BBCの公共サービスと商業サービスの制度的な切り分け
2 電気通信事業者のネットワークにおける競争条件の整備 (※)
1 規制の現状と進捗状況 制度の概要
【電気通信事業者のネットワーク構築の柔軟性の確保】
・第一種電気通信事業は、電気通信回線設備を設置して電気通信役務を提供する事業とする(同法第6条第2項)。
・第二種電気通信事業は、第一種電気通信事業以外の電気通信事業とする(同法第6条第3項)
・第一種電気通信事業者は、電気通信業務の一部を委託しようとするときは、郵政大臣の認可を受けなければならない
(同法第15条第1項)。
・第一種電気通信事業者は、他の電気通信事業者から当該他の電気通信事業者の電気通信設備をその電気通信回線設備 に接続すべき旨の請求を受けたときは、次に掲げる場合を除き、これに応じなければならない(同法第38条第1項)。
・第一種電気通信事業者は、その提供条件が第31条第1項の規定により届け出た料金、同条第4項の規定により認可 を受けた料金及び第31条の4第1項の規定により認可を受けた契約約款で定める提供条件と異なる電気通信役務
(約款外役務)を第二種電気通信事業者に提供するため、当該第二種電気通信事業者と約款外役務の提供に関する契 約を締結し、又は変更しようとするときは、郵政大臣の認可を受けなければならない。(同法第39条の3第2項)
【線路敷設問題】
・線路敷設問題に関する関係省庁は、規制緩和推進3か年計画及び「規制緩和及び競争政策に関する日米間の強化され たイニシアティブ」(第 1 回)共同現状報告に基づき、我が国における線路敷設の問題に関して、平成10年4月か ら12月にかけて、13回の検討会議を開催し、広く公募した関係企業及び団体並びに米国、EU等内外の意見を聴 取しつつ、検討を行い、その結果を同年12月25日に発表した。また、この検討結果に基づき、関係事業者の協力 を得て、平成11年3月26日に「関係事業者等による自主的な改善策の現状」を調査・公表した。
・平成11年度においては、規制緩和推進3か年計画(改定)及び「規制緩和及び競争政策に関する日米間の強化され たイニシアティブ」(第2回)共同現状報告に基づき、関係省庁レビュー会議(参加省庁:内閣内政審議室、公正取 引委員会、警察庁、経済企画庁、法務省、外務省、大蔵省、厚生省、通商産業省、運輸省、郵政省、建設省、自治省)
を開催し、線路敷設問題に関するレビューを行った。
(注)線路敷設問題:電気通信事業者やケーブルテレビ事業者が線路(電線及びその支持物(電柱等))及び空中線
(アンテナ)並びにこれらの附属設備(マンホール、水底線標示柱等)を敷設、保守する場合の、自ら所有して いない土地、施設、水底等の使用に関する問題。
【NTTの在り方】
・平成11年7月、NTTを持株会社の下に、東・西地域会社と長距離会社に再編成する。
・持株会社は、地域会社の株式の総数を保有し、株主権を行使することにより、地域会社による適切かつ安定的な電気 通信役務の提供の確保を図るとともに、基盤的な研究を推進する持株会社とする。
・地域会社(東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社)は地域電気通信事業を経営し、あまねく日本全国 における電話の確保に寄与する特殊会社とする。
・長距離会社は、民間会社とし、新たに国際通信にも進出し得るものとする。
・持株会社及び地域会社については、基本的には現行NTTに準ずる特殊会社規制を行うが、ア)地域会社の役員選任・
解任、利益処分について非規制、イ)持株会社及び地域会社の附帯業務について非規制(現行は届出制)、とする規 制緩和を行う。
政府の対応(規制緩和 推進3か年計画)
【電気通信事業者のネットワーク構築の柔軟性の確保】
・電気通信事業者のネットワークの構築の柔軟性向上のため、以下について検討を行い、必要な措置を講ずる。
1) 第一種電気通信事業者が自己のネットワークの一部に他の電気通信事業者から利用者契約約款ベースで調達した 電気通信回線設備を利用し、全体を一体的に第一種電気通信事業として運用することができるようにする。(12 年中実施)
2) 第一種電気通信事業者と第二種電気通信事業者がそれぞれ両事業を独立した事業として行う場合に必要とされて いるいわゆる別会社要件を撤廃する。(12年中実施)
【線路敷設問題】
・関係省庁会議において、引き続き、事業者から線路敷設に関する苦情の受付等を行うとともに、平成12年3月に公 表したレビュー結果報告書を踏まえ、また、寄せられた苦情や内外の関係者からの意見等を参考としつつ、線路敷設 の円滑化に努める。(12年度実施)
【NTTの在り方】
・NTTの再編成の着実な実施を図る。また、NTTの東西地域会社間における競争の促進状況について、十分注視し、
