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基本的用語の定義

ドキュメント内 成長ベンチャー企業の (ページ 38-41)

第 1 章 序論

第 5 節 基本的用語の定義

本論文で頻繁に使用する基本的な用語を、表1の通り定義する。その内容については、第3 章にて詳述する。

日本の企業において、社長と一般従業員の間の中間管理職には、本部長、部長クラスのシニ アマネージャーと、課長クラスのマネージャーの2階層がある。本研究における調査対象企業 の組織規模である、30名から3000名規模の企業でも2階層に分かれているが、インターナル コミュニケーションの観点では、社長とのかかわり合いが重要であるので、社長と直接コミュ ニケーションを取って中間管理職としてビジネスを遂行する層をミドルと総称する。すなわち、

部長と課長の階層を分けずに、社長と直接コミュニケーションをとる層を役職に関係なくミド ルと定義する。従って、社長(役員を含む経営陣)、ミドル(部長、課長クラス)、一般従業員 の3階層を組織のモデルとしてインターナルコミュニケーションを議論する。

表 1: 基本的用語の定義 (筆者作成)

用語 定義

成長ベンチャー企業 創業社長か、オーナー経営者による経営で、組織規模が、従業員数30 から3000名程度、かつ成長性基準を満たすベンチャー企業。

成長性基準 本研究では、企業成長の指標として、データの集めやすさの点から、売 上高、営業利益、従業員数の伸びに限定して、その増加率によって企業 の成長性と定義した。成長性がHighとは、売上、営業利益、従業員数の いずれかで、過去5年間の間に、2倍(単純平均年率20%)以上の成長 とした。

社長 ベンチャー、又は中小企業の社長。創業者か2代目以降のオーナー社長。

ミドル 社長と一般従業員の間の中間管理職。業務上、社長と直接のコミュニケ ーションを行う。本部長、部長、課長、マネージャー職。

一般従業員 ミドルの指示、命令のもと業務を遂行する従業員、役職としては、一般 スタッフ、主任、係長クラス。

コミュニケーションの5 素(大田, 1994)

発し手、受け手、メッセージ、メディア、ウェイ。

コミュニケーションのモデ

コミュニケーションの5要素でコミュニケーションを説明する汎用的な モデル。

チャネル メッセージとメディアから構成される。

メッセージ メッセージとは、発し手の情報コンテンツ。

メディア メディアとは、対話、会議、電話、メール、Web、通知文書、社内報と いった媒体。

ウェイ 発し手の話し方、表現方法。

インターナルコミュニケー ション

社内、組織内におけるコミュニケーション全般。発し手、受け手として、

社長、ミドル、従業員の各階層による縦(上司と部下)のコミュニケー ション、及び従業員同士の横のコミュニケーションがある。組織内の全 ての人員によるコミュニケーションを対象とする。

インターナルコミュニケー ションフロー

組織のピラミッド構造(社長、ミドル、一般従業員)における、発し手 から受け手へのメッセージの流れ。発し手と受け手の組合せ。

インターナルコミュニケー ションパターン

インターナルコミュニケーションフローを、コミュニケーションの5 素に分解したもの。インターナルコミュニケーションプロセスの静態的 表現。

インターナルコミュニケー ションプロセス

社長のインターナルコミュニケーション意識を原因として、従業員のイ ンターナルコミュニケーション満足度に至る、企業組織のピラミッド構 造の中で実践される一連のコミュニケーション行動、組織的な運営のダ

イナミックなプロセス。社長、ミドル、一般従業員が、「発し手」「受け 手」となり、コミュニケーションフローとコミュニケーションパターン を実現するが、それらのコミュニケーションパターンの動態的表現。

プロセスの巧拙が、従業員のインターナルコミュニケーション満足度に 影響する。プロセスは、プロセスのカテゴリーとカテゴリーを連結する コミュニケーションパスによって記述される。

社長のインターナルコミュ ニケーション意識7

社長のインターナルコミュニケーションに対する行動を動機付け、コン トロールするもの。

インターナルコミュニケー シ ョ ン 満 足 度(Internal Communication

Satisfaction : ICS)

インターナルコミュニケーションに関する従業員の主観的な満足度。イ ンターナルコミュニケーションプロセスの結果指標。本研究では、代表 的な測定尺度である CSQ サーベイによって測定されたデータに基づく インターナルコミュニケーション満足度をICSと定義する。

CSQ(CSQサーベイ) Communication Satisfaction Questionnaire(Downs & Hazen, 1977)

の略。米国で開発された代表的なインターナルコミュニケーション満足 度(ICS)の測定尺度。過去の多くの研究で、ICS8つのディメンジョ ンによるモデルの信頼性、妥当性は検証されている。本研究では日本語 版を開発し、日本語版CSQを調査に利用する。本論文で「CSQ」という 表現は、断りがない限り、本研究にて開発した日本語版CSQを意味し、

特に日本語版の表記は省略する。

仕事の満足度

(Job Satisfction : JS)

従業員の仕事に関する主観的な満足度。CSQで測定。インターナルコミ ュニケーション満足度と同時に測定する。

生産性

(Productivity : Pro)

従業員の自己の生産性に関する主観的な感覚。CSQで測定。インターナ ルコミュニケーション満足度と同時に測定する。

やる気度

(Dedication : Ded)

従業員の仕事に対するやる気、情熱等に関する主観的な感覚。英文のCSQ には含まれないが、インターナルコミュニケーション満足度と同時に測 定できるように、日本語版CSQに追加した測定尺度。やる気度の尺度は、

Utrecht Work Engagement Scale (2003) の質問項目を利用した。

CSQフレームワーク CSQサーベイで定義されるフレームワーク。ICS8つのディメンジョ ンで、インターナルコミュニケーションを説明するフレームワーク。CSQ で測定されるICSJS、ICSProは、正の相関関係にある。測定尺度 や調査方法としてのCSQサーベイと区別して、CSQの考え方、枠組み を意味する時に使用する。

7 2章第11.に示すように、意識 (Consiousness)そのものの定義は、John, Robins & Pervin (2008)を参考にした。

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