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サンプリング条件:コントロール変数の議論

ドキュメント内 成長ベンチャー企業の (ページ 100-103)

第 3 章 研究方法

第 2 節 サンプリング

1. サンプリング条件:コントロール変数の議論

るが、企業のおかれた状況、社長の考え方によって、すなわち、成長ベンチャー企業か、中小 オーナー企業かによって、成長性に対する考え方は異なる。例えば、企業規模が小さいオーナ ー企業、特に、2 代目、3 代目企業であると、高い成長よりは、堅実な家業の継続に経営の重 点がおかれる。一方、創業社長による成長ベンチャー企業の場合は、急成長を目指す社長の意 志がある。また、この5年間を捉えると、2008年のリーマンショックの影響も大きく、特に、

製造業を中心に大きな売上減少、人員整理が行われ、単純に5年前と比較すると、売上、営業 利益、従業員数のどれをとってもマイナスという企業もある。しかし、そのような企業でも、

着実に、この5年で、業績を回復基調にしているケースもある。このように、成長性の単純比 較は難しく、一つの数値的な基準で線を引くことは難しい。そこで、この点を考慮し、数値的 な基準は以下の通り設定するものの、個別の事情も定性的に考慮することとした。

[成長性基準]

5年前と調査時点における売上、営業利益、又は従業員数を以下の基準で判定する。売上、営 業利益、従業員数の判定が異なる場合は、最も高い判定を適用する。

① 成長企業(High) :5年間で100%(2倍)以上成長している企業。

② 堅実企業(Middle):5年間で0%から100%未満成長している企業。又は2008年のリー マンショックで、売上、営業利益、従業員数が減少した後、過去の ピークまでは戻らなくても、その後着実な回復基調にある企業。

③ 低迷企業(Low) :マイナス成長か、ゼロ成長企業。

(3) コントロール変数3: 経営者

アントレプレナーによる創業ベンチャーか、オーナー経営による2代目、3代目の経営者に よる企業とした。社長がオーナーシップやイニシアチブを握り、会社と従業員に影響を与えら れる状況でなければ、能動的なインターナルコミュニケーションはなし得ないと考えられるか らである。インターナルコミュニケーションによる経営は、長期的な視点が必要であり、時間 がかかるため、社長としての在任期間(No.2、No.3 として経営の中枢であった期間も含む)

が、通算5年以上である社長とした。5年以上、経営の中枢としての実践経験がなければ、イ ンターナルコミュニケーション上の意識、行動、プロセスも少なく、インタビューにおいて、

必要なデータが収集できない可能性があると考えたからである。更に、人とのコミュニケーシ ョンの重要性を意識できることは、年齢にも関係があると考え、あまり若い社長は調査対象か ら除外し、ここでは一つの基準として40歳以上の社長とした。

[経営者の基準]

① 創業者、2代目、3代目

② 社長としての経験5年以上(No.2、No.3として経営の中枢であった期間も含む)

③ 40歳以上

(4) コントロール変数 4: 業種

業種としては、インターナルコミュニケーションの効果によって、企業成長に差がでやすい 分野とした。不確実な国内経済の環境下、インターナルコミュニケーションの効果によって、

従業員が一丸となって、継続的に新製品、新サービスの創出、新市場を開拓し、業績を伸ばし ている企業と、比較として、従業員に一体感がなく、業績の伸びが今ひとつ低迷している企業 の双方が存在する業種が望ましい。例えば、国内市場をメインとし、コミュニケーションを差 別化要因としてビジネスを伸ばしている業種が最適である。「餃子の王将」、「ヤオコー」、「ネ ッツトヨタ南国」の例ではないが、飲食業、小売業、サービス業、特殊技術製品の製造業、或 は最近ではインターネット・IT 関連企業といった業種である。これらの業種の企業は、社長が 従業員一人ひとりのマインドに影響を与え、競争が激しい環境下、従業員の現場力(店頭にお ける対面販売、接客行為、顧客志向の対応、ユーザー志向の技術開発、社会的意義、プライド 等)に変化がおき、生産性や顧客満足度が向上し、最終的に会社成長となって現れてくると推 測されるからである。以下に、業種基準を示す。また、所在地は、調査のアクセスの点から、

東京、或は関東地方とした。

[業種の基準]

飲食業、小売業、サービス業、特殊技術製品の製造業、インターネット・IT関連企業

(5) コントロール変数のまとめ

企業規模、成長性、経営者、業種におけるサンプリング条件をまとめると、以下の通りである。

[サンプリング条件のまとめ]

① 国内のベンチャー、中小、中堅企業で、従業員数で、30から3000名程度。

② 売上、営業利益、従業員数基準のどれかで、過去5年間の成長を判定できる企業。

③ 社長が、創業者か、2代目、3代目以上のオーナー企業。(5年以上の経営経験)。

④ 飲食業、小売業、サービス業、特殊技術製品の製造業、インターネット・ITといった成長 業種。

⑤ 企業の所在地は、東京、或いは関東地方。

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