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債権流動化、証券決済等の基盤整備のための諸制度の見直し  3−1  債権流動化の基盤整備のための法例第12条の特別規定の導入

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法  務

3  債権流動化、証券決済等の基盤整備のための諸制度の見直し  3−1  債権流動化の基盤整備のための法例第12条の特別規定の導入

1  規制の現状と進捗状況 

制度の概要  【債権譲渡に係る準拠法】 

・法例(明治31年法律第10号)第12条において、債権譲渡の第三者に対する効力は債務者の住所地法によるとさ れている。(法例第12条) 

政府の対応(規制緩和 推進3か年計画) 

記載なし。 

進捗状況、検討状況  国際的な統一ルールの策定のため、国連商取引法委員会において「資金調達のための国際債権譲渡条約」案の審議が 行われており、この問題についての議論も含まれている。 

 

2  論点整理 

(注)・◇は当委員会の規制改革の意見・考え方であり、◆は◇に対する所管省庁等の説明や意見・考え方を示す。 

 

【法例第12条の特別規定の導入】 

論点:債権流動化の基盤整備を進める観点から、債権流動化に伴う債権譲渡においては譲渡人住所地法によるなど、法例第12条の特別規定を 設けるべきではないか。 

◇債権流動化により譲渡される債権の債務者の中に海外居住者が含まれる場合に、第三者に対する効力が債務者の住居地法に基づくこととなると、

それぞれの国の法令に従った処置をしなければならず、そのような場合の流動化は実務上極めて困難である。国際的な統一ルールとして譲渡人 住所地法による考えが定着しつつあることにもかんがみ、債権流動化の基盤整備を進める観点から、法例第12条の特別規定を設けるべきでは ないか。 

◆法例第12条自体は、我が国民法における債権譲渡の対抗要件制度を反映したものであり、合理性のあるものと考える。異なる債務者に対する 大量の債権を譲渡することとなる、いわゆる債権流動化の場合には、同条と異なる準拠法の定め方が考えられるとしても、債権流動化をどのよ うに定義付け、特例を設けるべき範囲をどのように定めるのか等については、今後十分な検討をする必要がある。 

     

3  参考資料   

○債権流動化と法例第1 2条   

1  法例第1 2条について 

・適用範囲  第三者に対する効力   債務者対抗要件・第三者対抗要件 

・準拠法   債務者住所地法 

・立法趣旨 

  我が国の民法の債権譲渡法制(民法第4 67条−債務者への通知・債務者による承諾が対抗要件)との整合性    実質法上の政策(譲渡に伴う債務者の保護、二重譲渡による弊害の防止)の国際私法への反映 

・立法論   債権準拠法,譲渡人所在地法   

2  債権の流動化 

・平成5年6月  特定債権法施行(リース・クレジット債権)  公告制度の導入 

・平成10年10月  債権譲渡特例法施行  債権譲渡登記制度の導入      債権流動化の本格的な開始 

  第三者対抗要件(債権譲渡登記)と債務者対抗要件(通知・承諾)との分離 

・平成12年4月  民法施行法の改正  電子確定日付制度の導入   

3  国際的な統一の動向 

・現在 UNCITRAL(国連商取引法委員会)において「資金調達のための国際債権譲渡条約」秦審議中 

・現在の案では、譲受人間の優先権につき譲渡人住所地法による   

             

3−2  証券決済の基盤整備のための国際私法上の手当て 

1  規制の現状と進捗状況 

制度の概要  【証券決済に係る国際私法上の取扱い】 

・法例においては、担保等に利用される証券を物権として法律構成すれば、目的物の所在地法によるとされ(第11条)、

債権として法律構成すれば、当事者の指定した法又は行為地法(第7条)によるとされている。 

政府の対応(規制緩和 推進3か年計画) 

記載なし。 

進捗状況、検討状況  国際的な統一ルールの策定のため、ハーグ国際私法会議において、審議テーマとして取り上げるかどうかについて検 討されている。 

 

2  論点整理 

(注)・◇は当委員会の規制改革の意見・考え方であり、◆は◇に対する所管省庁等の説明や意見・考え方を示す。 

 

