1 規制の現状と進捗状況
制度の概要 【大店立地法制定の経緯とその概要】
・近年の小売業をめぐる様々な環境変化をもとに、大店法(大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する 法律)による調整の使命は終焉する一方、大型店の出店に伴う各種生活環境上の問題への対応といった新たな社会的 要請に応える政策対応が必要であること等から、平成10年6月に「大規模小売店舗立地法」が制定・公布された。
・大規模小売店舗の立地に関し、その周辺の地域の生活環境の保持を通じた小売業の健全な発展を図る観点から、平成 11年6月30日に大規模小売店舗を設置する者が配慮すべき事項について指針を策定した。
・大規模小売店舗の設置者が店舗を新増設する場合には、大規模小売店舗の施設の配置や運営方法等について都道府県 等に届出を行い、その内容を周知させる説明会を開催する。
・設置者の届出内容について、市町村、地域住民、事業者、商工会議所又は商工会その他の団体等は、都道府県等に意 見を述べることができる。都道府県等は、これらの意見に配意するとともに、指針を勘案しつつ、大規模小売店舗の 設置者に対し、その周辺の地域の生活環境の保持の見地からの意見を述べることができる。
・大規模小売店舗の設置者の対応が、都道府県等の意見を適正に反映しておらず、その周辺の地域の生活環境に著しい 悪影響を及ぼす事態の発生を回避することが困難と認められるときは、都道府県等は、市町村の意見を聴き、指針を 勘案しつつ、大規模小売店舗の設置者に対し、必要な措置をとるよう勧告することができる。正当な理由なく、設置 者が勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができる。
政府の対応(規制緩和 推進3か年計画)
・大規模小売店舗立地法において、大規模小売店舗を設置する者が配慮すべき事項について、具体的かつ明確な指針を 策定する。(平成11年6月30日)
・大規模小売店舗立地法の指針及び関係省令の制定に際しては、「規制の制定又は改廃に係る意見提出手続」(平成11 年3月23日閣議決定)に則った対応をすることとする。
指針:平成11年4月21日〜平成11年5月20日 省令:平成11年5月19日〜平成11年6月 1日 省令:平成11年7月 2日〜平成11年8月 2日
・公平かつ透明な手続が確保されるよう、大規模小売店舗立地法の趣旨、手続を関係者に広く周知し、円滑な施行に努 める。
・大規模小売店舗立地法の指針で、大型店の設置者に法的に求められる負担は社会的に見て合理的とみなされるもので なければならず、同指針について、産業構造審議会流通部会・中小企業政策審議会流通小委員会合同会議の中間答申
(11 年5月)を踏まえ、大規模小売店舗立地法の施行後5年以内に必要な見直しを行う。
・大規模小売店舗立地法の適正な運用を図るため、通商産業省本省及び各通商産業局に相談窓口を設置する。
進捗状況、検討状況 ・平成10年6月3日に大規模小売店舗立地法公布。
・平成11年5月31日に産業構造審議会流通部会・中小企業政策審議会流通小委員会合同会議から通商産業大臣宛に
「大規模小売店舗を設置する者が配慮すべき事項に関する指針(案)」および「大規模小売店舗立地法第4条の指針
(案)の策定に当たって」を答申、平成11年6月30日に通商産業大臣告示で当指針の公表がなされた。
・平成12年6月1日より大規模小売店舗立地法の施行
2 論点整理等
(注)・◇は当委員会の規制改革の意見・考え方であり、◆は◇に対する所管省庁等の説明や意見・考え方を示す。
【大型店設置者の合理的な社会的負担】
論点1:平成12年6月1日から大規模小売店舗立地法が施行されたが、大型店の設置者に法的に求められる負担は社会的に見て合理的とみな される範囲でなければならないとの観点から、今後の進捗施行状況等を注視していく。
◇大規模小売店舗立地法の運用においては、地方公共団体ごとに異なる基準の下、実質的に既存の小売店保護を目的とした上乗せ規制や恣意的な 運用がなされる可能性がないとはいえないため、これに対して通産本省及び各通産局に設置した窓口が、法の適正な運用を円滑に遂行させるた めに存在している。当委員会でも、大型店の設置者が法的に求められる負担は、社会的に見て合理的とみなされなければならないとの観点から、
法の運用状況、相談窓口の活動状況等を引き続き注視していく。
◆大型店の設置者が配慮を求められる事項については、パブリックコメントを経て制定された指針にすべて明記されている。この指針の内容及び 法で定める手続について、地方公共団体が法の趣旨に反した規制を行うことはできず、この旨法第13条にも明記されている。
なお、指針は、本法運用におけるナショナルスタンダードを示すものであるが、指針で示した各種の数値・数式については、これに拠ること が適当でない場合には、設置者は、根拠を示して他の数値・数式を用いることができると同時に、都道府県等が合理的な範囲内で地域の実情に 応じた水準での配慮を求めることも可能である。
また、法の運用は、自治事務として都道府県等に委ねられており、個別の案件に関する判断について、国が法的に関与することはできないが、
法の適正な運用が確保されることは重要である。このため、「大店立地法相談室」を設置し、都道府県等や関連事業者からの質問等に対応する ことにより、国が必要に応じて法の解釈を示したり、指針の趣旨等を周知していくこととしている。
【出店手続の簡素化】
論点2:大規模小売店舗立地法の施行後、以前の大店法の時代より出店手続が煩雑になることのないように、手続や書類の簡素化については随 時検討していくべきではないか。
◇大規模小売店舗立地法の施行後、実際に出店手続に入っている大型店設置者からも、出店手続が煩雑になり、書類等のボリュームも増え、コス トが増大したとの話も聞かれるところである。したがって、大規模小売店舗の立地に関し、その周辺の地域の生活環境の保持のため、大規模小 売店舗を設置する者が、その施設の配置及び運営方法について適正な配慮を行うことを確保するという法の本来の目的を逸脱することのない範 囲で、出店手続・提出書類等の簡素化について、随時検討していくべきではないか。
◆大規模小売店舗立地法の届出書類等については、パブリックコメントの結果等も踏まえ、施行規則により、生活環境保持の観点から必要かつ合 理的なものを定めている。
3 参考資料
<参考> 大店立地法への移行前の大規模小売店舗法第3条の届出状況
大規模小売店舗法 第3条の届出状況(件数)
8年度 9年度 10年度 11年度
2,269 2,116 1,681 1,338
第1種 523 528 401 384
年度計
第2種 1,746 1,588 1,280 954
平成11年度月別届出状況(件数)
計
第1種 第2種
11年 4月 180 52 128
5月 121 38 83
6月 142 41 101
7月 156 42 114
8月 167 32 135
9月 122 32 90
10月 99 36 63
11月 114 42 72
12月 106 37 69
12年 1月 82 25 57
2月 35 3 32
3月 14 4 10
計 1,338 384 954
12年 4月 16 4 12
5月 11 1 10