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78 ガイドライン婦人科外来編

伴い,治療を要する症例に対しては,まず周期的プロゲスチン投与を行う11)~13).エストロゲン単独投与 によって発症した内膜増殖症の 97% が,エストロゲン投与の中止とプロゲスチンの投与で正常になっ たと報告されている11).周期的プロゲスチン投与療法では,プロゲスチン(MPA10~20mg/日)を 14 日間投与,14 日休薬を 1 周期として 3~6 か月行うのが一般的である12)13).治療中も適宜,細胞 診あるいは組織診を行い,経過観察することが必要である.

 3.レボノルゲストレル放出子宮内システムには子宮内膜増殖抑制作用があり,子宮内膜増殖症に対 しても治療効果があることが報告されている14).本邦では 2014 年 9 月,過多月経に対して保険適用 となった.過多月経を伴う子宮内膜増殖症に対しては使用する.レボノルゲストレル放出子宮内システ ム挿入後も不正性器出血を繰り返す場合は,定期的に子宮内膜細胞診や子宮内膜組織診を行い,子宮内 膜異型増殖症や子宮内膜がんがないことを確認する.

 4.性成熟期の女性では,多囊胞卵巣症候群などを伴い無排卵周期症となっている場合も多く,エス トロゲン・プロゲスチン配合薬投与による治療も有効である12)13)

 5.2,3,4 の治療後に,挙児希望がある場合には,排卵誘発を含む不妊治療を行うことも子宮内膜 増殖症の治療と予防の面で効果的である12)13)

 6.閉経後で,出血などの症状と病変が持続する症例では,悪性病変の存在の可能性もあり,子宮全 摘術を考慮する12)

文 献

1)‌日本産科婦人科学会,日本病理学会,日本医学放射線学会編:子宮体癌取扱い規約,改訂第 3 版,東 京:金原出版,2012(規約)

2)‌American‌College‌of‌Obstetricians‌and‌Gynecologists:‌ACOG‌Committee‌Opinion‌No.426:‌

The‌role‌of‌transvaginal‌ultrasonography‌in‌the‌evaluation‌of‌postmenopausal‌bleeding.‌

Obstet‌Gynecol‌2009;‌113:‌462―464‌PMID:‌19155921‌(Guideline)

3)‌Minagawa‌Y,‌Sato‌S,‌Ito‌M,‌Onohara‌Y,‌Nakamoto‌S,‌Kigawa‌J:‌Transvaginal‌ultrasonogra-phy‌ and‌ endometrial‌ cytology‌ as‌ a‌ diagnostic‌ schema‌ for‌ endometrial‌ cancer.‌ Gynecol‌

Obstet‌Invest‌2005;‌59:‌149―154‌PMID:‌15637434‌(III)

4)‌Karlsson‌B,‌et‌al.:‌Transvaginal‌ultrasonography‌of‌the‌endometrium‌in‌women‌with‌post-menopausal‌ bleeding―a‌ Nordic‌ multicenter‌ study.‌ Am‌ J‌ Obstet‌ Gynecol‌ 1995;‌172:‌

1488―1494‌PMID:‌7755059‌(II)

5)‌Tsuda‌H,‌et‌al.:‌Differences‌between‌Occidental‌and‌Oriental‌postmenopausal‌women‌in‌

cutoff‌level‌of‌endometrial‌thickness‌for‌endometrial‌cancer‌screening‌by‌vaginal‌scan.‌Am‌

J‌Obstet‌Gynecol‌1995;‌172:‌1494―1495‌PMID:‌7755060‌(III)

6)‌Trimble‌CL,‌et‌al.:‌Concurrent‌endometrial‌carcinoma‌in‌women‌with‌a‌biopsy‌diagnosis‌of‌

atypical‌ endometrial‌ hyperplasia:‌a‌ Gynecologic‌ Oncology‌ Group‌ study.‌ Cancer‌ 2006;‌

106:‌812―819‌PMID:‌16400639‌(II)

7)‌Zaino‌ RJ,‌ et‌ al.:‌Reproducibility‌ of‌ the‌ diagnosis‌ of‌ atypical‌ endometrial‌ hyperplasia:‌a‌

Gynecologic‌ Oncology‌ Group‌ study.‌ Cancer‌ 2006;‌106:‌804―811‌ PMID:‌16400640‌

(II)

8)‌日 本 婦 人 科 腫 瘍 学 会 編: 子 宮 体 が ん 治 療 ガ イ ド ラ イ ン 2013 年 版. 東 京: 金 原 出 版,2013‌

(Guideline)

9)‌Kurman‌ RJ,‌ Kaminski‌ PF,‌ Norris‌ HJ:‌The‌ behavior‌ of‌ endometrial‌ hyperplasia.‌ A‌ long-termstudy‌ of‌“untreated”‌ hyperplasia‌ in‌ 170‌ patients.‌ Cancer‌ 1985;‌56:‌403―412‌

PMID:‌4005805‌(III)

10)‌Terakawa‌N,‌et‌al.:‌The‌behavior‌of‌endometrial‌hyperplasia:‌a‌prospective‌study.‌Endome-trial‌ Hyperplasia‌ Study‌ Group.‌ J‌ Obstet‌ Gynaecol‌ Res‌ 1997;‌23:‌223―230‌ PMID:‌

