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著作物の再販売価格維持制度の見直し (※)

ドキュメント内 橡00論点公開表紙2000.PDF (ページ 85-89)

1  規制の現状と進捗状況 

制度の概要  【著作物の再販売価格維持制度】 

・ある商品のメーカー等が、取引先である卸売業者や小売業者に対して、卸売価格や小売価格を指示してこれを維持 させる行為は一般に「再販売価格維持行為」(以下「再販行為」という)と呼ばれており、独禁法により、「不公正 な取引方法」として禁止されている。ただし、著作物については、メーカー等が再販行為を行っても一定の条件の 下で独禁法が適用されず、再販行為が認められることとされている。(独禁法第24条の2) 

・著作物の範囲について、 公正取引委員会は、再販行為が認められる「著作物」を、書籍・雑誌、新聞、レコード 盤・音楽用テープ・音楽用CDに限定している。(公正取引委員会の運用解釈) 

・ビデオ・レーザーディスク等の映像媒体及びコンピュータープログラム、データベース等は対象外とされている。 

政府の対応(規制緩和 推進3か年計画) 

 

【著作物の再販売価格維持制度】 

・著作物(書籍・雑誌、新聞、レコード盤・音楽用テープ・音楽用CD)の再販売価格維持制度については、独占禁 止法上原則禁止されている再販行為に関する適用除外制度であることから、制度を維持すべき相当の特別な理由が 必要であり、今後、行政改革委員会最終意見の指摘する論点に係る議論を深めつつ、適切な措置を講ずるものとす る。(10年度以降是正) 

・当面、現行の再販制度の下で見られる各種の流通・取引慣行上の弊害について、消費者利益確保の観点から、迅速 かつ的確にその是正を図ることとする。 

進捗状況、検討状況  ・公正取引委員会は、平成10年12月及び平成11年12月、関係業界における流通・取引慣行改善等の取組につ いての報告を発表した。新聞については、平成10年4月及び8月に新聞業の景品告示及び公正競争規約をそれぞ れ改正した。また、平成11年7月には新聞業特殊指定を全面改正した。書籍・雑誌については、平成11年9月 に「出版物小売業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約」を改正したほか、「出版物の価格表示等に 関する自主基準」の見直し等を行っている。 

  また、著作物再販制度については、引き続き検討中であり、平成13年春を目途に制度自体の存続について結論を 得ることとしている。現在、時限再販・部分再販等再販制度運用の弾力化など弊害是正の状況を把握中。 

 

2  論点整理 

(注)・◇は当委員会の規制改革の意見・考え方であり、◆は◇に対する所管省庁等の説明や意見・考え方を示す。 

     ・(IT関連)はIT化関連の論点を含むことを示す。 

     

【著作物の再販売価格維持制度】(IT関連) 

論点:再販行為については、流通段階における価格競争を直接制限するなど、市場における公正かつ自由な競争の維持・促進を阻害し、消費 者利益を損なうものとして、経済活動の基本ルールである独禁法上原則違法であるとの考え方が確立しており、原則禁止とされている。

著作物の再販売価格維持制度については、こうした独禁法上原則禁止されている再販行為に関する適用除外であることから、制度を維持 するにはそのための相当の特別の理由が必要である。この点に関し、行政改革委員会最終意見では、「現行再販制度を維持すべき『相当 の特別な理由』があるとする十分な論拠は見出せないとの認識が、国民に十分に浸透されていくことを期待するとともに、著作物の再販 制度について、国民の議論を深め、その理解を踏まえて速やかに適切な措置を講じるべきである。」との見解を示しているが、当委員会 としても、同様の観点から検討を注視していく。さらに、現行制度がインターネットによる書籍や音楽用CDの販売など新しい商取引形 態を阻害する要因となることがないかという観点からも検討を行うべきである。 

 

3  参考資料   

○ 著作物再販制度の見直しについて   

[1]  著作物再販制度の見直しについて 

(1)  著作物の再販売価格維持制度(以下「著作物再販制度」という。)は、独占禁止法適用除外制度のひとつとして、昭和28年に導入され たものであるが、経済・社会情勢の変化を踏まえ、消費者利益を確保する観点から、その見直しについて、平成6年2月以降、累次閣 議決定されている。 

(2)  規制緩和推進3か年計画(平成10年3月31日)においては、「著作物(書籍・雑誌、新聞、レコード盤・音楽用テープ・音楽用CD)の 再販売価格維持制度については、独占禁止法上原則禁止されている再販行為に関する適用除外制度であることから、制度を維持すべき 相当の特別な理由が必要であり、今後、行政改革委員会最終意見の指摘する論点に係る議論を深めつつ、適切な措置を講ずるものとす る。当面、現行の再販制度の下で見られる各種の流通・取引慣行上の弊害について、消費者利益確保の観点から、迅速かつ的確にその 是正を図ることとする。」とされている。 

