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これは婦人科・雑誌用のガイドラインの雛形です【版面】W:149.46mm(1段組み) H:208.14mm 【本文】41 行 13Q 20.48H

【図】●図番号:12Q じゅん 34 ●図タイトル・説明:12Q 17H じゅん 34 ●タイトル・説明:1 行の場合はセンター 折り返し字下げなし ●図説 の幅 片・全段ともに図幅 

【表】●表番号:12Q じゅん 34 ●表タイトル・説明:12Q 17H じゅん 34 ●タイトル・説明の折り返し字下げなし ●表説の幅 表幅より左右 1 字 下げ ●表番号のない表で見出しらしきものがあるときはタイトル扱いとする(12Q じゅん 34) ●表中:11Q 12H または 16H じゅん 101 ●脚注:11Q  じゅん 101 16H 

【統一事項】●図表とタイトルのアキ 2.5 mm ●ローマ数字は二バイトⅠ・Ⅱなどを使用 ●イタリックは従属書体の斜体 10 度

(表 1) 原発無月経の原因

原因臓器 原発無月経

視床下部

Kallmann 症候群AD

Laurence-Moon-Biedle 症候群 Prader-Villi 症候群

Fröhlich 症候群

視床下部腫瘍(頭蓋咽頭腫)

下垂体 ゴナドトロピン欠損症

下垂体腺腫(高プロラクチン血症あるいは腫瘍の圧排による下垂体機能低下)

卵巣

Turner 症候群 卵巣形成異常

精巣女性化症候群(アンドロゲン不応症)X 連鎖 Leidig 細胞欠損症(LH 受容体欠損症)AR 半陰陽

副腎性器症候群(副腎由来性ステロイド過剰分泌と卵巣機能低下)AR

子宮・腟

処女膜閉鎖,腟中隔,頸管閉鎖

Mayer-Rokitansky-Küster-Hauser 症候群 子宮欠損

遺伝形式を示す(AD:常染色体優性遺伝,AR:常染色体劣性遺伝,X 連鎖:X 染色体連 鎖遺伝)

連鎖劣性遺伝疾患であり,Leydig 細胞欠損症や副腎ステロイド産生系酵素異常症は常染色体劣性疾患 である.

 2.身体所見(身長・体重・乳房や恥毛発達を基準にした二次性徴の有無・外性器形態・内性器形態)

の把握を視診,触診,超音波断層法を用いて行う.年齢的に羞恥心が強いことがあり配慮が必要である.

特に性器所見を得る診察はその必要性を丁寧に説明する.ターナー症候群では低身長が合併しやすい.

卵巣機能不全がある患者では二次性徴遅延が伴うが,ミュラー管分化異常や月経血流出路閉鎖では二次 性徴がみられる.外性器に男性化(陰核や陰唇肥大)があれば高アンドロゲン血症が推測され副腎ステ ロイド産生系酵素異常症や真性半陰陽を疑う.

 3.LH・FSH・PRL・E2・P・T 測定が鑑別診断に有用である3).二次性徴がなく卵巣機能異常が疑 える場合は GnRH(LH-RH)負荷試験をすることで,視床下部―下垂体―卵巣系における障害部位を 特定する.卵巣ホルモン低値で,ゴナドトロピンが高値の場合は卵巣性が診断でき,ゴナドトロピンが 正常または低値の場合は下垂体性または視床下部性が診断できる.PRL 測定は一般的ではあるが,本症 患者での高 PRL 血症の頻度は高くはない4).外性器に男性化がみられ高アンドロゲン状態にあるケース では,ACTH,DHES(デヒドロエピアンドロステロン)や DHEA-S(デヒドロエピアンドロステロン サルフェート),アンドロステンジオン,尿中 17-KS(ケトステロイド)などの測定により副腎ステロ イド産生系酵素異常症(先天性副腎過形成症を含む)の鑑別をする.

 4.子宮発生の有無や月経血流出路閉鎖の診断には経直腸超音波断層法が有用であるが,詳細を知る 目的あるいは閉鎖部位を特定して手術計画を立てるには MRI 検査を行う.また MRKH 症候群(Mayer-Rokitansky-Küster-Hauser 症候群)に合併しやすい腎・尿管の評価にも役立つ5)6)

 5.高ゴナドトロピン血症を伴う本症で染色体異常の頻度は 15% ほどである7).したがって症状・所 見から染色体検査を含めた遺伝学的検査が推奨される.これらの遺伝学的検査は,実施するにあたり適 切な遺伝カウンセリングを行うことで,その必要性と異常結果判明時の対応について説明するとともに 同意を得る必要がある.遺伝カウンセリングを一般外来診療で行うことが困難な場合は,臨床遺伝専門 医(http://www.jbmg.jp/)などによる専門的遺伝カウンセリングにゆだねることが望ましい.遺伝学 的原因が明らかとなるような正しい診断をつけることは重要であるが,専門医による遺伝カウンセリン グや遺伝学的検査を受けるかどうかは患者の自発性を尊重すべきである.遺伝学的検査には,G 分染法 による染色体検査に加えて FISH 法(Fluorescence in situ hybridization)や SKY 法(spectral karyotyping)による染色体異常の同定検査,あるいはマイクロアレイによる染色体検査があり,ター ナー症候群,XY 女性,真性半陰陽等の診断につなげる.XY 女性が判明した場合,SRY 遺伝子検査も 可能である.

