実態調査の 報告は少なく,我々は特に音楽家に注目し,二つの音楽大学 生1480名を対象に器楽演奏や歌唱時のジストニアの経験に ついて調査を行った.得られた回答の中でジストニアを有 すると考えられた学生10名は医療機関を受診しておらず,本 症候の社会的な周知や理解が不十分である背景が推測され た.課題特異性ジストニアのリスクとして年齢,性別,末梢 の運動器異常や家族歴があり,アリルスルファターゼGの異 常といった遺伝的な要因の関与も指摘されている.現在病 態の仮説として運動プログラムの選択及び抑制のメカニズ ム (surround inhibition) の異常,小脳のジストニアの回路へ の関与などが挙げられ,治療として感覚運動再訓練,定位脳 手術,ニューロモデュレーションなどが試みられている.本 症のレビューや最近の知見についても触れたいと考えてい る.

《略歴》平成7年和歌山県立医科大学卒業 平成15年大阪大学医学系研究科生 体統合医学専攻博士課程 平成16年国立循環器病センター内科脳血管 部門 平成22年大阪大学医学部神経内科・脳卒中科特任助教

シンポジウム S-14:ジストニアの臨床像を理解する

5月20日(金) 13:15~14:55 第5会場(神戸国際展示場2号館2F 2A会議室)

296 -シン

ポジ ウム

S-14-4

ジストニアの電気生理からみた病態生理 と治療~反復経頭蓋磁気刺激および定位 脳手術

京都医療センター 神経内科

○村瀬永子

【目的】ジストニアは臨床像からジストニアのみの症状のもの(isolated dystonia)と,ジストニア以外の運動異常症を伴うもの(combined dystonia)

に分類することが提唱され(Albanese A et al., 2013),頻度的にはisolated formが多い.Isolated formを研究することでジストニアの病態の本質を解 明できる.その方法として神経画像・遺伝学的そして電気生理的なアプロー チがあるが,本発表はisolated formの電気生理からのアプローチを紹介す る.

【方法/結果】①ジストニアの特徴のひとつに,特に随意運動により亢進する 筋緊張増加があり,一次運動野が健常人よりも興奮した状態である.一次 運動野の興奮性は非一次運動野(運動前野や補足運動野)により影響をうけ る.弱くゆっくりした磁気刺激を運動前野に反復して与えることで,健常 人なら何ら変化しない刺激にジストニアは反応し,症状が改善される患者 がいる(Murase N et al., 2005).また2連発刺激により,健常者でみられな い抑制が運動前野から運動野へおよび(Richardson S et al., 2014),運動前野 の異常は代償システムと考えられる.これを治療に応用した結果を報告す る.②他の重要な特徴に感覚トリックがある.これは触覚刺激で運動症状 が軽くなる現象で,感覚運動連関の異常を意味する.この連関の研究に体 性感覚誘発電位(somatosensory evoked potential: SEP)がある.運動プロ グラムが立ち上がる前に前頭葉を中心にSEPの電位が下がるメカニズム

(gating)が健常人にはあるが,ジストニアではgatingがみられない(Murase N.,2000).さらに感覚入力は皮質だけでなく,運動系ループ(非一次運動野 -線条体-淡蒼球/視床下核-視床-非一次運動野)において線条体あるいは視床 にも入力がある.難治性ジストニアの治療で淡蒼球内節や視床に深部脳刺 激や焼灼がおこなわれるが,これらの部位で術中に電気活動が調べられる.

その活動は同部位の他疾患と比較して不規則な電気活動であることが知ら れている(Zhuang P et al., 2004).おそらく異常な感覚入力が淡蒼球内節や 視床での異常な電気活動(異常な同期現象)と関係していると予想され,定 位脳手術の効果も含め,得られた知見を提示する.

【結論】運動系ループの電気生理に基づく治療は,適切な時期とケースを選 ぶことで有効である.

《略歴》平成 4 年 3 月 京都大学医学部卒業

平成 4 年 6 月 国立京都病院 現・京都医療センター 内科研修医 平成 6 年 6 月 医仁会武田総合病院(神経内科レジデント)勤務 平成 8 年 4 月 京都大学大学院医学研究科博士課程入学 平成12年 4 月 京都大学医学部付属病院 神経内科医員

平成14年 2 月 National Institute of Health (NIH) / National Institute of Neurological Disorders and Stroke (NINDS) にてclinical research fellowとして勤務 平成15年 4 月 徳島大学医学部感覚情報医学講座神経情報医学分(神経内科)助教 平成17年 4 月 国立病院機構 宇多野病院 神経内科 統括診療部医長,臨床研究部室長 平成20年 4 月 徳島大学医学部感覚情報医学講座神経情報医学分野(神経内科)助教 平成21年 6 月 Institute of Neurology, University College Londonにてresearch associate 平成23年 7 月 1 日より現職 京都医療センター神経内科 医長,京都大学医学研究科附属脳機

能総合研究センター非常勤講師

シンポジウム S-14:ジストニアの臨床像を理解する

5月20日(金) 13:15~14:55 第5会場(神戸国際展示場2号館2F 2A会議室)

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-シン ポジ ウム

ドキュメント内 第57回日本神経学会学術大会 抄 録 集 (ページ 167-170)

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