第 4 章 事例研究Ⅰ
4.2 事例研究Ⅰの分析
4.2.3 事例 ③帝人
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出 所 : 筆 者 作 成
図 4-2 ト ヨ タ の ス テ イ ク ホ ル ダ ー ・ 企 業 ド メ イ ン ・ 社 会 課 題 の 関 連 性
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( 2 ) 帝 人 の ス テ イ ク ホ ル ダ ー
帝 人 の ス テ イ ク ホ ル ダ ー は 、表 4-11の よ う に 設 定 さ れ て い る 。顧 客・消 費 者 に つ い て は 、 直 接 的 な ス テ イ ク ホ ル ダ ー と し て 挙 げ ら れ て い る も の の 、 消 費 者 に つ い て は 、「 主 に 素 材 製 造 な ど 一 般 生 活 者 と 直 接 的 に 関 わ り を 持 た な い 業 種 を 中 心 に 事 業 活 動 を 展 開 し て い ま す が 、 多 様 な 分 野 に わ た る 数 多 く の 企 業 の 製 品 や サ ー ビ ス に 形 を 変 え て 、 そ の 先 に い る 一 般 生 活 者 の 暮 ら し に 深 く 関 わ っ て い ま す (p.5)」 と 、 実 際 に は 間 接 的 な 関 係 性 で あ る 。 ま た 、 個 別 の ス テ イ ク ホ ル ダ ー に 関 す る 責 任 の 内 容 に つ い て は 、 特 に 記 載 が な い 。 帝 人 の 場 合 は 、 一 般 消 費 者 で は な く 、素 材 製 造 業 者 を 対 象 と し た 、い わ ゆ る B to B 企 業 で あ る 点 が 特 徴 で あ る 。
表 4-11 帝 人 の ス テ イ ク ホ ル ダ ー
主 な ス テ イ ク ホ ル ダ ー 主 な 責 任
株 主 出 資 者
「 主 に 素 材 製 造 な ど 一 般 生 活 者 と 直 接 的 に 関 わ り を 持 た な い 業 種 を 中 心 に 事 業 活 動 を 展 開 し て い ま す が 、 多 様 な 分 野 に わ た る 数 多 く の 企 業 の 製 品 や サ ー ビ ス に 形 を 変 え て 、 そ の 先 に い る 一 般 生 活 者 の 暮 ら し に 深 く 関 わ っ て い ま す (p.5)」 と あ り 、 個 別 の ス テ イ ク ホ ル ダ ー に 関 す る 責 任 に つ い て は 、 特 に 記 載 な し 社 員 ・ 労 働 組 合 ・ 求
職 者
直 接 的 な ス テ イ ク ホ ル ダ ー 顧 客 ・ 消 費 者 〃
仕 入 先 ・ 協 力 企 業 〃 債 権 者 ( 金 融 機 関 ) 〃
業 界 団 体 〃
地 域 住 民 ・NGO・ NPO
間 接 的 な ス テ イ ク ホ ル ダ ー
自 治 体 〃
政 府 ・ 官 公 庁 〃 マ ス メ デ ィ ア 〃
環 境 〃
出 所 :TEIJIN CSR Report (2012) p.50 を も と に 筆 者 作 成
( 3 ) 帝 人 の 掲 げ る 社 会 課 題 と そ の 対 応
帝 人 の 掲 げ る 社 会 課 題 は 、 表 4-12 の 通 り で あ る 。 概 ね 、 地 球 環 境 問 題 に 関 す る も の ( ① ) と 、 主 に 社 内 を 対 象 と し た 防 災 、 安 全 、 健 康 に 関 す る も の ( ②
③ ④ ) に 大 別 で き る 。 地 球 環 境 問 題 に 関 す る も の ( ① ) に つ い て は 、 製 造 工 程 で 配 慮 す る も の ( 例 え ば 、 化 学 物 質 の 管 理 ・ 排 出 量 削 減 ) と 、 製 品 に よ っ て 貢 献 す る も の (CO2削 減 に 貢 献 す る 最 先 端 技 術 素 材 や 資 源 ・ 水 の 循 環 を 実 現 す る た め の 技 術 の 開 発 、 製 品 の 普 及 ) と に 分 か れ る 。 一 方 、 防 災 、 安 全 、 健 康 に 関 す る も の ( ② ③ ④ ) に つ い て は 、 概 ね 製 造 工 程 で 配 慮 す る も の ( 例 え ば 、CO2
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排 出 原 単 位 を 毎 年 1%以 上 改 善 、 有 害 化 学 物 質 に よ る 健 康 障 害 の 防 止 ) が 挙 げ ら れ て い る 。
表 4-12 帝 人 の 掲 げ る 社 会 課 題
帝 人 の 掲 げ る 社 会 課 題① 環 境 地 球 温 暖 化 防 止
化 学 物 質 の 管 理 ・ 排 出 量 削 減 廃 棄 物 削 減
環 境 配 慮 設 計 環 境 ビ ジ ネ ス
② 防 災 重 大 事 故 ゼ ロ
グ ル ー プ 全 体 の 防 災 力 の 向 上
③ 安 全 年 間 の 休 業 災 害 度 数 率 を 0.3 以 下 に 維 持
④ 健 康 ・ 衛 生 気 軽 な 相 談 環 境 づ く り と 面 談 機 会 の 拡 充 に よ る 早 期 予 防 対 応 の 強 化
有 害 化 学 物 質 に よ る 健 康 障 害 の 防 止
出 所 :TEIJIN CSR Report (2012) p.21 を も と に 筆 者 作 成