必要に応じ人的を始めとするファイアーウォールの設置その他の手段により実質的な競争を実現するための有効な 措置を講じる(10年度以降実施予定)。
・NTTのドコモ株の保有割合の引き下げについては、携帯電話事業者間の競争状況とドコモとNTT東西地域会社と の間の競争の状況に留意しつつ、引き続き検討を進める(11年度以降実施予定)。
進捗状況、検討状況
【電気通信事業者のネットワーク構築の柔軟性の確保】
・政府は、電気通信事業者による回線調達方法に関する理解の一層の促進を図り、透明性を確保するために、平成11 年中にマニュアルを公表。
【NTTの在り方】
・平成11年7月1日、NTT再編成実施。
2 論点整理
(注)・◇は当委員会の規制改革の意見・考え方であり、◆は◇に対する所管省庁等の説明や意見・考え方を示す。
・(IT関連)は、IT化関連の論点を含むことを示す。
【電気通信事業者のネットワーク構築の柔軟性の確保】(IT関連)
論点1:電気通信事業者のネットワーク構築の柔軟性の確保についての検討を注視する。
◇電気通信事業者のネットワーク構築の柔軟性向上のため、現行の規制緩和推進3か年計画(再改定)においては、第一種電気通信事業者と第二 種電気通信事業者がそれぞれ両事業を独立した事業として行う場合に必要とされているいわゆる別会社要件の撤廃などについて検討し必要な措 置を講ずることとなっている。しかし、ワンストップサービスの提供を可能とするためには、一種事業者の回線調達方法の一層の多様化・自由 化を図ることが必要であり、電気通信設備を他の事業者に提供し、自らは電気通信サービスの提供を行わない事業形態(いわゆるゼロ種)等に ついても検討すること、さらに、第一種事業者と第二種事業者の区分についても、必要によっては新たな視点で見直しを行い、活発な参入を促 進する上で有効な制度となるように配慮することが重要である。当委員会としては、こうした観点から、電気通信事業者のネットワーク構築の 柔軟性の確保についての検討を注視していく。
◆電気通信事業者のネットワーク構築の柔軟性向上については、従来より、①破棄し得ない使用権(IRU)、②相互接続、③業務委託により柔軟 な他者の回線利用が可能となっているほか、二種事業についても、回線設備設置を部分的に可能とする法改正を平成10年11月から実施する など柔軟なネットワーク展開が可能となっており、事業者の理解の一層の促進を図るためにこれら回線利用方法についてのマニュアルを昨年作 成し、公表済みである。また、現行の規制緩和推進3か年計画においても、ネットワーク構築柔軟性の措置を取ることとしており、現在その準 備を行っているところであるところから、まずはそれら措置結果の状況を把握することが重要である。
【線路敷設問題】(IT関連)
論点2:地域通信市場において実質的競争を実現するために、当委員会としては、線路敷設に関する具体的な問題点の把握・明確化に向けてヒ アリング等を行うこととし、その結果、問題点が明確になった場合、必要に応じて適切な対処方法について検討する。
◇我が国の地域通信市場は依然として、実質的な競争が行われているとはいえない状況であり、電気通信市場を活性化する上では、地域アクセス 網においていかに実質的な競争を実現していくかが重要な課題となっている。
◇関係省庁レビュー会議による「我が国における「線路敷設権」に関するレビュー結果(平成12年3月27日)」によると、「過去一年間の管路、
とう道、電柱等の利用に関する申請、提供等の現状調査の結果、線路敷設の円滑化が進展しているとの評価を得た。なお、事業者から関係省庁 レビュー会議に寄せられた具体的な苦情はなかった。・・・具体的な問題点が明確化されなかったこと、線路敷設の円滑化が進展しているという 現状、等から、事業者に対して設備の提供を新たに法律により義務づける必要性を見出すには至らなかった。・・・問題点の把握・明確化のため、
平成12年度も引き続き苦情を受け付けると共に、内外の意見・要望を参考とする。苦情等を通じて問題点が明確化された場合には、適切な対 処方法について検討する。平成12年度も関係省庁レビュー会議を継続する。」とされている。
この問題については、基本的に、それぞれの事業者が手続等を設定・公表することとされているが、行政機関を含む関係当事者や、関係する 制度が多数に上り、複雑な状況を示している。当委員会としては、上記関係省庁レビュー会議によるレビュープロセスを関心をもって注視する とともに、線路敷設に関する具体的な問題点の把握・明確化に向けて関係省庁や事業者等からヒアリングを行うこととし、その結果、問題点が 明確になった場合には、必要に応じて適切な対処方法について検討することとしたい。