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談話完成テスト(調査票)

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 174-177)

第 7 章 スピーチレベルの使用に関する日中比較

7.2 調査方法

7.2.2 談話完成テスト(調査票)

調査票における質問項目は18場面からなり、大きく謝罪・依頼・断りの3つの場面に分 けた。さらに、対話相手との人間関係(親疎・上下)を親・上、疎・上、親・同、疎・同、

親・下、疎・下の6種に組み合わせた(付録3を参照)。

場面の性質と対話相手との関係を考慮し、次のような対話相手と場面の設定を行った。

7.2.2.1 対話相手と場面の設定

1)謝罪場面 <対話相手>

[目上] 親しい指導教員/あまり親しくない○○先生

[同等] 親しい同性の友達(同年齢)/あまり親しくない同性の友達(同年齢)

[目下] 親しい同性の後輩(水泳部)/あまり親しくない同性の後輩(水泳部)

謝罪場面では、調査対象者の身分(大学生あるいは大学院生)を考慮し、目上の相手を 日常では接触機会が多いと予想される大学の先生に設定した。そのうえで、親しい先生を 普段接触の多い指導教員、あまり親しくない先生を授業だけ取っているが、あまり相談し たことのない先生に設定した。また、同等の相手を親しい同性同年齢の友達と、あまり親 しくない同性同年齢の友達(顔は知っているが、あまり話したことのない友達)に設定し た。さらに、目下の相手を大学生が共通話題を持つ部活の後輩に設定した。また、親しい 目下を同性の水泳部の後輩、あまり親しくない目下を同じ水泳部で顔は知っているが、あ まり話したことのない後輩に設定した。

<場面設定>

[目上] 授業のレポートについての相談に遅刻したことに謝る [同等] 期末の共同発表の準備の待ち合わせに遅刻したことに謝る

[目下] 水泳部の飲み会を同行する待ち合わせに遅刻したことに謝る

上記のように、全て親疎関係を問わず、目上と授業のレポートについての相談、同等と 期末の共同発表の準備、目下と水泳部の飲み会に同行する待ち合わせ、などの約束に電車 の事故で30分遅れたことに謝罪するように場面設定を行った。

2)依頼場面 <対話相手>

[目上] 親しい学科主任の先生/あまり親しくない学科主任の先生

[同等] 親しい同性の友達(同年齢)/あまり親しくない同性の友達(同年齢)

[目下] 親しい同性の後輩(バイト先)/あまり親しくない同性の後輩(バイト先)

依頼場面では、調査対象者の身分(大学生あるいは大学院生)を考慮し、目上の相手を 親しい学科主任の先生と、あまり親しくない学科主任の先生に設定した。ここで、学会主 任の先生に設定したのは、後述の場面設定のようにインターン先への推薦状が必要である ため、社会的地位の高い目上に依頼するほうが申請の成功と関係していることが予想され るからである。また、同等の相手を親しい同性同年齢の友達と、あまり親しくない同性同 年齢の友達(顔は知っているが、あまり話したことのない友達)に設定した。さらに、目 下の相手を大学生が共通話題を持つバイト先の後輩に設定した。さらに、親しい同性のバ イト先の後輩と、あまり親しくない同性のバイト先の後輩に分類した。

<場面設定>

[目上] インターン先への推薦状を頼む [同等] 授業のノートを頼む

[目下] アルバイトの交代を頼む

上記のように、全て親疎関係を問わず、目上に対してインターン先への推薦状、同等に 対して授業のノート、目下に対してアルバイトの交代を依頼するように場面設定を行った。

3)断り場面 <対話相手>

[目上] 親しい指導教員/あまり親しくない○○先生

[同等] 親しい同性の友達(同年齢)/あまり親しくない同性の友達(同年齢)

[目下] 親しい同性の後輩(バイト先)/あまり親しくない同性の後輩(バイト先)

断り場面では、目上の相手を大学の先生に設定したうえ、さらに親しい先生を普段接触 の多い指導教員、あまり親しくない先生を授業だけ取っているが、あまり相談したことの ない先生に設定した。また、同等の相手を親しい同性同年齢の友達と、あまり親しくない 同性同年齢の友達(顔は知っているが、あまり話したことのない友達)に設定した。さら に、目下の相手を大学生が共通話題を持つバイト先の後輩に設定した。さらに、親しい同 性のバイト先の後輩と、あまり親しくない同性のバイト先の後輩に分けた。

<場面設定>

[目上] 実験補助のアルバイトの依頼を断る [同等] 研究会の受付仕事の依頼を断る

[目下] アルバイトの交代の依頼を断る

上記のように全て親疎関係を問わず、目上からの実験補助のアルバイト、同等からの研 究会の受付仕事と目下からのアルバイト交代などの依頼を断るという場面設定を行った。

7.2.2.2 自由回答の設定 1)謝罪場面

目上(親・疎) あなた:先生、電車の事故で30分遅れ 同等/目下(親・疎) あなた:電車の事故で30分遅れ

2)依頼場面

目上(親・疎) あなた:先生、私の論文の推薦状を_____

同等(親・疎) あなた:先週の○○授業のノートを 目下(親・疎) あなた:ちょっと明日のバイトを

3)断り場面

目上(親・疎) あなた:先生、その日は用事があって 同等/目下(親・疎) あなた:その日は用事があって

自由回答では、上記のように文末のみを自由に回答してもらった。

ここで、選択でも完全な自由回答でもない形式を選択した理由として、本研究では主に 文末に出現している丁寧体と普通体の使用に焦点を当てていることが挙げられる。選択式 の項目を設定すると、回答の自由度が下がることが予想される。一方、完全に自由回答で ある場合、回答が多種多様になるため文末の比較分析が非常に難しくなると予想される。

したがって、文末のみの自由回答という形式を採用することとした。

次に、自由回答の条件設定について、自分の動作(謝罪・断り場面)の場合と依頼主(依 頼場面)の場合に分けて説明する。

自分の動作に関して、謝罪場面で「遅れる」という動詞の名詞形を提示することにより、

下線部に謝罪表現を想定するため、「電車の事故で30分遅れ____」のように規定した。

また、断り場面で、依頼に対する断りだと予想される表現を提供することにより、下線部 に断り表現を想定するため、「その日は用事があって 」のように規定した。

一方、依頼主の場合、依頼場面で「書いていただけないでしょうか」や「お願いしたい と思います」など、異なる動詞による様々な依頼表現が想定されるため、「先生、私の論文 の推薦状を_____」のように全て動詞を規定しないこととした。

なお、下線部に謝罪表現、依頼表現と断り表現以外の回答が予想されるため、自由回答 下線を2行程度に設定した。

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