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量的データの収集①:日本語版 CSQ の作成と検証

ドキュメント内 成長ベンチャー企業の (ページ 109-112)

第 3 章 研究方法

第 3 節 データ収集

2. 量的データの収集①:日本語版 CSQ の作成と検証

た。

④ 同業他社との比較(他社とのベンチマーク)が可能となること

⑤ 企業が知りたい情報(例えば、組織文化や風土)も調査結果に含まれること

⑥ 測定尺度としての妥当性、信頼性が先行研究から検証されていること

上記の観点から、第2章第2節2.で述べた4つの測定尺度を比較すると、表10のように整 理される。評価項目に対して、3 段階(○、△、×)で相対評価した。調査の継続性、簡便さ の観点では、CSQとOCQが優れており、従業員満足、生産性向上、組織風土の取り扱いの観 点からは、CSQとCASが優れている。結果として、両面で優れるCSQを、国内における将 来的な活用の点から、最も適切な測定尺度として採用し、日本語版測定尺度を作成することと した。

表 10: コミュニケーション満足度の測定尺度の国内における活用可能性 (筆者作成)

評価項目 CSQ CAS OCD OCQ

実証研究の多さ ○ 米国中心 ○ 米国中心 ○ フィンランド ○ 米国中心 ベンチマーク実績 ○ 米国 ○ 米国 ○ フィンランド × 現時点でなし 簡便さ(測定時間、

質問票の質問項目)

○15分程度 51項目

30分以上 134項目

△ ワークショップ を含め1日、76項目

○5-10 35項目 内部化の容易さ ○ 自社でも調査可能 △ 外部コンサルタント

が必要

△ 外部コンサルタント が必要

○ 自社でも調査可能

現実と理想の情報量の 比較分析の容易性

× 直接の質問項目なし ○ 直接の質問項目あり ○ 直接の質問項目あり × 直接の質問項目なし

コミュニケーション上の 組織文化や風土

○ 独立のディメン ジョンで測定

○ 独立のディメン ジョンで測定

△ 明確な質問項目はあり × 明確な質問項目なし

結果指標との関係性 ○ 仕事の満足、生産性 ○ 仕事の満足 ○ 仕事の満足 × なし

そこで、2012年に調査を開始する前に、日本語版CSQを作成し、妥当性、信頼性について 検証を行った。日本語版は、早稲田大学大学院商学研究科東出研究室の博士課程の学生、早稲 田大学商学学術院助手の協力のもと、原文(英文)の質問項目を日本語に翻訳し、再度英語に 翻訳し直し、原文と見比べ、文意に齟齬を来さないように配慮するとともに、日本の企業や組 織の事情に合わせ、回答者に質問の意味が想起しやすいように工夫した。作成した日本語版 CSQを、実際に国内企業に勤務するサンプル数15社、111人のビジネスパースンによるサン プルデータで検証した。調査結果を利用して、SPSS を使って統計分析した結果、0.7 以上の

Cronbachのαを示し内的信頼性は検証されたこと、因子分析の結果、欧米の先行研究結果と

同様にオリジナルディメンジョンとほぼ同様に分かれることから、作成した日本語版 CSQ の 妥当性、信頼性は検証された(古屋, 2012)。日本語版CSQの検証結果と質問票の詳細は、第

12章第1節に記載にする。

本研究によって検証された日本語版CSQは、研究、及び実務において、以下の通り大きく3 つの利用価値があると考えられる。

[日本語版CSQの利用価値]

① インターナルコミュニケーション満足度の簡易な測定尺度(診断ツール)として利用

② 測定結果の蓄積による国内データベースの構築と活用

③ 同業他社比較による自社の改善活動への利用

なお、作成に当たっては、成長ベンチャー企業での利用を想定し、仕事の満足度を補完する 上で、Dedication(やる気度)も測定項目として追加した。先行研究調査では、インターナル コミュニケーション満足度とやる気度の関係性に関する調査はなかったが、インターナルコミ ュニケーションが、従業員の心理的な部分に影響を与えることが大きく、仕事の満足度よりも、

むしろやる気度に直接的に影響を与えると考えたからである。また、日本人の心情として、仕 事の満足度に対する表明よりも、やる気度に対する表明の方がアンケート回答者にとって回答 しやすいと考えたからでもある。

やる気度の測定尺度は、Schaufeli & Bakker (2003) が提唱する測定尺度である Utrecht Work Engagement Scaleの中から、Dedication項目5項目を利用した。第12章第4節に質 問項目を記す。なお、スケールは、オリジナルの5点リカートスケールを7点リカートスケー ルに変更した17

結果として、1セットの質問用紙の構成は以下の通りとした。想定回答時間は、約15分であ る。第12章第3節にCSQサーベイ調査表を記す。

[日本語版CSQの質問項目の構成] 7点リカートスケール

① 質問1~3 :仕事の満足度(質問3は、自由形式の回答)

② 質問4~8 :やる気度

③ 質問9~11:生産性 (質問11は、自由形式の回答)

④ 質問12~51: インターナルコミュニケーション満足度

(8つのディメンジョンそれぞれ5つの質問、合計40問)

⑤ 被験者のデモグラフィックス

17 2012年の調査では、オリジナルの5点リカートスケールで調査を行い、集計時に5点満点を1.4倍して7点に換算した が、2013年の調査では、質問用紙の質問を7点リカートスケールに作成し直して、調査を行った。

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