1 規制の現状と進捗状況 制度の概要
【医薬品一般販売業における管理薬剤師の配置義務】
・薬局開設者が薬剤師であるときは、自らその薬局を実地に管理しなければならない。ただし、その薬局において薬事 に関する実務に従事する他の薬剤師のうちから薬局に管理者を指定してその薬局を実地に管理させるときは、この限 りでない。(薬事法第8条第1項)
・薬局開設者が薬剤師でないときは、その薬局において薬事に関する実務に従事する薬剤師のうちから薬局の管理者を 指定してその薬局を実地に管理させなければならない。(薬事法第8条第2項)
・薬局の管理者は、その薬局以外の場所で業として薬局の管理その他薬事に関する実務に従事する者であってはならな い。ただし、その薬局の所在地の都道府県知事の許可を受けたときは、この限りでない。(薬事法第8条第3項)
・薬局の管理者は、保健衛生上支障を生ずるおそれがないように、その薬局に勤務する薬剤師その他の従業員を監督し、
その薬局の構造設備及び医薬品その他の物品を管理し、その他その薬局の業務につき、必要な注意をしなければなら ない。(薬事法第9条第1項)
・薬局の管理者は、保健衛生上支障を生ずるおそれがないように、その薬局の業務につき、薬局開設者に対し必要な意 見を述べなければならない。(薬事法第9条第2項)
・薬局開設者は、第8条第1項ただし書又は第2項の規定によりその薬局に管理者を指定したときは、第9条第2項の 規定による薬局の管理者の意見を尊重しなければならない。(薬事法第9条の2第2項)
・一般販売業の業務の管理については、薬事法第8条から第9条の2までの規定を準用する。(薬事法第27条)
【薬局開設の許可の基準】(例示)
・薬局において薬事に関する実務に従事する薬剤師が厚生省で定める員数に達しないときは、薬局開設の許可を与えな いことができる。(薬事法第6条第1項の1及び1の2)
・薬事法第26条第1項の一般販売業の許可については、第6条の規定を準用する。ただし、同条第1号の2の規定は、
卸売一般販売業の許可については、準用しない。(薬事法第26条第2項)
政府の対応(規制緩和 推進3か年計画等)
【薬局等における薬剤師の配置義務の総合的検討】
・薬局等における医薬品の販売の実態について調査分析し、そのデータを公表した上、薬事法の薬剤師の配置義務と実 態とが乖離している場合にはその改善のためどのような措置を講ずるべきか、必要な対策を総合的に検討して所要の 措置を講ずる。(平成12年度、毎年度実施している薬事監視の調査の結果に基づき総合的に検討)
【管理薬剤師の兼務規制の見直し】
・薬局等における管理薬剤師の兼務規制の在り方については、勤務の実態、双方向通信等新しい技術の活用状況等を踏 まえ、見直しを検討する。また、この検討結果を踏まえ、必要に応じてその特例となる許可の活用について都道府県 等に周知徹底を図る。(平成12年度結論)
【卸売一般販売業の管理薬剤師の兼務について】
・医薬品卸売一般販売業における管理薬剤師の配置規制を見直し、平成12年度中に必要な措置を講ずる(平成12年 度実施)
進捗状況、検討状況 【薬局等における薬剤師の配置義務の総合的検討】
・現在、厚生省において、毎年実施している薬事監視の調査の結果に基づき総合的に検討に入っているところである。
【卸売一般販売業における管理薬剤師の配置義務】
・分割販売を行わず、かつ、薬事法第26条第3項ただし書に規定する販売先変更許可を受けていない卸売一般販売業 の店舗については、同法第27条において準用する同法第8条第3項ただし書きの規定に基づき、都道府県の判断に より兼務を認めても差し支えないものであることとしている。(平成12年5月15日厚生省医薬安全局長通知)
2 論点整理
(注)・◇は当委員会の規制改革の意見・考え方であり、◆は◇に対する所管省庁等の説明や意見・考え方を示す。
・(IT関連)は、IT化関連の論点を含むことを示す。
【インターネット等による服薬指導による薬剤師の常時配置義務の緩和】(IT関連)
