運 輸
6 自動車の型式指定審査の見直し
1 規制の現状と進捗状況 制度の概要
【型式指定】
・運輸大臣は、自動車の安全性の増進及び自動車による公害の防止を図るため、申請により、自動車をその型式につい て指定する。この指定は、申請に係る自動車が保安基準に適合し、かつ、均一性を有するものであるかどうかを判定 することによって行う。(道路運送車両法第75条)
・申請から型式指定までの標準処理期間は2か月。
・指定製作者等は、自動車の構造、装置及び性能等について変更したときには、運輸大臣にその変更の承認を申請する ことができる。当該変更に係る自動車の型式が、その指定を受けた自動車の型式と同一と認められる場合に行う。指 定製作者等は、承認を受けた場合に限り、当該変更に係る自動車の完成検査終了証を発行することができる。(自動 車型式指定規則第10条)
政府の対応(規制緩和 推進3か年計画等)
・車両等の型式認定相互承認協定(略称)に加入するため、自動車の装置の認定について外国政府との相互承認制度を 導入する。(平成10年度措置済)
・日本での安全の確保及び環境の保全に十分配慮しつつ、関係業界の要望も踏まえて、日本の基準と車両等の型式認定 相互承認協定(略称)に基づく認定規則との整合化作業を進め、相互承認による負担の軽減等効果が大きいものから 採用を拡大する。(平成11年度以降逐次実施:11年度は方向指示器等6件について協定規則を採用)
・自動車諸元表検討ワーキンググループにおける諸元表の記載項目等の見直しについての検討を行い、その検討結果に 基づき諸元項目の簡素化を行う。(平成11年度措置済)
2 論点整理
(注)・◇は当委員会の規制改革の意見・考え方であり、◆は◇に対する所管省庁等の説明や意見・考え方を示す。
【標準処理期間の短縮】
論点1:申請から型式指定までの標準処理期間を、短縮することができないか。
◇自動車の型式指定の標準処理期間は現在2か月とされており、実際にもおおむねこの期間内に処理されている。しかし、近年、製品の開発サイ クルが著しく短くなってきており、最新の技術改良を早期に消費者に恩恵を与える観点からも、可能な限りこの期間を短縮すべきである。平成 10年に装置の型式指定制度が設けられたことにより、当該装置については自動車の型式指定の際の試験を一部省略することが可能となったこ とから、処理期間を短縮することができるのではないか。また、メーカーのデータの活用範囲を拡大することにより、短縮することができるの ではないか。さらに、現行はフルモデルチェンジの場合も、マイナーチェンジの場合も同じ処理期間とされているが、マイナーチェンジの場合 には短縮することができるのではないか。
◆あらゆる申請に対応する標準処理期間としては、2か月は適当な期間であると考えている。ただし、構造・装置の軽微な変更の場合や、輸入車 にあっては予備審査や公的試験機関での試験を行った場合など、具体的にどのような場合においてどの程度の期間の短縮が可能であるか、関係 者と調整の上、検討を進めることとする。
【申請手続の柔軟化】
論点2:型式指定の申請をした後、当該申請に係る内容変更をより柔軟に認めるべきではないか。
◇型式指定の申請をした後に当該申請内容の変更を行うことについては、試験前であれば弾力的に取り扱われているが、型式指定を受けた装置に 変更する場合には試験後でも認める等、より柔軟に取り扱うことができないか。
◆排出ガス試験等各種の試験前であれば、申請内容の変更は随時可能であるが、試験後であっても、型式指定を受けた装置に変更する場合や、輸 入車にあっては公的試験機関による試験データが申請者から提出される場合等について、柔軟な取扱いとする方向で検討することとする。
【審査に提示する自動車台数の削減】
論点3:型式指定を申請する場合には、試験に必要な自動車を提示しなければならないが、その台数を削減することができないか。
◇型式指定を申請する場合には、申請者が試験に必要な自動車を提示し、運輸省は当該自動車を使用して審査に必要な試験を行うこととされてい る。申請車両の仕様にもよるが、国産車の標準的な一車種の場合には、10台程度提示することとなっている。申請者は提示に必要な自動車を 製作することになるが、自動車は高価なものであるため、申請者の負担が大きくなっている。したがって、メーカーデータの活用範囲を拡大す る等して、運輸省の試験を減らすことにより、提示する自動車の台数を減らすことができないか。
◆試験車台数については、保安基準への適合性及び燃費値等を確認するために必要最小限のものとしているが、今後とも引き続き関係者と技術的 観点から検討していくこととする。
【変更承認の対象】
論点4:型式指定を受けた後、自動車の構造、装置及び性能等を変更した場合には、変更の承認を申請することができるが、その変更の範囲を 明確化するとともに、変更承認を必要とする範囲を縮小することができないか。
◇型式指定を受けた後、自動車の構造、装置及び性能等を変更した場合には、変更の承認を受けた場合に限り、当該変更に係る自動車の完成検査 終了証を発行することができるが、現在は変更の範囲が明確にされていないため、これを明確化すべきである。同時に、申請者の負担を軽減す るため、変更の承認を受けなくても完成検査終了証を発行できる範囲をできるだけ広くすべきである。
◆保安基準への適合性確保の観点から新たに試験・確認をする必要がないような軽微な変更については、手続の簡素化を図る方向で検討すること とする。
3 参考資料
<参考1> 制度の沿革
昭和26(1951)年 ・型式指定制度導入
平成 7(1995)年 ・「現車確認方式」に「基準自主管理方式」を取り入れ、メーカーに一層の自主裁量を付与することにより、型式 認証手続を簡素化
・新型自動車の技術審査の際の申請データの活用の拡大等を図る。
・技術審査において試験車を選定する条件の明確化を図る。
平成 9(1997)年 ・トラックの長距離走行車の現車提示要件を、技術の進歩、品質の向上等の実態を踏まえ緩和
・諸元表の項目について、技術の進展に併せ、安全確保、公害防止の観点から引き続き見直しを行い、申請の簡素 化を図る。
・同一型式の範囲について、自動車技術の進展を踏まえ緩和する。
平成10(1998)年 ・車両等の型式認定相互承認協定(略称)に加入するため、自動車の装置の認定について外国政府との相互承認制 度を導入
平成11(1999)年 ・乗用車の型式指定に係る諸元表第1号様式の諸元項目の簡素化
・方向指示器等6件について、車両等の型式認定相互承認協定(略称)の規則を採用
<参考2> 型式指定審査の流れ(省略)