第8章 自治体広報紙を活用した広告事業
第 3 節 調査票調査と結果の概要
自治体における広告導入時の阻害要因とともに、自治体経営のもとでの広報紙の競争上 の優位性を明らかにするために、千葉県および千葉県下の自治体を対象に調査票調査を実 施した。調査の概要は以下のとおりである。
3.1 調査対象と調査項目
(1)調査対象と収集方法
調査名 自治体における広告導入に関する調査 調査期間 2006 年 11 月 6 日~11 月 17 日
調査対象 千葉県および千葉県内の自治体(市、町、村)
調査法 電子メールによる配信・回収方式
調査対象数 57 団体(千葉県 千葉県下 36 市、17 町、3 村)
有効回収数 50 団体(千葉県 千葉県下 33 市、14 町、2 村)
回収率 87.7%(千葉県 100% 市 91.6% 町 82.4% 村 66.7%)
(2)調査項目の設計
調査項目は、各自治体の概要に関する項目、広報誌・紙に関する項目、広告に関する項 目に分類して設計した(表 8-1)。なお、阻害要因については川上が提示した障壁を参考と した。
175 表8-1 調査項目
区分 番号 調査項目
自治体の概要
問 1-(1) 職員数 問 1-(2) 人口 問 1-(3) 世帯数
広報紙(誌)の概要
問 2-(1) 広報紙名 問 2-(2) 発行間隔 問 2-(3) 発行部数 問 2-(4) 閲読率
広報紙への広告掲載 について
問 3 広告掲載(有料)の有無
問 4 広告枠数・枠のサイズ・広告掲載料・民業圧迫への配慮 問 5 広告収入の実績金額(収入実績・歳入予算額)
問 6
広報紙への広告掲載事業を決定したプロセス 1 プロジェクトチームなどによる検討 2 財政部門との協議
3 担当部署のみによる検討
4 広告掲載に関する住民への意見募集 5 住民へのアンケート調査
6 広報紙による市民への事前告知 7 ホームページによる市民への事前告知
8 コスト分析(バランスシート、償還計画、ABC 手法等)
9 基準・要綱等の作成
10 先進自治体の調査(調査した自治体)
11 その他
問 7 募集した広告枠の数と申込み実績数
問 8
広告募集の方法
1 広報紙に広告募集記事を掲載 2 ホームページに広告募集記事を掲載 3 職員による営業活動(訪問や電話等)
4 その他
問 9
(広報紙への広告を実施していない自治体対象)
広告導入にいたらなかった理由 1 自治体のイメージダウンになるから 2 掲載企業を推奨している印象を与えるから
3 行政の定期広報紙への広報掲載が民業圧迫になるから 4 住民に対する納得が得られるかどうかわからないから 5 収入以上に経費がかかりそうだから
6 広報掲載の需要が見込めないから 7 その他
問 10-(1)
広告掲載の前後での記事スペースの変化 1 変わらない
2 増えた 3 減った 問 10-(2)
広告を掲載する際のレイアウトの工夫 1 文字サイズを小さくした
2 レイアウトを工夫した(白い部分を減らしたなど)
3 なし 問 10-(3)
広告導入を機に総ページを増やしたか 1 増ページした
2 増ページしない
176 3.2 調査結果の概要
(1)広報紙への広告掲載の状況
本調査から得られた千葉県内市町村における広報紙への広告掲載の実施状況を整理した ものが表 8-2 である。広報紙への広告導入を検討した(または検討している)自治体は 33 団体であり、これは千葉県 56 市町村全体の約 59%に相当する値であり、千葉県内において も広報紙への広告掲載の検討が進んでいることを示している。
表8-2 広報紙への広告掲載の実施状況(千葉県を除く 49 市町村)
また、広報紙に広告を掲載している 12 団体について、その人口規模、発行部数、発行回 数、広告枠の設定数と掲載料、民業圧迫への配慮、広告掲載による記事スペースの変化、
広告枠の確保の方法に対する回答を人口規模順に整理したものが表 8-3 である。また、広 告の導入を断念した 10 団体について、人口規模、発行部数、発行回数、広告掲載を断念し た理由を整理したものが表 8-4 である。なお、人口と世帯数については 2006 年 10 月の数 値である。
実施 している
実施
予定 検討中 検討の結果実
施していない 未検討 未回答
団体数 12 1 10 10 15 1
比率(%) 24.4% 2.0% 20.4% 20.4% 30.6% 2.0%
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表8-3 広報紙に広告を掲載している自治体(人口規模順)
団体名 人口
世帯数
発行 部数
発行 回/月
設定 枠数
広告掲載料
(円/枠)
民業圧迫 への配慮
導入後の 記事 スペース
広告枠の設定 レイアウトの
工夫 増 ページ 千葉市 930,388
380,296 360,000 2 - 476,000
代理店へ販売 ○ 減 × ×
市川市 467,913
210,307 182,000 4 4 50,000:4 色
○ 減 × ×
2 30,000:2 色 市原市 280,267
110,173 105,600 2 1 110,000
(4 分割可) ○ 同 ○ ×
君津市 91,315
35,045 32,700 1 1 60,000
(4 分割可) ○ 減 × ×
南房総市 45,510
16,919 17,400 1 2 20,000(市内)
○ 同 ○ ×
2 30,000(市外) いすみ市 43,375
15,884 17,000 1 6 10,000 ○ 同 × × 栄町 24,430
8,425 9,650 1 - 5,000~
20,000 ○ 同 ○ ○ 九十九里町 19,444
7,035 6,250 1 2 10,000
× 同 ○ ×
4 20,000 白子町 13,262
4,702 4,500 1 1 15,000
○ 同 × ×
1 30,000 大多喜町 11,289
3,885 4,100 1 - 10,000
○ 同 ○ ×
20000 御宿町 8,200
3,300 3,450 1 5 7,500(町内)
9,000(町外) ○ 同 ○ × 神崎町 6,779
2,219 2,300 1 - 5,000~
20,000 ○ 同 ○ ×
表8-4 広報紙への広告導入を断念した自治体(人口規模順)
団体名 人口
世帯数
発行 部数
発行
回/月 広告掲載を断念した理由(自由記述以外)
八千代市 185,736
74,943 67,500 2 収入以上に経費がかかりそうだから 流山市 154,631
59,144 58,100 2 行政の定期広報紙への広告掲載が、民業圧迫になるから 野田市 154,396
57,523 50,000 2 掲載企業を推奨している印象を与えるから
行政の定期広報紙への広告掲載が、民業圧迫になるから 我孫子市 133,224
52,161 51,800 2 収入以上に経費がかかりそうだから 木更津市 124,297
50,363 42,500 1 収入以上に経費がかかりそうだから
行政の定期広報紙への広告掲載が、民業圧迫になるから 鎌ケ谷市 103,441
38,457 40,000 2 行政の定期広報紙への広告掲載が、民業圧迫になるから 茂原市 94,391
36,430 36,900 2 収入以上に経費がかかりそうだから 八街市 77,587
28,377 26,200 1 収入以上に経費がかかりそうだから 印西市 61,848
21,278 21,600 2 収入以上に経費がかかりそうだから 白井市 54,612
19,362 17,600 2
収入以上に経費がかかりそうだから
行政の定期広報紙への広告掲載が、民業圧迫になるから 広告掲載の需要が見込めないから
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