• 検索結果がありません。

社長のインターナルコミュニケーション意識に対するミドルの意識

ドキュメント内 成長ベンチャー企業の (ページ 174-180)

第 6 章 成長ベンチャー企業社長のインターナルコミュニケーション意識

第 3 節 社長のインターナルコミュニケーション意識に対するミドルの意識

最後に、社長のメッセージの「受け手」であり、日常的に社長とコミュニケーションを行う ミドル、或はコミュニケーションの専門部門は、社長のインターナルコミュニケーション意識 をきちんと認識しているのか検証する。ケースJ、ケースK、ケースLのミドル、或はコミュ ニケーション専門部門の発言の中から、12個の社長の意識に関係する内容を抽出した。結果と して、成長ベンチャー企業では、社長の意識は、ミドルによく伝わっていることが確認できた。

3ケースの比較の中では、CSQサーベイの結果が他の2ケースに比較して低いケースJは、ミ ドルがコミュニケーション上の課題として認識しているエリアが、より多くあることも分かっ た。具体的には、①強烈なメッセージを繰り返し送る、⑤企業文化を維持する、⑦一体感を維 持する新しいコミュニケーションの手段を開発する、の3つの意識について課題を感じている。

実際、ケースJは、次の打ち手として、急増する社員に対し、社内報の発行を検討中である。

以下、12個の社長の意識を順番に、ミドル、専門部門の発言を引用しながら検証する。

1. 強烈なメッセージを繰り返し送る。

ケースK、ケースLのミドルや専門部門は、社長のパワフルなメッセージやエネルギーを感

じている。その姿勢を尊敬しており、メッセージが非常に良く伝わっていることが分かる。

ケースKのI部長のインタビュー:

『(社長を)素直に尊敬していますし、面白い人だと思います。(中略)あのエネルギーは、

本当、凄いなと思いますね。ああいうエネルギーを持っていたいと思います。(中略)全社 組織の

インターナルコ ミュニケーショ

ンプロセス 社長の

コミュニケー ション意識 リーダーコ

ミュニケー ションへの

要求

研究の欠缺部分 先行研究

従業員の インターナル コミュニケー ション満足度

先行研究

成長ベンチャー企業のインターナルコミュニケーション

会という集合の場で頂いている話をもとにして、みんな、じゃ、どう動こうというエネルギ ーが出て来るので、そこが一番大きいと思います。』

ケースKのWさんのインタビュー:

『(社長自身が)本当に、真摯に、もの凄く取り組んでいるのを見ると、はっと、こっちも してしまうという感じです。』

ケースLのMマネージャーのインタビュー:

『(社長の話は)非常に明確かつ分かりやすいです。具体例も出して頂いて、みんなの前で 話して頂くのですが、(中略)ビジョンや夢を強く語って頂けるので、みんながモチベーシ ョン高く仕事ができる環境とか、発言して頂けるので、現場としては、すごくありがたいな と思っていますね。』

しかし、インターナルコミュニケーション満足度が、他の2ケースに比べて相対的に低かっ たケースJでは、社長のメッセージにもう少し工夫を求める声もある。

ケースJのA部長のインタビュー:

『ビジョンに関しては、毎回、欠かさず、みんなで共有するのですが、経営判断、こういう 方針で、こういうことをやっていきますということに対して、ビジョンとの相関関係とか、

関連性みたいなことに言及することはあまりないですね。』

2. 強力なリーダーシップを発揮する。

リーダーシップは、3ケースとも非常に強く、社長を信頼し、その存在感も大きいことが分 かった。

ケースJのA部長のインタビュー:

『もの凄くパワフルな部分があります。(中略)イベントでは、誰よりも弾けるぐらいの勢 いです。(中略)仏のようなタイプというよりは、凄いリーダーシップがあって、仲間を大 切にするみたいな感じです。』

ケースLのT執行役のインタビュー:

『(社長は)概念的な存在としては、非常に大きい。(中略)正しい社長の姿をどう伝えるか ということは、社長自身も気にしていて、いろんな場で話をする、間接的に伝えることも含 めて、ちゃんと、伝えないといけない。だからこそ、社内報も重要。』

ケースKのK部長のインタビュー:

『マネジメント(経営陣)に対する信頼と、自分が担っている仕事に対する誇りみたいなも のが、(社員は)結構高いのではないかと思います。』

3. 場を設定する。

社長自身が、イベントや飲み会といった場を設定し、その中で自らも、みんなと楽しむとい う発言が多かった。

ケースLのT執行役のインタビュー:

『会議の後に集まって、社長も含めて、ざっくばらんに飲むというのを、会社の中でやって います。(中略)飲み会は、比較的多い会社なのかなって思いますけどね。』

4. 社員の理解度をチェックする。

ミドルや専門部門が、組織における自分の役割を認識して、現場で起きていることを社長に 報告するのがミドルとしての役割であるという意識をもって、自発的に取り組んでいることが 確認された。

