1 規制の現状と進捗状況 制度の概要
【一般ガス事業(都市ガス)】
・一般ガス事業(一般需要家に対する導管を通じた業としてのガスの供給)は、一般ガス事業者以外の者が大口需要家 に対してガス供給を行う場合を除き、通商産業大臣の許可制となっている。(ガス事業法第3条)
・許可を受けた事業者は、供給区域内の一般需要家に対して供給義務を負う一方、当該供給区域内の一般需要家に対す る供給を独占すること(地域独占)が認められている。(同法第16条)
・独占に伴い、供給の条件(=ガス料金)については、通商産業大臣の認可制となっている。(同法第17条)
【一般ガス事業以外の競合ガスエネルギー供給事業】
(簡易ガス)
・簡易ガス事業(簡易なガス発生装置においてガスを発生させ、導管により供給する事業であって、1の団地内におけ る供給地点の数が70以上のもの)は、通商産業局長の許可制になっている。(ガス事業法第37条の2)
(LPガス)
・LPガス販売事業は、保安の確保及び取引の適正化を目的とした液石法(液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正 化に関する法律)に基づき、登録制となっている。(液石法第3条)
・LPガス販売事業者は、一般消費者等に対して、保安・取引条件(価格を含む)等についての事項を記載した書面を 交付することが義務付けられている。(同法第14条、液石法施行規則第13条)
政府の対応(規制緩和 推進3か年計画)
【ガス事業における競争の更なる導入】
・一般ガス事業者の供給区域であって、許可された時点から相当期間が経過しているにもかかわらず当該ガス事業が開 始されていないもの(未普及供給区域)について、総合エネルギー調査会都市熱エネルギー部会報告書(平成11年 10月21日)において示された具体的な運用の方針に基づき、該当する未普及供給区域を有する一般ガス事業者が、
自らガス事業法第8条第1項の規定に定める供給区域変更の許可を申請するよう適切に監督する。(12年6月末ま でに供給区域の変更許可)
・簡易ガス事業者が一般ガス事業者の供給区域内に参入しようとする場合において適用される簡易ガス事業許可の審査 基準を具体的かつ客観的なものとするとともに、策定した審査基準について、許可の事務を行う各通商産業局に対す る周知を行い、厳正かつ統一的な運用を徹底する。(11年度措置済)
・LPガス事業における更なる競争を促進する観点から、LPガス取引の適正化・料金透明化に関する取組の効果を注 視するとともに、必要に応じてLPガス事業者に対して所要の指導を行うこと等により、引き続き競争環境の整備に 努める。(12年度逐次実施)
【大口供給の範囲の拡大】
・大口供給の範囲につき、現行の年間契約数量200万m3以上から100万m3以上に拡大する。(措置済)
【託送の活性化】
・公正な競争条件の確保及び競争促進の観点から、大手一般ガス事業者について、託送に係る約款の届出、公表等に関 する制度的環境整備を行う。(措置済)
【簡易ガス事業者による一般ガス事業者の供給区域への参入】
・一般ガス事業者の供給区域内において新たに簡易ガス事業を行おうとする場合において、両事業の調整に関する判断 基準を明確化するとともに、地方ガス事業調整協議会を廃止する。(措置済)
進捗状況、検討状況 託送の活性化、簡易ガス事業者による一般ガス事業者の供給区域の参入に係るガス事業法改正法案が第145回国会 において成立し(5月21日公布)、同年11月19日に施行された。(大口供給の範囲についても、同時に、省令改正 により措置された。)
2 論点整理
(注)・◇は当委員会の規制改革の意見・考え方であり、◆は◇に対する所管省庁等の説明や意見・考え方を示す。
【ガス事業における競争の更なる導入】
論点1:ガス事業について、昨年の改正ガス事業法の施行を受けて行われた自由化の動向や、これに伴う既存ガス会社の経営効率化の動向等に ついて、当委員会において監視を行う。
また、制度改正の施行の概ね3年後に行うこととされているガス体エネルギー産業全体を視野に入れた制度改革・構造改革に向けた更 なるアプローチの観点から、通商産業省においては、諸外国の事情等、必要な研究を早急に開始すべきである。