 上記の初期検査によって判明した原因疾患のうち,ターナー症候群,XY 女性,MRKH 症候群につい ては各 CQ に詳述した.

文 献

1) 高 林 俊 文, 他: 原 発 性 無 月 経 と 染 色 体 異 常. 産 と 婦 1987; 54: 2007―2011 医 中 誌:

1988138712(III)

2) 三宅 侃,森重健一郎,谷澤 修:産婦人科 Clinical Date 婦人科 原発無月経の原因.産と婦  1993; 60: 152―153 医中誌:1994046280(III)

3) Valerie LB, Wendy JS, Howare DM: Amenorrhea Novak’s Gynecology, 15th edition, In Berek JS (ed),Philadelphia, Baltimore, New York, London, Buenos Aires, Hong Kong, Syd-ney, Tokyo: Lippincott Williams & Wilkins, 2012; 1035―1065 (III)

136 ガイドライン婦人科外来編

4) Lee DY, Oh YK, Yoon BK, Choi D: Prevalence of hyperprolactinemia in adolescents and young women with menstruation-related problems. Am J Obstet Gynecol 2012; 206:

213.e1―e5 PMID: 22244474 (II)

5) Reinhold C, et al.: Primary amenorrhea: evaluation with MR imaging. Radiology 1997; 203:

383―390 PMID: 9114092 (III)

6) Pompili G, et al.: Magnetic resonance imaging in the preoperative assessment of Mayer-Rokitansky-Kuster-Hauser syndrome. Radiol Med 2009; 114: 811―826 PMID:

19484353 (III)

7) Rebar RW, Connolly HV: Clinical features of young women with hypergonadotropic amenor-rhea. Fertil Steril 1990; 53: 804―810 PMID: 2110072 (III)

Answer

1.妊娠の可能性を考慮しながら,詳細な問診を行う. (A)

2.‌‌超音波検査で子宮内膜の厚み,卵胞発育などを観察し,多囊胞卵巣,卵巣腫大,子 宮留血症などの有無を確認する. (B)

3.FSH,LH,E

2

,プロラクチン,TSH を測定する. (B)

Key words

:‌‌視床下部性無月経,下垂体性無月経,卵巣性無月経,子宮性無月経,多囊胞性卵巣症候群‌

(PCOS)

▷解 説

 続発無月経(secondary‌ amenorrhea)は妊娠,産褥,授乳もしくは閉経以後のような生理的無月 経以外で,これまであった月経が 3 か月以上停止した病的無月経をいう1).3 か月以上に及ぶ続発性の 無月経を訴える患者は妊娠など生理的無月経の可能性があるのでまずこれらを鑑別する.その後,続発 無月経の原因臓器の診断を行う.排卵障害を伴う続発無月経は,希発月経,無排卵周期症と区別しがた い病態である(CQ303 無排卵性の月経周期異常はどう管理するか?参照).

 1.無月経の重症度と密接に関係する無月経の期間について問診し,妊娠兆候の有無や基礎体温につ いても確認する.エストロゲンの分泌状態を推定するため,hot‌ flush など低エストロゲン状態に伴う 症状の有無を問診する.さらに,妊娠分娩歴(分娩時の大量出血の有無,子宮内掻爬術の既往の有無),

手術歴(子宮頸部円錐切除術や卵巣手術の既往の有無),既往歴(抗癌剤・免疫抑制剤を用いた治療や放 射線療法の有無)など無月経の原因を推定するために問診を行う.さらに体重の増減,精神的ストレス,

過度の運動,内服薬,乳汁分泌,男性化徴候などについて情報を得る.問診内容は多岐にわたるが問診 表を利用して能率的に行うこともできる.

 2.経腟超音波検査では子宮の大きさ,子宮内膜の厚さと卵胞の発育程度を観察する.PCOS に伴う 多数の小卵胞,ホルモン産生腫瘍に伴う卵巣腫大,頸管閉鎖による子宮留血症などの所見の有無を確認 する.子宮内膜の厚みがある程度みられて卵巣に卵胞が描出されれば,エストロゲン分泌が維持されて いることが多い.Asherman 症候群が疑われる場合は,子宮卵管造影(HSG),子宮鏡,子宮腔内細菌 培養検査を行う.

 3.視床下部・下垂体・卵巣のいずれに異常があるのかを検討するために FSH,LH,E2,プロラク チン(PRL),TSH の血中濃度を測定する.無月経の患者にホルモンを投与し消退出血を起こさせた直 後では negative‌feedback の影響でゴナドトロピンが抑制されているので 3 週間以上の休薬期間をお く.

 FSH,LH,E2の測定値から,ゴナドトロピンレベルとエストロゲンレベルとの関係が明らかになる.

高ゴナドトロピン・低エストロゲンであれば無月経の原因は卵巣機能の低下である.その原因を列挙す ると,閉経,化学療法,放射線治療,卵巣手術,感染,ガラクトース血症,FSH 受容体異常,遺伝子異 常,自己免疫疾患などである(POF(CQ312)参照).

 エストロゲン状態が正常で LH が FSH に比較して高い場合には PCOS(CQ321 参照)や卵巣顆粒 膜細胞腫2)の可能性がある.また,テストステロン測定が PCOS ならびにアンドロゲン産生卵巣腫瘍の

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