第八章、 テレビドラマ『沙家浜』
第一節、 テレビドラマ『沙家浜』の紹介 408
一、主要製作人員
マニュファクチャーは白路明、周莉、楊昇華、王健康、朱梓源、朱洪である。
スケジュール・プランナーは李依群である。
総合プロデューサーは朱梓源、朱春燕である。
405 中国国家放送映画テレビ総局。
406 (http://www.sarft.gov.cn/)を参照、アクセス日 2012 年 12 月 28 日。
407 「紅色精神」は、愛国主義を以て核心とする民族精神を指す。中国共産党第 17 回全国代表大会は 民族精神を、愛国主義を以て核心とし、統一して団結し、平和を愛し、勤勉で勇敢であり、自ら努力し てたゆまない事等の具体的な精神の表れであると説明し解釈した。
408 テレビドラマの DVD に関する情報と内容は
(http://v.youku.com/v_show/id_XMTQwNjE5MDA0.html)を参照、アクセス日 2012 年 10 月 9 日。
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パブリッシャーは朱洪である。
プロデューサーは潘暁、茅善玉、王娟である。
シナリオライターは高景文である。
プロデューサー・マネージャーは劉勇である。
製作チーフは、郭暁華である。
監督は沈星浩である。
アート・デザイナーは路奇である。
芸術総監督は黄蜀芹である。
作曲家は徐沛東である。
テーマソング・シンガーは宋祖英である。
筆頭主演は陳道明、許晴、任程偉、劉金山である。
共同主演は程前、方子哥、劉仲元、張成好、張志彤、劉波である。
共同撮影製作は中国新四軍曁華中抗日根拠地研究会、瀋陽テレビ局、江蘇省ラジオ・
テレビ局、中国共産党常熟市委員会、常熟市人民政府、北京幻聡映像文化有限会社、
北京朱氏連合マスコミ有限会社である。
二、テレビドラマ『沙家浜』はどの原著から改作されたか
中国国家広播電影電視総局が公布した『関于認真対待「紅色経典」改編電視劇有関 問題的通知』409によれば、「映画とテレビドラマの製作部門が『紅色経典』を改作する 際には、必ず原著の核心精神を尊重し、人民群衆がすでに形成した認知の位置付けと 心理的期待を尊重しなければならない。また『紅色経典』に対して低俗な描写、冒涜、
捏造を行うことは決して許されず、『紅色経典』のテレビドラマの創造、生産の健全 な発展を保障すること」410と要求されたため、テレビドラマ『沙家浜』の脚本家と監 督達は取材を受けた時、完全に原著に忠実に行うと表明した。
こうなると、問題は更に複雑になってきた、人々がすぐに「あなたが絶対的に忠実 とする原著は一体どの原著であるか」と問い詰める。前文で述べたように、テレビド ラマ以前に、『沙家浜』はドキュメンタリー文学、回想録、滬劇、京劇現代劇、模範劇、
交響楽、模範劇フイルム、小説まで、すでにたくさんのバージョンがあった。それで はテレビドラマ版(版本)『沙家浜』は一体どの原著によって改作を行ったのか。趙勇
411はこの問題に対して既に分析し解決したが、以下はそのまま引用し訳する。
テレビドラマ版『沙家浜』は崔左夫のドキュメンタリー文学と劉飛の回想録に関し て一言も触れていないが、これはもっとも最初の原著がまったく脚本家と監督の視野 の内にないことを意味している。テレビドラマのクレジット・タイトルでは一行の字
409 (http://www.sarft.gov.cn/)を参照、アクセス日 2012 年 12 月 28 日。
410 (http://www.sarft.gov.cn/)を参照、アクセス日 2012 年 12 月 28 日。
411 趙勇、「紅色経典劇改編的困境在哪里」、『文化与詩学』、2008 年、第 1 期。
