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サンプリング方法とサンプル数の考え方:妥当性と信頼性の議論

ドキュメント内 成長ベンチャー企業の (ページ 103-106)

第 3 章 研究方法

第 2 節 サンプリング

2. サンプリング方法とサンプル数の考え方:妥当性と信頼性の議論

ベンチャー企業としての基準を満足していると考えたことの 2 点が理由である。調査依頼は、

表彰制度の主催団体に依頼した。これは、筆者から直接要請するよりも、協力の応諾を得られ やすい環境を作るためである。本研究で利用した表彰制度は、国内で代表される2団体による 成長ベンチャー企業の以下の表彰制度である。それぞれの説明は、ホームページの記載をもと に筆者が作成した。

1) 一般社団法人 東京ニュービジネス協議会(NBC):

NBC は、わが国のベンチャービジネス・ニュービジネスを代表する全国団体として活動 している社団法人であり、同会のメンバー企業の経営者は、ベンチャー企業としての企業 成長に熱心である。NBCが主催するIPO大賞ルーキー部門、グロース部門の受賞企業は、

成長性基準でHighにあたる成長ベンチャー企業である。

IPO大賞ルーキー部門:

株式上場後間も無いが、日本経済の新たな活性化に貢献する可能性が高いビジネスモデル のベンチャー企業。事業の新規性、革新性、成長性等を考慮。

IPO大賞グロース部門:

株式上場後4年が経過し、社会的評価が定着し日本経済活性化の牽引役になっている新た なビジネスモデルのベンチャー企業。選定条件として直近の決算書で、上場時との比較売 上高伸長率が100%(2倍)以上。事業の更なる成長性、戦略、上場後の貢献性等を考慮。

2) アントレプレナーオブザイヤージャパン(EOY = Entrepreneur of The Year)

EOYは、新たな事業領域に挑戦する起業家の努力と功績を称える国際的な表彰制度であり、

新日本監査法人が運営事務局を務める。その中で、アクセラレーティング部門は、国内で 一定の影響力を有し、更なる成長が期待される企業(事業)の経営に携わっている起業家 に与えられることから、同部門の受賞企業は、成長性基準でHigh にあたる成長ベンチャ ー企業である。

NBC及びEOYへの協力依頼にあたっては、受賞企業について事前にホームページ上公開さ れている財務データから成長性基準を満足することを確認した。様々な企業に依頼を行ったが、

最終的に協力を応諾してくれた企業は、IPO大賞ルーキー部門受賞企業1社、IPO大賞グロー ス部門受賞企業1社、EOY受賞企業1社とNBC会員企業2社の合計5社であった。なお、

NBC会員企業のうち1社は、2012年度にも調査協力頂いた企業である。第12章第2節に調 査対象企業への調査依頼と調査の実施について記載する。

(2) サンプリング数

理論的サンプリングでは、モデルとしての類型化が可能になり、新しい発見が、もう出てこ なくなるところまで、つまり理論が飽和するところまで調査することが前提となる。但し、上 述のように、調査協力企業を探すという時間的制約もあり、Eisenhardt(1989)が提唱する、

分析のために必要な現実的なサンプル数、4-10社を参考に以下の理由から12ケースとした。

[サンプル数を12ケースに決定した理由]

① 2012年の7ケースと2013年の5ケース(1社は2012年と同一の企業)を合計すると12 ケースとなりEisenhardtの基準を超えるサンプル数となったこと。

② 2013年に、3ケースの成長ベンチャー企業のデータが得られたこと。

③ 12ケースによって理論的な飽和が得られたこと。

12ケースのうち、創業社長が5ケース、2代目以降が7ケースであり、成長性は、High、

Middle、Lowが3:6:3の比率となった。表8に分布に示す。

表 8: サンプリングされた企業の分布 (12 ケース) (筆者作成) 2012年(7ケース)

未上場/上場 未上場 上場

成長性(H/M/L) H M L H M L

創業社長 2 0 2 0 0 0 0

2代目以降 5 0 3 1 0 0 1

合計 6 1

2013年(5ケース)

未上場/上場 未上場 上場

成長性(H/M/L) H M L H M L

創業社長 3 11) 0 0 2 0 0

2代目以降 2 0 0 0 0 1 1

合計 1 4

2012年と2013年合計(12ケース)

未上場/上場 未上場 上場

成長性(H/M/L) H M L H M L

創業社長 5 11) 2 0 2 0 0

2代目以降 7 0 3 1 0 1 2

合計 7 5

1)当該企業は、上場後、Management By Outによって非上場化した。

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