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社長のコミュニケーション意識の汎用プロセスモデルへの影響

ドキュメント内 成長ベンチャー企業の (ページ 180-184)

第 6 章 成長ベンチャー企業社長のインターナルコミュニケーション意識

第 4 節 社長のコミュニケーション意識の汎用プロセスモデルへの影響

生成された12個の成長ベンチャー企業社長のインターナルコミュニケーション意識が、ど のように成長ベンチャー企業のインターナルコミュニケーションプロセスに影響を与えるか考 察する。図23に社長の意識と組織のプロセスの関係を示す。以下順に、意識①から意識⑫ま で、組織のプロセスにどのように影響するか述べる。

図 23: 社長の意識の汎用プロセスモデルへの影響 (筆者作成)

意識①:強烈なメッセージを繰り返し送る

「強烈なメッセージ」及び「繰り返し送る」という意識は、プロセスにおける「A: 社長のメ ッセージ創造と継続的な伝達意思」に影響を与える。「強烈なメッセージ」は、全社集会におけ る、「B: 強いリーダーとしての目に見える社長の存在感」を示そうとする行為に繋がる。「繰り

成長ベンチャー社長のインターナル コミュニケーション意識

強烈なメッセージを繰り返し送る

強力なリーダーシップを発揮する

場を設定する

社員の理解度をチェックする

企業文化を維持する

価値観のあった人を採用する

一体感を維持する新しいコミュニケ ーション手段を開発する

社員に成長の機会を与える

ミドルをリーダーとして鍛える

横のコミュニケーションを無理矢理 取らせる

評価は、誰しも文句をいう

ベンチャーの成長は、人の採用である

C: ミドルのリー ダーシップ育成と 中核的存在しての 自由で、チャレン ジングな部門管理

F: 専門スタッフによ る積極的な活性化とぬ

くもりの伝達 A: 社長のメ ッセージ創造 と継続的な伝

達意思

B: 強いリーダーとしての目に見え る社長の存在感

G:従業員 のインター

ナル コミュニ ケーション

満足度 の向上 D: 仕事に対する

誇りとチャレンジ を通じた成長への

実感

E:一体感を感じられる オープンで活発な社内

の雰囲気

⑦ ⑪

④ ⑤ ⑥

成長ベンチャー企業のインターナルコミュニケーションプロセス

返し送る」という意思は、プロセスにおける「A: 継続的な伝達意思」であり、「社長の直接伝 達」「ミドル経由の伝達」「社員同士の伝達」「専門部門による伝達」と複線化されたコミュニケ ーションパスを利用しようとする行為に繋がる。

意識②:強力なリーダーシップを発揮する

「強力なリーダーシップ」という意識は、プロセスの「A: 社長のメッセージ創造」という行 為に繋がり、「B: 強いリーダーとしての目に見える社長の存在感」を示す行為に繋がる。ミド ルを引っ張っていくためにも「強力なリーダーシップ」で、「C: ミドルのリーダーシップ育成」

を進める。

意識③ 場を設定する

「場」を作ろうとする意識は、プロセスにおいて、場による「A: 継続的な伝達意思」をもた らし、「F: 専門スタッフ」を配置して、「F: 積極的な活性化」を促す。場は、「B: 目に見える 社長の存在感」を引き起こし、従業員に「E: 一体感を感じられるオープンで活発な社内の雰囲 気」をもたらす。

意識④ 社員の理解度をチェックする

「社員の理解度をチェックする」という意識は、プロセスでは、「A: 社長のメッセージ」を作 って、全社集会で発表した後、従業員が理解しているか、「C: ミドルの部門管理」によって、

社長に報告させる。また、「E: 一体感を感じられるオープンで活発な社内の雰囲気」を「F: 専 門スタッフによる積極的な活性化」によって作り出し、その結果のフィードバックを直接社員 から、専門部門を通じて報告を得る。そして、社長は自らの「A: 社長のメッセージ創造」に役 立てる。

意識⑤ 企業文化を維持する

「企業文化を維持する」という意識は、プロセスでは、「A: 社長のメッセージ」として「企業 文化」を語り、「A: 継続的な伝達意思」をもって、「B: 強いリーダー」として従業員が創業以 来の良き企業文化を維持するように働きかける行動である。そして「C: ミドルのリーダーシッ プ育成」においても「企業文化を維持する」ことの大事さを教え、ミドルが率先して、「企業文 化を維持する」ように育む行動となる。更に、「F: 専門スタッフによるぬくもりの伝達」によ って、良き「企業文化」を従業員に伝え、「E: 一体感を感じられるオープンで活発な社内の雰 囲気」を作らせるという社長の行動になる。

意識⑥ 価値観のあった人を採用する。

「価値観のあった人を採用する」という意識は、プロセスでは、「D: 仕事に対する誇りとチャ

レンジを通じた成長の実感」を価値観として持てる人材を採用するという社長の行動を生む。

社長は、自らの価値観を「A: 社長のメッセージ」として「A: 継続的な伝達意思」によって学 生や新入社員に伝え、「B: 強いリーダーとしての目に見える社長の存在感」を示して、成長し たい従業員を引っ張る。価値観のあった人達は、「C: ミドルによるチャレンジングな部門管理」