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幕「当劇は上海滬劇院の文牧氏の執筆創作による滬劇『蘆蕩火種』から取材した」412 と打ち出している。しかし様々な形跡から明らかになることは、これはただ一種の製 作上の考慮によるもので、実際にはテレビドラマと滬劇版の原著とは別に関係がない ということである。文牧の後代の人はテレビドラマの製作者と訴訟を起こし、高景文 はうっかり真実をもらした。「訴訟は今のところ社長の問題である。もし私に聞かれ るなら、私は『蘆蕩火種』を見たことがなく、ただ『沙家浜』を見たことがあるだけ だ。彼が私を訴えるのはおかしい。訴えるとすればばまず北京京劇院を訴えるべきだ。
私の知るところでは、物語はたくさんの人で作ったもので、文牧はただ執筆しただけ だ」413と言った。それでは、京劇版『蘆蕩火種』はどうか。やはり同じように関係が ない。一例を挙げれば、テレビドラマの結末では依然として武装闘争の重要性が際立 っているが、これは京劇版『蘆蕩火種』の内容と異なる。それは更に小説版『沙家浜』
の内容とも大きく異なる。小説が辿った運命はテレビドラマの改作版への警告、つま り脚本家と監督に「もしあなたが大胆にもパロディー化すれば、必ず酷い結果を招き、
きわめて大きい損失をこうむる結果となるだろう」と注意を促す役割を果たしている。
これらのことから、テレビドラマの作者、演出者は模範劇『沙家浜』を原著として いることが分かる。
テレビドラマの主題歌『春来沙家浜』に「塁起七星竈、……」の歌詞とメロディー を援用し、エンディング曲『18 顆青松』は模範劇『要学那泰山頂上一青松』の完全な 転用である。主人公の顔立ち、体つきと服装も模範劇の中演技者ときわめて似せるよ う努めている。例えば郭建光を演じる任程偉は譚元寿のように大柄で勇ましく、胡伝 魁を演じる劉金山は周和桐のようにそそっかしく、体格はがっちりして逞しい。陳道 明は更に 1 枚の模範劇のレーザーディスクを現場に持ってきた。それは刁徳一を演じ る馬長礼の表情や動作に繰り返し磨きをかけるためだった。『智闘』の一幕の中で、
許晴は模範劇の中で阿慶嫂を演じる洪雪飛と同じように、青いプリント模様の上着を 着ている。人々の歴史の記憶を呼び起こすために、テレビドラマの第 22 回と第 27 回 は模範劇の中の第四幕の『智闘』と第七幕『斥敵』の細部とせりふをそのまま用いて いる。更にもとの歌の歌詞をテレビドラマのせりふに替えたり、或いはナレーション の形式で京劇の歌の一段を直接にテレビドラマの中に移し、それに事柄を叙述する機 能を与えたりしている。例えば、胡伝魁が刁徳一に阿慶嫂は自分の命を助けてくれた 恩人であると紹介する時に、「想当初、老子的隊伍才開張……」という京劇の歌詞が 聞こえてくる。すべては模範劇『沙家浜』を原著としていることを意識的に視聴者に 伝えようとしている。作者、演出者が原著に忠実であるというのは即ち模範劇という
412 原文「本剧取材于上海沪剧院文牧先生执笔创作的沪剧《芦荡火种》」。
413 張守剛、「高景文、『沙家浜』没”戯説”」、
(http://cul.history.sina.com.cn/o/2006-05-28/021015.orl.cn/)、アクセス日 2012 年 6 月 19 日。原文「官司目前是老板的事。你要问我的话,我没 看过《芦荡火种》,只看过《沙家浜》,他告我有什么道理?要告的话先告北京京剧院。据我所知,故事是 很多人凑在一起搞的,文牧只是执笔」
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原著に忠実だということである。
このテレビドラマの内容においては基本的に模範劇『沙家浜』と同様で、歴史的背 景、人物のイメージ、プロットの構成まで、ほぼ模範劇『沙家浜』の拡大と発展だと いうことである。人物の形象を例にとると、許晴が演じる阿慶嫂は少し艶やかで若く 見える以外、刁徳一、胡伝魁、郭建光などの人物のイメージはほぼ模範劇と大体似通 っている。プロットの上で、『智闘』などの段落は、せりふさえ観衆がとっくに聞き慣 れていて詳しく説明できる歌詞をそのまま用いた。内容の上の具体的な相違はテレビ ドラマ『沙家浜』と模範劇『沙家浜』を比較する節の中で詳しく述べる。