[2]  経緯及び状況  (1)  これまでの経過 

ア  検討着手 

公正取引委員会は、独占禁止法適用除外制度の見直しの一環として、学識経験者からなる「政府規制等と競争政策に関する研究会」(座 長:鶴田俊正専修大学経済学部教授)に検討を依頼し、その検討結果も踏まえ、平成4年4月、再販適用除外が認められる著作物の取 扱いを明確化するためには、法的安定性の観点から立法措置によることが妥当であり、再販適用除外が認められる著作物の範囲につい て幅広い観点から総合的な検討を行うことを表明した。 

イ  中間報告等 

その後、この検討の一環として、書籍・雑誌、新聞、音楽用CD等の流通実態調査を行うとともに、政府規制研の下に「再販問題検討 小委員会」を開催し著作物再販制度について主として理論的側面から検討を行い、同小委員会は平成7年7月に中間報告書を公表した。 

中間報告書公表後、関係業界、消費者団体等から多くの意見が公正取引委員会に対して寄せられた。また、公正取引委員会としても、

国民各層の議論を深めるため全国各ブロックで著作物再販制度を考えるシンポジウムを開催してきた。 

ウ  研究会報告書 

公正取引委員会は、平成9年2月以降、「再販問題検討のための政府規制等と競争政策に関する研究会」で検討を行い、平成10年1月に 研究会としての検討結果を得た。 

(2)  公正取引委員会見解 

  以上を受けて、公正取引委員会は、平成10年3月31日、次のような結論を公表した。 

①  著作物再販制度については、競争政策の観点からは、廃止の方向で検討されるべきものであるが、本来的対応とはいえないものの文 化の振興・普及と関係する面もあるとの指摘もあり、これを廃止した場合の影響について配慮と検討を行う必要があると考えられる ことから、著作物再販制度について引き続き検討を行うこととし、一定期間経過後に制度自体の存廃について結論を得るものとする。 

②  上記の結論を得るまでの間、著作物再販制度の対象品目を書籍・雑誌、新聞及びレコード盤・音楽用テープ・音楽用CDに限定する。 

③  また、現在存在する各種の流通・取引慣行上の弊害の迅速かつ的確な是正を求めていくこととする。 

(弊害是正の内容) 

○  時限再販・部分再販等再販制度の運用の弾力化 

○  各種の割引制度の導入等価格設定の多様化 

○  再販制度の利用・態様についての発行者の自主性の確保 

○  サービス券の提供等小売業者の消費者に対する販売促進手段の確保 

○  通信販売、直販等流通ルートの多様化及びこれに対応した価格設定の多様化 

○  円滑・合理的な流通を図るための取引関係の明確化・透明化その他取引慣行上の弊害の是正   (3)  公正取引委員会のその後の取組 

①  書籍・雑誌について「出版物の価格表示等に関する自主基準」、「出版物小売業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約」の 見直しを関係業界に促し、後者については、一部改正を平成11年10月1日から施行した。 

②  新聞については、現行の特殊指定の全面改正を平成11年9月1日から施行した。 

③  新しい媒体を通じた著作物の流通等が阻害されることのないよう注視するほか、事業者等の自主的な流通・取引慣行改善等の取組を他 の事業者や事業者団体が阻害することのないよう引き続き監視を行っている。 

④  著作物再販制度自体の存廃については、関係業界との対話を行う等して引き続き検討を行っている。 

 

 (4)  平成10年4月以降の関係業界の取組  1. 書籍・雑誌 

①  発行後一定期間が経過した書籍・雑誌の非再販化(時限再販)の拡大 

②   

③  雑誌の長期講読割引の拡大 

④  再販売価格維持契約委員会の事業内容等の見直し 

⑤  書籍・雑誌を対象としたポイントカード制等の実施 

⑥  インターネット等による通信販売の拡大 

⑦  注文品供給・情報提供迅速化への取組等 

⑧  書籍・雑誌のオンデマンド出版事業  1. 新聞 

①  景品規制の見直し(従来原則禁止→3か月分の講読料金の8%までの緩和等) 

②  長期購読者等に対する自社発行の書籍の割引販売等 

③  学校教育教材用定価の設定 

1. レコード盤・音楽用テープ・音楽用CD 

①  再販期間の短縮(一部品目につき2年→6か月又は1年) 

②  非再販CDの発売、サービス券による顧客サービス 

③  廃盤セールの拡大等 

④  インターネットを利用した音楽配信事業   

<参考2>  諸外国における著作物再販制度の状況 

  書籍  雑誌  新聞  音楽用CD等  備  考 

アメリカ  ×  ×  ×  ×  1975年、すべての適用除外を廃止  イギリス  ×  ×  ×  ×  1997年、書籍の適用除外を廃止 

ドイツ  ○  ○  ○  ×  出版物は適用除外 

フランス  ○  ×  ×  ×  1981年、書籍定価法制定 

(注) OECD加盟各国に対する調査によると、著作物の再販制度を設けている国は、フランス(書籍)、ノルウェー(書籍)、デンマーク(書籍、雑誌)、オランダ(書 籍、雑誌)、ドイツ(書籍、雑誌、新聞)、オーストリア(書籍、雑誌、新聞)、韓国(書籍、雑誌、新聞)などである。なお、音楽用CD等について再販制度を設 けている国はない。 

ドキュメント内 橡00論点公開表紙2000.PDF (ページ 85-89)

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