◇ガス事業については、需要家の側から見た場合、LPガスや石油燃料といった他のエネルギー源との代替可能性が電力に比して大きく、これら 他のエネルギー源との間の競合関係を通じて市場原理を通じた競争が機能しやすい側面があることもあり、電気事業に先行して、平成7年に既 に大口需要家向けの供給に係る自由化が行われている。さらに、昨年には、こうした自由化の動向等を踏まえつつ、再度、ガス事業法が改正さ れ、対象となる大口需要家の範囲の拡大や、それに関連した競争促進措置としての接続供給制度の導入等が行われた。
当委員会としては、こうした制度改正を受けて、自由化範囲が拡大された大口ガス市場における競争の状況や、自由化措置を受けたガス会社 における経営効率化の状況について監視を行い、必要がある場合には、改善を促していくことが必要である。
また、通商産業省においては、今回の制度改正の施行後概ね3年を目途に、ガス体エネルギー産業全体を視野に入れた制度改革・構造改革に 向けた更なるアプローチを行うこととしている。このような取組に当たっては、LPガス、都市ガス、簡易ガスに対する規制について将来的に あるべき姿、パイプラインの敷設の活性化と競争的な利用の促進、安定供給と消費者の保護等が検討の対象となるが、そのために必要な研究を、
諸外国の事情の調査等を含め早急に開始すべきである。
◆ガス事業においては、自由化の進展により他業種の参入が促進されているところであり、ガス事業者においても、一層の経営効率化努力を図る とともに、自らの経営効率化目標を自主的に公表し、定期的に評価を行っているところである。
また、通商産業省としては、今後の制度改革に向けての準備として、諸外国の制度改革の現状と見通しを把握するための調査等を実施するこ ととしたい。
【ガス託送制度の改善】
論点2:ガス託送制度について、託送料金の決定・適用に関する透明性の向上を図る。
◇ガス託送制度について、ガス託送料金やその算定方法の明確化等について検討し、透明性の向上を図る。
◆接続供給料金に係る会計手法については、本年2月より、総合エネルギー調査会都市熱エネルギー部会都市ガス事業料金制度分科会において、
算定方法の在り方等についての審議を行っているところである。
【LPガスの取引適正化・料金透明化】
論点3:LPガス(液化石油ガス)事業における取引適正化・料金透明化については、消費者選択を拡大するための環境整備の一環として引き 続き取り組むことが必要であり、通商産業省が昨年取りまとめたアクションプランの実施状況について監視を行う。
◇LPガス(液化石油ガス)事業については、消費者が事業者の料金やサービスの内容を比較し、自由に事業者を選択できる環境を整えていくこ とが重要である。LPガス事業における取引適正化・料金透明化に向けた取組としては、昨年、通商産業省が「LPガス取引適正化・料金透明 化に向けた措置」として、アクションプランを取りまとめたところであり、当委員会においても、この実施状況について監視を行う。
◆通商産業省においては、昨年10月に取りまとめた「LPガス取引適正化・料金透明化に向けた措置」(アクションプラン)において、料金に関 する消費者への情報提供の拡充等、取引適正化・料金透明化に向けてLPガス事業者及び行政が今後とるべき措置について取りまとめ、これに 基づき、LPガス業界に対して所要の取組を要請したところである。
特に、料金透明化については、アクションプランにおいて、LPガスの料金透明化についての検討会の開催を提言し、これを受け、LPガス 事業者代表、消費者代表、学識経験者等から成る「LPガス料金問題検討会」が本年2月より開催され、4月に中間報告、7月に最終報告が取 りまとめられた。
通商産業省としては、アクションプラン及びLPガス料金問題検討会最終報告の提言内容について、関係者による積極的な取組が行われるよ う、LPガス事業者に対するヒアリング等により、その実施状況を把握し、必要に応じて指導するとともに、LPガス料金に関する行政による 情報提供の拡充等に努めることとしている。