こ れ ら の 社 会 課 題 に 対 応 す る た め の 解 決 策 と 、 具 体 的 に 既 に 提 供 さ れ て い る 財 ・ サ ー ビ ス に つ い て は 、 表 4-13 の 通 り で あ る 。 特 に 、 ① 環 境 の 課 題 に お い て 、 環 境 配 慮 設 計 と し て 、 省 資 源 、 省 エ ネ ル ギ ー ・ 環 境 保 全 、CO2削 減 等 に 取 り 組 み 、 様 々 な 環 境 配 慮 設 計 認 定 商 品 を 生 み 出 し て い る 。 こ の 環 境 配 慮 設 計 認 定 制 度 は 、帝 人 グ ル ー プ 独 自 の 制 度 で 、2008 年 1 月 か ら 運 用 さ れ て お り 、一 定 以 上 の 売 り 上 げ が 予 想 さ れ る 製 品 等 に 対 し て 審 査 を 行 い 、 適 合 し た も の が 認 定 さ れ る と い う も の で あ る 。2011 年 度 は 5 製 品 を 認 定 し て い る も の の 、一 般 の 消 費 者 が 直 接 購 入 で き る 商 品 で は な く 、 そ の 一 部 に 素 材 と し て 使 用 さ れ て い る 商 品 が 中 心 で あ る 。
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表
4-13帝 人 の 提 供 し て い る 課 題 の 解 決 策
課 題 の 解 決 策 具 体 的 な 財 ・ サ ー ビ ス
① 環 境 環 境 配 慮 設 計 省 資 源
省 エ ネ ル ギ ー ・ 環 境 保 全 CO2削 減
高 い 耐 熱 性 を 実 現 し た バ イ オ プ ラ ス チ ッ ク 「 バ イ オ フ ロ ン ト 」 人 工 皮 革 「 コ ー ド レ 」
バ イ オ マ ス プ ラ 識 別 表 示 制 度 等 に 対 応 し た ポ リ カ ー ボ ネ ー ト・ポ リ 乳 酸 ア ロ イ 「E-COMMUTE」
② 防 災 重 大 事 故 ゼ ロ
グ ル ー プ 全 体 の 防 災 力 の 向 上
③ 安 全 年 間 の 休 業 災 害 度 数 率 を 0.3 以 下 に 維 持
④ 健 康 ・ 衛 生
気 軽 な 相 談 環 境 づ く り と 面 談 機 会 の 拡 充 に よ る 早 期 予 防 対 応 の 強 化
有 害 化 学 物 質 に よ る 健 康 障 害 の 防 止
出 所 :TEIJIN CSR Report (2012) p.41 を も と に 筆 者 作 成
表 4-11~13 の デ ー タ を 用 い 、ス テ イ ク ホ ル ダ ー ・ 企 業 ド メ イ ン ・ 社 会 課 題 の 関 連 性 を 整 理 し た の が 、 図 4-3 で あ る 。 主 な ス テ イ ク ホ ル ダ ー は 11 項 目 挙 げ ら れ て い る も の の 、 個 別 の ス テ イ ク ホ ル ダ ー に 関 す る 責 任 の 内 容 に つ い て は 、 一 般 消 費 者 で は な く 、素 材 製 造 業 者 を 対 象 と し た 、い わ ゆ る B to B 企 業 で あ る と し て 、 特 に 記 載 が な い 。 彼 ら に 対 す る 責 任 に 具 体 的 に 言 及 さ れ て い な い こ と か ら 、 分 析 視 座 ① ス テ イ ク ホ ル ダ ー へ の 対 応 に つ い て は 、 明 確 に 確 認 す る こ と が 困 難 で あ る 。 一 方 、 社 会 課 題 は 4項 目 挙 げ ら れ 、 課 題 と 自 社 の 事 業 と の 関 わ り に つ い て も 明 瞭 に 記 載 さ れ て い る 。特 に 、地 球 温 暖 化 防 止 、化 学 物 質 の 管 理 ・ 排 出 量 削 減 、 廃 棄 物 削 減 と い っ た 環 境 問 題 に 関 す る 社 会 課 題 に つ い て は 、 バ イ オ プ ラ ス チ ッ ク 等 、 環 境 配 慮 設 計 や 省 資 源 を 実 現 し た 具 体 的 な 製 品 が 提 供 さ れ て い る 。 よ っ て 、 ② 製 品 や サ ー ビ ス を 受 け る 対 象 と な る 主 体 に つ い て は 、 具 体 的 な 記 述 が 十 分 な い も の の 、 ① 製 品 や サ ー ビ ス の 範 囲 、 ③ 提 供 す る 製 品 や サ ー ビ ス に 関 し て 、 組 織 が 主 張 す る そ れ 自 体 の 縄 張 り (Thompson,1967) と し て 把 握 さ れ る 分 析 視 座 ② 企 業 ド メ イ ン に つ い て は 、 確 認 す る こ と が 可 能 で あ る 。 同 社 の 事 例 は 、 事 例 企 業 と し て の 情 報 量 と し て は 、 や や 不 十 分 で あ る 。 社 会 課 題 の 解 決 策 が 、 環 境 配 慮 設 計 等 の 具 体 的 な 財 ・ サ ー ビ ス と し て 提 供 さ れ て い る に も か か わ ら ず 、 ス テ イ ク ホ ル ダ ー に つ い て の 具 体 的 な 言 及 が な い た め 、 彼
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ら と 社 会 課 題 と の 間 の 繋 が り を 明 確 に 示 す こ と が で き ず 、 社 会 性 と 経 済 性 の 達 成 が で き て い る 状 況 を 明 確 に 確 認 で き る 材 料 が 揃 っ て い な い 事 例 と 考 え ら れ る 。
出 所 : 筆 者 作 成