9255033‌(III)

11)‌The‌Writing‌Group‌for‌the‌PEPI‌Trial:‌Effects‌of‌hormone‌replacement‌therapy‌on‌endome- trial‌histology‌in‌postmenopausal‌women.‌The‌Postmenopausal‌Estrogen‌Progestin‌Inter-ventions‌(PEPI)‌Trial.‌JAMA‌1996;‌275:‌370―375‌PMID:‌8569016‌(II)

12)‌Marsden‌DE,‌Hacker‌NF:‌Optimal‌management‌of‌endometrial‌hyperplasia.‌Best‌Pract‌Res‌

Clin‌Obstet‌Gynaecol‌2001;‌15:‌393―405‌PMID:‌11476561‌(III)

13)‌Walker‌ JL,‌ Zuna‌ RE:‌Endometrial‌ hyperplasia,‌ estrogen‌ therapy,‌ and‌ the‌ prevention‌ of‌

endometrial‌ cancer.‌ In‌ Disaia‌ PJ,‌ Creasman‌ WT‌(eds),‌ Clinical‌ Gynecologic‌ Oncology,‌

(seventh‌edition),‌Philadelphia:‌PA,‌Mosby‌Elsevier,‌2007;‌125―146‌(II)

14)‌Varma‌R,‌et‌al.:‌The‌effectiveness‌of‌a‌levonorgestrel-releasing‌intrauterine‌system‌(LNG-IUS)‌in‌ the‌ treatment‌ of‌ endometrial‌ hyperplasia―a‌ long-term‌ follow-up‌ study.‌ Eur‌ J‌

Obstet‌Gynecol‌Reprod‌Biol‌2008;‌169―175‌PMID:‌18440693‌(III)

80 ガイドライン婦人科外来編

Answer

1.一次検査として,経腟超音波断層法を行う. (A)

2.診断にはソノヒステログラフィーや子宮鏡を用いる. (B)

3.悪性の否定のため内膜検査を行う. (C)

4.‌‌以下の場合には,確定診断と治療のために,子宮鏡下手術,あるいは子宮内膜全面 掻爬を行う. (B)

1)症状があるもの

2)不妊症で,内膜ポリープが不妊の一要因と考えられるもの 3)無症状であっても悪性の可能性があるもの

5.4 以外は経過観察をする. (B)

Key words

:子宮内膜ポリープ,経腟超音波断層法,子宮内膜細胞診,子宮内膜組織診,子宮鏡

▷解 説

 1.子宮内膜ポリープは,子宮内膜表面から突出した結節で,内膜腺と間質からなり,40~50 歳代 に多い.大きさはさまざまであり,主に後壁に発生する.症状として不正出血を伴い,そのために貧血 となる場合もある.一般に,経腟超音波検査で子宮内膜ポリープの存在を疑う.

 2.不正出血のある女性の子宮内腔病変(子宮内膜ポリープを含む)の診断には,子宮腔内に生食を 注入し経腟超音波検査を行うソノヒステログラフィーが優れており,子宮内膜ポリープを対象としたメ タアナリシスでは,感度,特異度はそれぞれ 82%,96% であった1).また,不正出血のある女性に対 するソノヒステログラフィーおよび経腟超音波検査の比較検討では,ソノヒステログラフィーの感度,

特異度,陽性的中率,陰性的中率はそれぞれ,81%,73%,83%,70% であり,経腟超音波検査に 比較して有意に感度,陰性的中率が優れていた2).子宮鏡検査については CQ213 参照.

 3.内膜ポリープが疑われた場合,悪性を否定するために,内膜検査を行うことも重要である.子宮 内膜細胞診検査については CQ210 参照.内膜組織診には,内膜掻爬(キューレットや胎盤鉗子),内 膜組織診専用のさまざまなディスポ製品を利用できる.特に,病変が小さい場合は,子宮内膜全面掻爬 でも体がんを見逃す可能性があることにも注意する.

 4.内膜ポリープの摘出は,ポリープの取り残しや,それによる再発,症状の再燃を防ぐために,子 宮鏡下に行うことが勧められる3)

 不妊患者に対する子宮鏡下の内膜ポリープ摘出術は妊娠率を高めるとする報告が多い.215 人の不妊 症患者を対象に,子宮鏡下内膜ポリープ摘出施行群と非施行群に無作為に分けて術後妊娠率を検討する と,施行群は非施行群に比較して有意に妊娠率が高かった(オッズ比 2.1)4).また内膜ポリープ以外に 他の不妊因子がない症例では,ポリープのサイズや個数にかかわらず子宮鏡下内膜ポリープ摘出を施行 することで妊娠率が高まること5),卵管角にできた内膜ポリープの子宮鏡下摘出は,他の場所にできた ポリープの摘出に比較して有意に妊娠率が高まることが報告されている6).内膜ポリープと診断される ものの多くは良性である.内膜ポリープと診断された 509 人(うち約 6 割が閉経後)を対象に,子宮 鏡下摘出病変を病理学的に診断した検討では,約 7 割が良性であり,がん病変は 0.8% であった.高年

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