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日本語双学位のカリキュラム

第 3 章 研究方法

3.1 調査対象

3.1.2 調査校の事情

3.1.2.2 日本語双学位のカリキュラム

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表3-2はK大学の日本語学科に2011年に入学した学習者の一年生から四年生までの日 本語のカリキュラムである。

本研究の研究対象はK大学日本語学科2011年入学の学習者である。K大学の日本語学 科は毎年20人前後を募集する。2011年に募集した15人の学習者の中で、日本語科を第一 志望にした学習者は2人で、第二・三・四・五志望にした学習者は6人で、日本語科を志望し ておらず、日本語専攻に配属された学習者は7人である。学習者のプライバシーを保護す るために、学習者本人の同意を得て、日本語専攻学習者を「A+数字」で表記する。学習 者の内訳は表3-3に示す通りである。

表3-3 本研究における日本語専攻学習者の理系文系別の内訳

日本語学科への志望状況 文系学習者 理系学習者 第一志望 A01、A02

第二-五志望 A03、A04、A05、A06、

A07

A08

志望せず A09、A10、A11、A12、A13、A14、

A15

前述のように、ほとんどの大学が転専攻の制度を有し、K大学もこの制度を有する。大 学によって、転専攻制度が異なり、転専攻試験が行われる時期がそれぞれ違っている。K 大学の場合、一学期が終了し、転専攻試験が行われ、その試験に合格し、かつ日本語専攻 の定期試験に合格すれば転専攻できるということになっている。

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二、三年生向けに相互科目履修の機会が提供され、履修するにあたり学費を支払う必要が ある。年間の取得単位は25単位(1単位の取得には16コマの授業の修了が必要)であり、

1単位は100人民元で、二年間習得する場合、5000人民元13の学費を納める必要がある。

授業は休日や夏休みに行われる。二年生の後半から一年間学習し、規定の単位を取得した 場合はマイナー(中国語では「辅修」)、二年間学習し、規定の単位を取得した場合は、

ダブルディグリー(中国語では「双学位)」)が学習者に与えられる。2008年時点で「七 校聯合」は中国大陸における双学位プログラムの中で実施年数が最も長く、実質的な参加 大学数・学習者数が最も多いと言われている(许 2008)。「七校聯合」に参加している7 校のうちの6校において、日本語専攻学習者は710人であるのに対し、非専攻日本語学習 者は3210人であり、4倍以上である14(国際交流基金2013)。調査対象校であるK大学に おける日本語双学位課程は2002年に開設され、2011年10月まで合計2150人の学習者が その課程を修了した15

K大学の日本語双学位プログラムでは、「日本語の基礎をしっかりマスターし、聞く・

話す・読む・書く・訳すという五つの面の能力を育て、日本文化や社会に対する知識を持 ち、比較的強い社交的能力・仕事能力を持ち、複合的知識構造のある第二専攻としての大 学生であるべき」16である。K 大学の日本語双学位は日本語専攻と比べて、日本語の基礎 知識(聞く・話す・読む・書く・訳す)の技能訓練を重視する教育方針であることが分か る。

本研究で、K大学のクラスを調査対象として選んだ理由は、2012年にK大学で日本語双 学位を利用した学習者数が「七校聯合」参加大学の中で最も多く、多様なデータを得るこ とができ、幅広い分析ができるからである。K大学における日本語双学位の担当教師は日 本語専攻の教師で、カリキュラムも日本語専攻に準じ、作成されており、総授業数は 45 分×800コマであり、四つの学期に分けられる。1学期目から3学期目まではK大学にて授 業を受け、残りの1学期は各自指導教官と面会などの時間を取り、卒業論文に取り組む。

日本語双学位の学士の学位取得の条件は、開設された全ての日本語の授業の試験に合格し、

かつ日本語能力試験N3(以下日本語能力試験を省略し、N3 と略す)または大学日本語4 級試験に合格することとなっている17

13 読者が比較しやすいように、ここではK大学の学費を提示する。K大学ではほとんどの専攻の当時の 学費は4500元/年から5850元/年までとなっている。聞き込み調査では、5000元は学生から見れば大き い金額である。そして、ほとんどの学生の主専攻のほうの学費の源泉は両親などの家族からであり、支 払うことが困難な場合、在学中、国家からの奨学金の貸与(在学中は無利子、卒業後利子が加算される。)

を受けることができるが、上限は毎年学費、生活費などを含め、8000元とされている。

14 国際交流基金のWebページhttps://jpsurvey.net/jfsearch/の検索による(2016617日)。七校の中の一 つの学校のデータがなかった。また、非専攻日本語学習者の内訳が見られないため、双学位の学習者数 を確定することはできない。

15 K大学外国語学部日語系日語双学位宣伝冊子による。

16 K大学外国語学部日語系日語双学位宣伝冊子による。

17 なお、双学位制度というのは、主専攻の学習に余裕がある場合履修しても良いという認識に基づいて導

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K大学における日本語双学位では、1クラスあたりの人数には幅があり、およそ30人か ら60人程度である。毎年第一学年が終了するまでに履修放棄する者が出るため、人数調整 のためにクラス再編が行われる18。K大学の日本語双学位のカリキュラムを表3-4に示す。

表3-4 K大学の日本語双学位のカリキュラム

学年 科目

コマ/週

第一学年 第二学年 前半 後半 前半 総合日本語Ⅰ 8 〇

総合日本語Ⅱ 8 〇

総合日本語Ⅲ 6 〇

日本語聴解 2 〇 〇 日本語会話 2 〇 〇

日本事情 1 〇

日本語実用作文 1 〇

日本語閲読 2 〇

日本新聞閲読 2 〇

日本語上級視聴 2 〇

ビジネス日本語 2 〇

日本語概論 1 〇

日本語試験指導 1 〇

中日対訳 2 〇

論文指導 5/17週 〇

2012 年に K 大学の日本語双学位課程において履修を開始した学習者は四つのクラスに 分けられ、管理の都合上、同じ大学の学習者は同じクラスに割り当てられるよう配慮され ていた。筆者は当時K大学大学院の学生であり、時間・場所ともに調査しやすいクラスで あったため、K大学の学生が大部分を占めているクラス①を研究対象の一つとした。一方、

同じ大学における学習者だけではデータに偏りが生じる恐れがあるため、三つの大学の学 習者により構成され、学習者がバラエティーに富むクラス②も対象とした。日本語双学位 開始時19において、クラス①、クラス②の対象者数はそれぞれ30名、39名である。日本語 専攻学習者と同じように、学習者のプライバシーを保護するために、名前は学習者本人の 同意を得て、「B+数字」で表記する。

入されたものであるため、元々本専攻の学位を取得することも条件となっている。

18 2012年入学の日本語双学位学習者は四つのクラスに分けられたが、一年間が過ぎて、クラス④は解体

され、ほかの三つのクラスに振り当てられた。クラス④は本研究の対象者が所属しているクラスの一つ である。

19 日本語双学位学習開始後、研究に参加する学習者が減少してきているが、以下では、研究課題ごとに対 象者数を説明する。

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