ケースLのT執行役のインタビュー:

『組織として、今起きていることをレポートするということこそが、間に挟まっているミド ルマネジメントの仕事なのかなと思って。敢えて、社長がダイレクトに聞く耳もっています と言うのは、あまり必要ないのかなという気はします。』

5. 企業文化を維持する。

各社ともに、企業文化の維持に腐心していること、ケースKのように専門部門が活発に行う 例もあるが、ケースJのように、もっと分かりやすいメッセージが必要と問題提起する例もあ った。

ケースKのWさんのインタビュー:

『(自分達のような)特別な、特殊な、他にないような企業体で文化を維持してやって行く には、(コミュニケーションの専門部門が)必要ではないか。』

ケースJのA部長のインタビュー:

『(企業文化について)私は知っているかというと、そうなんですねという感じです。ビジ ョンは3つ定義されていますが、もうちょっと、キャッチコピーみたいなもので、こういう 会社だぞって、出来れば全員でシンクロしている状態がいいのかなって思っているのです。』

6. 価値観のあった人を採用する。

採用は、各社とも厳選して行っていることが確認された。

ケースKのI部長のインタビュー:

『かなり厳しくし、採用の時に、その見極め、耐えきれるのかどうかということはやってい ます。』

ケースLのT執行役のインタビュー:

『会社の理念と、成長していくということを強く打ち出している会社であるので、応募して くる人は、極めて、我々の組織への共感性が高い人が多いですし、途中のスクリーニングの 中で、きちんと我々について、学ぼうとしているかというのは、よく見るようにしているの で、結果的にそこで篩いが掛けられているというのがあります。』

7. 一体感を維持する新しいコミュニケーション手段を開発する。

一体感に対するミドルの意識も高い。それぞれの立場で、コミュニケーションの円滑化、活 性化を図っている。

ケースLのMマネージャーのインタビュー:

『(自分が上に上がったタイミングで)考え方、基準、方針の一体感をまずすると。全国で 合わせました。異動も2/3行いました。色んな考え方をもった人間が、いろんなとこに行く ようになって。いろんな人とのコミュニケーションが取れるにようになったので。非常にそ こは、コミュニケーションが円滑になって来た。』

ケースKのHさんのインタビュー:

『社内広報が何をするかというと、社員に、この会社はいい会社だということを、改めて認 識して貰う、凄く好きになって貰う。(中略)ミッションは、社内の人間に会社を好きにな って貰う。そのための情報を集めて、あらゆる形で発信しなさいというのがもともとだった んです。』

但し、従業員数が急増するケースJは、イベントの効能について限界を感じている意見もあ った。

ケースJのN本部長のインタビュー:

『イベント。コミュニケーションの活性化には、一定の役には立っているのですけど、もう 一ひねり何か必要かな。(中略)イベントやっても、知っている人同士で集まってしまって

いるので、新しいパスがなかなか生まれないです。』

8. 社員に成長の機会を与える。

成長については、その重要性をミドルがきちんと理解していることが分かった。

ケースJのA部長のインタビュー:

『一番重要視しているのは、やっぱり、社員の成長というところにあります。会社にとって、

最も重要な財産は、(中略)社員なので。』

ケースKのK部長のインタビュー:

『とにかく、自分自身が成長すること、結構求めている。(中略)まずは、自分の成長をど う考えるのかということを考えろということを、何回も何回も言う。』

9. ミドルをリーダーとして鍛える。

3ケースともに、ミドルが自由に、任されて業務を遂行できていると感じていることが分か った。更に、ミドルが自らのリーダーシップを高めていかないといけないという意識も強く、

社長に代わって、部門の部下に対して理念や社長のメッセージを伝えていることも分かった。

ケースLのT執行役のインタビュー:

『基本的に、かなり権限委譲はされているという風に思っていて。部門の方向性をどうする か、部門の中をどうマネジメントするかは、かなりマネージャーに任されているという風に 思います。』

ケースLのMマネージャーのインタビュー:

『会議で私が言うことは。社長の言葉であったり、会社の理念というのは、私が徹底的に理 解した上で、やはり会社は船と同じなので、あっちこっち行かれては困るので、私が導いて います。』

ケースKのI部長のインタビュー:

『(働きがいの調査で毎年上位にあるのは、)一言でいうなら、オープンネスかなと思います。

いろんなことがオープンな会社だと思います。(中略)(社内コミュニケーションの)役割は、

ミドル層が、逆に言うと、もう担って、もっと多く。言葉悪いですが、奪い取っていかなけ ればいけない領域なのかと思っています。』

ドキュメント内 成長ベンチャー企業の (ページ 174-180)

Outline

関連したドキュメント