論点1:医薬品一般販売業における薬剤師の配置義務について、インターネット等を駆使して服薬指導を行う等の方法を考慮した上、常時配置 義務の見直しを検討するべきではないか。
◇ 現在、一部の薬効群の医薬品について、通信販売による販売が認められており、その場合には、当該店舗における必要数の電話の設置及び人員 の配置がなされることで、医薬品の問合わせ等に応ずるための措置がなされている。これと同様に、医薬品一般販売業における店舗販売につい ても、同様の手段によって、薬剤師の効率的な配置によって、消費者の利便性を損ねない一方で、事業者の効率を向上させ、その成果を消費者 に還元させることが可能である。一定範囲の医薬品の販売については、電子媒体・電話等を使用した服薬指導等による販売体制を認めるなど、
薬剤師の常時配置義務については、一層の見直しを行うべきではないか。
◆カタログ販売を可能としている医薬品の範囲については、容器又は被包が破損し易いものではなく、経時変化が起こりにくく、副作用の恐れが 少ないものであり、一般消費者の自主的判断に基づき服用されても安全性からみて比較的問題が少ないものである。一方、カタログ販売が認め られていない医薬品については、過量使用による有害作用、他の医薬品等との併用による相互作用、患者の体調等によって副作用が発生するお それ等の問題があることから、専門知識を有する薬剤師による積極的な情報提供が求められるものである。したがって、通信販売が認められる ことをもって、薬剤師の常時配置義務を見直すべきとの見解は不適当である。
◆カタログ販売が認められていない医薬品については、上記の観点からの情報提供を行い、必要に応じて患者の状況や顔色を見ながら医薬品の飲 み方や説明を対面で行うことが必要であることから、電子媒体・電話等を使用した服薬指導等では不十分である。
◇ カタログ販売においては、当該店舗における必要数の電話の設置及び人員の配置がなされることで、対面でなくとも医薬品の問合わせ等に応ず るための措置がなされている。薬剤師が不足している実態のなかで、このような電子媒体・電話等を使用した服薬指導等による販売体制が普及
すれば、店舗ごとの薬剤師の常時配置義務の必要性は低下することから、一定範囲の医薬品の販売を行う医薬品一般販売業における薬剤師の常 時配置義務のついては見直しが可能ではないか。
◆カタログ販売が認められている医薬品は極めて限定されたものであるが、広範な医薬品を取り扱える一般販売業においては電子媒体・電話等を 使用した受身の服薬指導等ではなく常に積極的な情報提供が行われる体制が必要であり、薬剤師の常時配置義務の必要性が低下し、その見直し が可能との見解は不適当である。
【管理薬剤師の兼務規制の緩和】
論点2:管理薬剤師の兼務規制の見直しについて、引き続き注視していく。
◇ 従事者の監督、構造設備及び物品の管理等の管理薬剤師の業務については、特に同一チェーン店での薬局等における双方向通信等の技術、巡回 等により十分対応可能ではないかと考えられる。また、本年度5月15日に卸売一般販売業における管理薬剤師の兼務規制については緩和の措 置がとられたが、様々なケースにおける実態を考慮した上、医薬品一般販売業における管理薬剤師の兼務規制に関する検討状況とその特例の都 道府県に対する周知徹底の状況について注視していく。
◆一般販売業における管理薬剤師の兼務規制の見直しについては、一般販売業における管理が不十分なものになるとともに、経営の合理化等にも つながらないという強い指摘があり、今後、関係各方面と意見交換を行いながら、どのような方策が考えられ得るのか慎重に検討を行う。
◇今後とも管理薬剤師の実地管理義務を維持することは、薬局等の経営の合理化を妨げるとともに、競争制限的な弊害の方が大きいと考えられる。
◆一般販売業においては、管理薬剤師の兼務が認められたとしても、店舗ごとに少なくとも1名の薬剤師の常時配置が必要であることから、ただ ちに「薬局等の経営の合理化を妨げるとともに、競争制限的な弊害の方が大きい」とは考えられない。