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企業ドメインとドメイン・コンセンサスの考察

ドキュメント内 学位の分野 経営学 (ページ 148-151)

第 5 章 事例研究Ⅱ

5.3 社会課題(1) 1960 年代の安全問題への対応

5.3.4 企業ドメインとドメイン・コンセンサスの考察

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ペ ー ン 、 品 質 活 動 、 予 防 安 全 技 術 開 発 に よ っ て 消 費 者 と 結 び つ く 、 と い う テ ク ノ ロ ジ ー を 運 用 し た と 考 え ら れ る 。 こ の 時 の 消 費 者 と 企 業 の 関 係 で あ る が 、 企 業 は 、 先 進 安 全 車 を 購 入 し て も ら う と い う 、 消 費 者 の 持 つ 資 源 を 獲 得 し た と 考 え ら れ る 。

以 上 の 分 析 結 果 を 、 図 5-5 に 示 す 。

出 所 : 筆 者 作 成

図 5-5 戦 略 論 の 分 析 枠 組 み ① に よ る オ ー プ ン ・ シ ス テ ム と テ ク ノ ロ ジ ー の

分 析 ( 3)

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縄 張 り に つ い て は 、「 自 動 車 を 大 衆 の 手 に 」「 よ い 品 よ い 考 」 と い う 創 業 の 理 念 か ら 、「 さ ら に 安 全 な 車 、 完 全 な 車 を 」「 品 質 の ト ヨ タ 」 へ と 、 ト ヨ タ の 社 長 が 全 社 員 向 け メ ッ セ ー ジ で 伝 え た 通 り 変 化 し た 。 こ の こ と か ら 、 ト ヨ タ は 、 安 全 問 題 へ の 対 応 を 経 て 、 ① 事 業 の 範 囲 、 ② サ ー ビ ス を 受 け る 対 象 を 拡 大 し 、 ド メ イ ン を 変 化 さ せ た 、 と 考 え ら れ る 。

以 上 の 分 析 結 果 を 、 図 5-6 お よ び 表 5-4 に 示 す 。

出 所 : 筆 者 作 成

図 5-6 戦 略 論 の 分 析 枠 組 み ① に よ る オ ー プ ン ・ シ ス テ ム と テ ク ノ ロ ジ ー の

分 析 ( 4)

表 5-4 戦 略 論 の 分 析 枠 組 み ② に よ る 企 業 ド メ イ ン の 分 析

出 所 : 筆 者 作 成

さ ら に 、 こ れ が ど れ だ け 社 会 に 認 知 さ れ た か と い う 、 ド メ イ ン ・ コ ン セ ン サ ス に つ い て 考 察 し て い く 。 ド メ イ ン ・ コ ン セ ン サ ス と は 、 組 織 が 何 を し 、 何 を し な い か と い う こ と に つ い て 、 組 織 メ ン バ ー な ら び に 彼 ら と 相 互 作 用 の 関 係 に あ る 人 々 の 双 方 の 期 待 の 集 合 を 規 定 す る こ と (Thompson,1967) で あ り 、 経 営 者 側 の ド メ イ ン 定 義 と い う 集 合 と 、 顧 客 な ど を 含 む 外 部 環 境 が そ の ド メ イ ン

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に つ い て 持 っ て い る 認 識 と い う 集 合 と が 重 な り 合 う 、 積 集 合 に 相 当 す る 部 分 で あ る 。 重 な る 部 分 が 大 き い ほ ど 、 そ の 企 業 の ド メ イ ン は 社 会 的 に 認 知 さ れ て い る と さ れ る ( 榊 原 ,1992)。 前 述 の ド メ イ ン の 変 化 を 踏 ま え る と 、 安 全 問 題 へ の 対 応 後 の ド メ イ ン ・ コ ン セ ン サ ス と は 、 ト ヨ タ が 安 全 で 品 質 の 良 い 大 衆 車 を 提 供 す る 企 業 で あ る と の 社 会 的 な 認 知 と 考 え ら れ る 。 こ の よ う に 、 ド メ イ ン が 社 会 的 に 認 知 さ れ た か ら こ そ 、 消 費 者 の 購 買 行 動 に つ な が り 、 ニ ュ ー コ ロ ナ が 約 3 年 間 販 売 台 数 1位 を 維 持 し 、そ の 結 果 、ト ヨ タ は 、財 務 上 の 利 益( 経 済 性 ) を 獲 得 し た 、 と い え る か ら で あ る 。 つ ま り 、 当 事 例 は 、 組 織 が 依 存 し て い る 環 境 か ら ド メ イ ン ・ コ ン セ ン サ ス を 得 る こ と に よ っ て 、 運 用 し た テ ク ノ ロ ジ ー が 功 を 奏 し 、 イ ン プ ッ ト か ら さ ら に 望 ま し い ア ウ ト プ ッ ト を 生 み 出 す こ と が で き た 、 と い う プ ロ セ ス を 辿 っ た も の と 考 え ら れ る 。

こ れ ら 安 全 問 題 へ の 対 応 に つ い て の 事 例 分 析 結 果 を ま と め 、 ト ヨ タ が 社 会 か ら の 要 請 に 応 答 し た 影 響 に つ い て 考 察 を 行 う と 、 以 下 の よ う に な る 。 第 一 に 、 同 社 と 社 会 と の 関 係 性 に 変 化 が 見 ら れ る 。 企 業 は 社 会 か ら の 要 請 に 適 応 し な け れ ば な ら ず 、 こ れ に 応 答 す る こ と に よ っ て こ そ 企 業 は 正 当 性 を 獲 得 で き る と い っ た 、CSR 論 に お け る 重 要 な 認 識 が 含 ま れ て い る 。

第 二 に 、 リ コ ー ル 問 題 と い う 社 会 か ら の 要 請 に 応 答 し た こ と に 伴 い 、 同 社 の 安 全 対 応 技 術 や 施 策 が 強 化 さ れ た と 考 え ら れ る 点 で あ る 。そ の 後 の ト ヨ タ に は 、 交 通 体 系 問 題 へ の 意 識 の 高 ま り や 、 政 府 、 特 に 行 政 を 巻 き 込 ん で い く 姿 勢 が 生 ま れ て い る 。社 会 課 題 の 解 決 に 積 極 的 に 関 与 す る こ と に よ っ て 、1987 年 の 日 本 移 動 通 信(株)設 立 へ の 中 核 出 資 や 、 そ の 後 の ITS( 高 度 道 路 交 通 シ ス テ ム ) 技 術 と い っ た 、 新 た な 事 業 の 芽 も 、 こ の 頃 に 生 ま れ て い る 。

第 三 に 、 社 会 か ら の 要 請 に 応 答 し た 結 果 、 社 会 か ら 安 全 性 に 対 す る 評 価 を 得 る と と も に 、 収 益 面 に も 貢 献 し た こ と が 挙 げ ら れ る 。1973 年 12 月 に 発 売 さ れ た 、 予 防 安 全 技 術 を 多 数 搭 載 し た コ ロ ナ が 、 連 続 35 カ 月 間 、 小 型 乗 用 車 で 販 売 台 数 ト ッ プ と な っ た こ と な ど が 、 そ の 証 左 で あ る 。

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