や「F: 専門スタッフによる積極的な活性化とぬくもりの伝達」によって「E: 一体感を感じら れるオープンで活発な社内の雰囲気」に満たされながら、能力を発揮出来るように、社長はミ ドルと専門スタッフを指揮する。

意識⑦ 一体感を維持する新しいコミュニケーション手段を開発する

急増する従業員が、入社の時の気持ちを忘れずに、士気高く仕事に取り組めるように、社長は、

「一体感を維持する新しいコミュニケーション手段を開発する」という意識のもと、試行錯誤、

工夫しながら、インターナルコミュニケーションを実践する。全社集会の開催方法、頻度であ ったり、社内報の内容、分量、配布方法であったり、社長と一般従業員の距離感が大きくなら ないように常に創意工夫する。社長は、特に、専門スタッフを活用し、「F: 専門スタッフによ る積極的な活性化とぬくもりの伝達」というプロセスを通じて、「E: 一体感を感じられるオー プンで活発な社内の雰囲気」を作り出す行動を実施する。

意識⑧ 社員に成長の機会を与える

成長を求めて入社した人達に対して、「成長の機会を与える」という意識のもと、自由にやら せる、やれる風土を作る。「A: 社長のメッセージ」として失敗を容認する文化であることを明 確に示すと同時に、現場の長であるミドルを通じて、「社員に成長の機会を与える」。従業員は、

「D: チャレンジを通じた成長の実感」を感じる。

社長は、意識⑨「ミドルをリーダーとして鍛える」という意識と相俟って、ミドルの役割が重 要であるとの意識のもと、部下の成長を促すような行動の大事さをミドルに気づかせ、ミドル に行動させる。

意識⑨ ミドルをリーダーとして鍛える

「ミドルをリーダーとして鍛える」は、成長ベンチャー企業にとって、必要不可欠な条件であ る。社長は、組織を拡大するために、自分の分身としてのミドルを養成する意識のもと、「C: ミ ドルのリーダーシップ育成」を積極的に実施する。直接のコミュニケーションパス(②)を通 じたオンザジョブトレーニング(OJT)や、外部講師によるトレーニングプログラムの実施

(Off-JT)と形式は様々である。ミドルが、会社の中で、「C: 中核的存在としての自由で、チ ャレンジングな部門管理」ができるように、能力開発と同時に環境、社内ルールを整える。社 長は、日常的なオープンなコミュニケーションによって、ミドルがざっくばらんに社長に相談 できると感じられる雰囲気を作る。

意識⑩ 横のコミュニケーションを無理矢理取らせる

ミドル、一般従業員間の横のコミュニケーションの重要性は、全ての社長の認めるところであ る。成長ベンチャー企業の社長の違いは、「横のコミュニケーションを無理矢理取らせる」とい う強い意識のもと、強制力、或は命令してしまうことである。プロセス面では、「A: 社長のメ ッセージ」としてコミュニケーションパス(②)を通じて、「C: ミドルのリーダーシップ育成」

の一貫としてミドルへの指示であり、一方で、コミュニケーションパス(③)を通じて「F: 専 門スタッフによる積極的な活性化」策となる。社長は、強制力のあるランチミーティングやイ ベントの参加によって、「横のコミュニケーションを無理矢理取らせる」仕組みを作る。

意識⑪ 評価は、誰しも文句をいう

個人の評価に対しては、成長ベンチャー企業社長もその難しさを吐露する。理想を言えば切り がなく、人間である限り、「評価は、誰しも文句をいう」という意識のもと、成長ベンチャー企 業社長は、割り切って考えることの必要性を訴える。文句を言って組織を去る人間が出ること は、成長していく過程においては避けられないことであり、去った方が当人にとってもより良 い人生が待っているかも知れない。社長は、「C: ミドルのチャレンジングな部門管理」を通じ て個人を評価し、個人の成長を促し、コミュニケーションパス(⑦)を通じて、「F: 一体感を 感じられるオープンで活発な社内の雰囲気」によって、不満を自由に言ってもらう。そして象 徴的には、「A: 社長のメッセージ」として、「B: 目に見える社長の存在感」を示して、全社集 会にて優秀者を表彰し、コミュニケーションパス(⑥)を通じて、「D: 仕事への誇りと成長の 実感」を感じさせる。

意識⑫ ベンチャーの成長は、人の採用である

成長ベンチャー企業の社長は、人材の採用に余念がない。社長の仕事は、人の採用だと言い切 る社長もいた。「ベンチャーの成長は、人の採用である」という意識は、成長ベンチャー企業の 本質であり、人の採用をストップした瞬間に成長は止まる。それは、「A: 社長のメッセージ」

として、「B: 強いリーダーとしての目に見える社長の存在感」の中で、全従業員に対して示さ れ、急増する新入社員教育をミドルや専門スタッフに託す。そのために「C: ミドルのリーダー シップ育成」を社長主導で実施し、「F: 専門スタッフによる積極的な活性化とぬくもりの伝達」

の具体的行動を指示する。成長ベンチャー企業のインターナルコミュニケーションプロセスは、

価値観の合う人を採って、育成し、個人としての成長を促し、組織としては共同体としての一 体感を醸成する、それらを、社長、ミドル、専門スタッフが三位一体となって実現するプロセ スである。

ドキュメント内 成長ベンチャー企業の (ページ 180-184)

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