【カストディアン等の帳簿上で管理されている証券の取扱い】 

論点:カストディアン等の帳簿上で管理されている証券を担保等に利用する場合には、それが物権的性格であろうと、債権的性格であろうと、

投資家の権利が確認できる帳簿を有するカストディアン等の所在地法によるなど、法例の特別規定を設けるべきではないか。 

◇証券が海外のカストディアン等に帳簿上で管理され、券面は海外の集中決済機構のいずれかの金庫に保管されている場合、又は券面が存在しな い場合においては、集中決済機構においては証券の末端の権利者を特定できないことから、帳簿上で管理しているカストディアンの所在地の法 律によることで対応する必要がある。欧米では既にこうした法的な手当てが進んでおり、それに比べて日本市場の使い勝手が悪くなっている。

こうした点を改善するため、証券担保等の準拠法は、証券が物権的性格であろうと、債権的性格であろうと、投資家の権利が確認できる帳簿を 有するカストディアン等の所在地の法によるとするなど、法例の特別規定を設けるべきではないか。 

◆国際私法においては、特定の法律関係につきどのような準拠法によるのかを定める必要があるところ、カストディアン等の帳簿上で管理されて いる証券を担保等に利用する場合については、まず、その法律関係をどのように解するのかという検討が不可欠であり、現行の法例の規定で対 応することが可能かどうかも含め、今後十分な検討をする必要がある。 

       

3  参考資料   

○証券担保と国際私法上の手当て   

1  証券の振替決済 

・  振替決済システムの法的構成   

  券面が存在する場合   券面についての所有権的構成    券面が存在しない場合    債権的構成 

・  金融審議会「21世紀に向けた証券決済システム改革について」 

・  準拠法(法例)  物権関係  目的物の所在地法(第11条) 

    債権関係  当事者の指定した法・行為地法(第 7  条) 

 

2  証券の間接保有の場合の投資家の権利関係 

・  証券又は証券に関する権利を譲渡又は担保に供する場合の法律関係 

・  証券集中保管機構やカストディアンに証券が預託された場合(階層構造)の投資家の権利の法的構成 

・  証券集中保管機構やカストディアンが海外にいる場合の準拠法 

・  アメリカUCC(統一商事法典)  証券への権利(security entitlement) 

  仲介業者等に対する権利,証券口座帳簿の記載による権利の移転   

3  国際的な統一の動向 

・  へーグ国際私法会議 

・  UNCITRAL(国連商取引法委員会) 

 

3−3  特定融資枠契約(コミットメントライン契約)の借主範囲の拡大 

1  規制の現状と進捗状況 

制度の概要  【コミットメントライン契約における借主範囲】 

・特定融資枠契約に関する法律(平成11年法律第4号)において、借主の範囲を商法特例法の大会社(資本金5億円 又は負債200億円以上)に限定している。(同法第2条) 

政府の対応(規制緩和 推進3か年計画) 

特定融資契約に関する法律におけるコミットメントライン契約に係る制度の在り方について検討し、結論を得て、所 要の措置を講ずる。(平成12年度検討) 

進捗状況、検討状況  ・特定融資枠契約に関する法律の附則において、特定融資枠契約に係る制度の在り方については、この法律の施行(平 成11年3月)後2年を目途として検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるべきものとすると されている。 

・こうしたことから、平成12年7月以降、法務省及び関係省庁において、制度改善に向けた検討が行われている。 

 

2  論点整理 

(注)・◇は当委員会の規制改革の意見・考え方であり、◆は◇に対する所管省庁等の説明や意見・考え方を示す。 

 

【コミットメントライン契約の借主範囲の拡大】 

論点:資金の貸手や借手の利便性を向上させる観点から、特定融資契約に関する法律におけるコミットメントライン契約の借主の範囲を拡大す る方向で所要の措置を講ずるべきである。 

◇特定融資契約に関する法律におけるコミットメントライン契約の借主の範囲は、商法特例法の大会社に限定する必然性に乏しく、資金の貸手や 借手の利便性を向上させる観点から、この範囲を拡大する方向で検討される必要があり、所要の措置を講ずるべきである。その際に、例えば、

資産流動化の基盤整備を進める観点から、SPC(特定目的会社)を借主に含めるべきである。 

◆コミットメントライン契約の借主の範囲を、商法特例法上の大会社に限定した趣旨は、経済的弱者の保護という利息制限法及び出資法の趣旨が 損なわれることのないよう、借手は貸手と対等の立場で契約を締結するに足りるだけの十分な経営基盤と交渉能力を有している必要があると考 えられた点にある。したがって、本契約の借主の範囲の拡大に関しては、このような趣旨に十分配慮する必要があり、特に中小企業等への適用 に関しては慎重に検討すべきものと考える。 

     

ドキュメント内 橡00論点公開表紙2000.PDF (ページ 119-126)

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