法 務
7 保険会社の機能強化
7−1 保険会社の特別勘定の見直し
1 規制の現状と進捗状況
制度の概要 【保険会社の特別勘定】
・保険会社は、財産の価額により保険金その他の給付金の金額が変動する保険契約(個人変額保険等)、適格退職年金契 約又は厚生年金基金契約であって財産の価額により責任準備金の金額が変動する保険契約(適格企業年金保険等)、国 民年金法により締結された保険契約であって財産の価額により責任準備金の金額が変動するもの(変額年金福祉事業 団保険等)について、当該保険契約に係る責任準備金の金額に対応する財産をその他の財産と区別して整理するため、
特別の勘定を設けることができる(保険業法第118条)が、保険会社の破綻時に一般勘定と特別勘定は平等に取り 扱われる。
【解約時の現物移管】
・特別勘定で経理された資産を一般勘定へ振り替えることが認められるのは金銭の場合のみである。
【特別勘定への直接資金投入】
・特別勘定に資金を投入する際には、一般勘定を経由することとなっている。
政府の対応(規制緩和 推進3か年計画)
記載なし。
2 論点整理
(注)・◇は当委員会の規制改革の意見・考え方であり、◆は◇に対する所管省庁等の説明や意見・考え方を示す。
【保険会社の特別勘定の資産保全】
論点1:保険会社の破綻時に、保険会社の特別勘定の資産が顧客のために保全されるよう、法的な手当てを検討すべきではないか。
◇日産生命の破綻以降、生命保険会社の破綻時における特別勘定の取扱いについては、全額保護されるべきとの強い要請が生命保険会社の顧客か ら上がっていることなどから、保険会社の破綻時において、特別勘定の資産が顧客のために保全されるよう、法的な手当てを検討すべきではな いか。
◆特別勘定は、運用リスクが契約者に帰属する勘定であることから、特別勘定に属する保険契約は破綻原因にならず、したがって、他の保険契約 とは異なる取扱い(100%保全)とすべきであるとの考え方がある。しかし、このような取扱いをすることについては、①一般勘定と特別勘
定間の移管が一定の場合認められている以上、破綻時点において特別勘定に属している契約が破綻の原因に直結していないとは言い切れないこ と、個々の契約についてそれぞれの破綻への影響度を測ることが困難であることから、保険契約者間の公平が確保できないといった問題、②倒 産法制との整合性の問題があり、保険業法上手当てを行うことは困難であるが、実際の破綻の場面においては、更生計画等において適宜対応さ れるものと考えられる。
【特別勘定で経理されていた資産の現物振替】
論点2:特別勘定を設定できる保険契約の解約時において、特別勘定で経理されていた資産を現物資産のまま、振り替えることができるよう、
法的な手当てを検討すべきではないか。
◇特別勘定で経理される財産を一般勘定へ振り替える場合において、現金でなく現物資産のままできることになれば、顧客にとって効率的な引渡 しができることから、これができるよう法的な手当てを検討すべきではないか。
◆保険契約者への現物給付を行うことが適当なのかどうか、特別勘定で経理されていた資産を現物資産のまま振り替えることが保険契約者間の公 平性の観点から適当なのかどうか等慎重な検討が必要である。
【特別勘定への保険料の直接投入】
論点3:特別勘定へ資金を投入する際に、特別勘定へ直接保険料を投入することができるよう法的な手当てを検討すべきではないか。
◇特別勘定の独立性を確保し、特別勘定に属している資金が一般勘定に滞留することを防ぐ観点から、特別勘定へ直接保険料を投入することがで きるよう法的な手当てを検討すべきではないか。
◆特別勘定はあくまで責任準備金の資産運用のための特約であるという性格を踏まえ、直接投入することとした場合に問題が生じないのか等につ いて慎重な検討が必要である。
3 参考資料(省略)
7−2 保険商品の原則届出制への移行
(※)1 規制の現状と進捗状況
制度の概要 【保険商品の届出制】
・保険業法第123条により、保険会社は保険契約約款、事業方法書等に定めた事項を変更しようとするときは金融再 生委員会の認可を受けなければならない。
・また、保険契約者等の保護に欠けるおそれが少ないものとして省令で定めた事項については、あらかじめ金融再生委 員会に届けなければならない。
政府の対応(規制緩和 推進3か年計画)
・企業や年金基金に対する保険については、早期の届出制への移行に向けて、また、家計向け保険についても原則届出 制への移行について、引き続き検討を進め、平成13年度中に結論を得る。なお、規制緩和委員会第 1 次見解を踏ま えつつ、審査期間の一層の短縮に努める。
・企業分野の保険に係る事前届出制の在り方については、行政当局による商品内容のチェック基準を明確にする取扱い とし、行政当局に裁量の余地をできる限り残さないものとするなど、保険契約者の保護の観点を踏まえつつ、引き続 き見直しを行い、平成12年度中に結論を得る。
進捗状況、検討状況 平成11年8月13日、企業分野の保険商品について届出制の対象となる商品を拡大し、企業分野商品を原則として 届出制の対象とした。
2 論点整理
(注)・◇は当委員会の規制改革の意見・考え方であり、◆は◇に対する所管省庁等の説明や意見・考え方を示す。
【保険商品の原則届出制への移行及び審査期間の短縮についての注視】
論点:保険商品の原則届出制への移行及び審査期間の短縮について、規制緩和推進3か年計画に沿い、着実に実施されることを注視する。
◇企業や年金基金に対する保険については、早期の届出制への移行に向けて、また、家計向け保険についても原則届出制への移行について、引き 続き検討を進め、平成13年度中に結論を得るとともに、行政手続法の規定に沿った運用を厳格に行い、審査期間の一層の短縮に努めていくこ とを注視する。