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期的な消退出血を起こした後,経過観察を行う.ホルモン療法として,慢性の無排卵周期症では,周期 的なプロゲスチンの投与(Holmstrom 療法)を行う5).慢性の無排卵周期症5)あるいは頻回の子宮出血 で煩わしさを訴える場合3)や偶発的な妊娠を避けたいとの希望がある場合8)は経口避妊薬などのエスト ロゲン・プロゲスチン配合薬の投与を考慮する.第 1 度無月経(WHO の性機能障害の分類 Group2)

では周期的なプロゲスチンの投与(Holmstrom 療法)を,第 2 度無月経(WHO の性機能障害の分類 Group1,3)では周期的なエストロゲンとプロゲスチンの併用投与(Kaufmann 療法)を行う2)~4)(表 1).積極的には排卵誘発を行わないが,第 1 度無月経や希発月経(WHO Group2)では,必要に応じ て,クロミフェン投与を一定期間(2~3 周期)行うことも選択できる2)9).長期にわたるプロゲステロ ン分泌を伴わないエストロゲンの子宮内膜への作用は,子宮内膜増殖症や子宮内膜癌の発生リスクを高 めることから,このような症例では子宮内膜の評価が必要である4)

 過度のダイエットやアスリートにみられる運動負荷のための月経周期異常では,適正な食事や運動の メニューを指導する.運動で消費されるエネルギーとバランスをとったカロリー摂取により月経周期異 常の改善が期待できる10)11).低エストロゲン状態が長期に続いた場合,若年女性といえども骨量減少が 懸念される.エストロゲンレベルが低い場合に,エストロゲン補充を行うと,更なる骨量減少を抑制す ることが指摘されている10)11).アスリートの月経周期異常に関しては,CQ309 を参照されたい.

 3.挙児希望のある成熟婦人では排卵誘発を行う2)~4).無排卵周期症や第 1 度無月経(WHO Group2)

ではクロミフェン療法が第 1 選択である2)~5).第 1 度無月経のうちクロミフェン無効例や第 2 度無月経

(WHO Group1)ではゴナドトロピン療法を行う2)9).クロミフェンやゴナドトロピン製剤の使用にあ たっては,あらかじめ患者に,多胎妊娠や卵巣過剰刺激(症候群)が起こることがあることをよく説明 しておく.なお,排卵誘発に関しては,本書 CQ319 を参照されたい.

文 献

1) 産科婦人科用語集・用語解説集,東京:日本産科婦人科学会,2014

2) 内分泌疾患 1)月経異常,産婦人科研修の必修知識 2013,東京:日本産科婦人科学会,2013;

420―430

3) 研修ノート No. 79 女性健康外来―ライフサイクルと診療―,東京:日本産婦人科医会,2007(III)

4) 研修ノート No. 88 ホルモン療法のすべて,東京:日本産婦人科医会,2011(III)

5) ACOG Committee on Practice Bulletines-Gynecology. American College of Obstetricians and Gynecologists: ACOG practice bulletin: Management of anovulatory bleeding. Int J Gynaecol Obstet 2001; 72: 263―271 PMID: 11296797 (Guideline)

6) Mansfield MJ, Emans SJ: Adolescent menstrual irregularity. J Repro Med 1984; 29:

下げ ●表番号のない表で見出しらしきものがあるときはタイトル扱いとする(12Q じゅん 34) ●表中:11Q 12H または 16H じゅん 101 ●脚注:11Q  じゅん 101 16H 

【統一事項】●図表とタイトルのアキ 2.5 mm ●ローマ数字は二バイトⅠ・Ⅱなどを使用 ●イタリックは従属書体の斜体 10 度

(表 1) WHO による排卵障害の分類

Group 1 Group 2 Group 3

障害のメカニズム 視床下部・下垂体機能不全 視床下部・下垂体機能低下 卵巣機能不全 LH,FSH レベル ↓↓↓ 正常(PCOS では LH>FSH) ↑↑

E2レベル ↓↓ 正常 ↓↓

頻度 高い 最も高い まれ

P テスト

EP テスト

研修ノート No. 88 ホルモン療法のすべて 日本産婦人科医会編(2013)

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399―410 PMID: 6379175 (III)

7) Burger HG, Robertson DM, Baksheev L, Collins A, Csemiczky G, Landgren BM: The rela-tionship between the endocrine characteristics and the regularity of menstrual cycles in the approach to menopause. Menopause 2005; 12: 267―274 PMID: 15879915 (II) 8) Chuong CJ, Brenner PF: Management of abnormal uterine bleeding. Am J Obstet Gynecol

1996; 175: 787―792 PMID: 8828563 (III)

9) 三宅麻喜,星 和彦:無排卵症(無排卵性月経).日本臨牀(別冊)内分泌症候群(第 2 版)II,東京:

日本臨牀社,2006; 352―355(III)

10) Stafford DE: Altered hypothalamic-pituitary-ovarian axis function in young female athletes:

implications and recommendations for management. Treat Endocrinol 2005; 4: 147―

154 PMID: 15898820 (III)

11) Warren MP, Periroth NE: The effects of intense exercise on the female reproductive sys-tems. J Endocrinol 2001; 170: 3―11 PMID: 11431132 (III)

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Answer

1.‌‌鎮痛薬(NSAIDs など),低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬,またはレボ ノルゲストレル放出子宮内システムを使用する. (B)

2.漢方薬あるいは鎮痙薬を投与する. (C)

Key words

:‌‌機能性月経困難症,NSAIDs,低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬,レボノルゲス トレル放出子宮内システム

▷解 説

 月経困難症は月経期間中に月経に随伴して起こる病的症状をいう1).下腹痛,腰痛,腹部膨満感,嘔 気,頭痛,疲労・脱力感,食欲不振,いらいら,下痢および憂うつの順に多くみられる.無排卵性月経 には通常みられない.器質的な疾患のない機能性月経困難症は,初経後 2~3 年より始まる.月経の初 日および 2 日目ころの出血が多いときに強く,痛みの性質は痙攣性,周期性で,原因は頸管狭小やプロ スタグランジン(PG)などの内因性生理活性物質による子宮の過収縮である.機能性月経困難症の診 断は,詳細な問診を行うとともに月経困難症と関連する器質性疾患を除外する.内診,超音波検査,末 梢血,CRP 検査,細菌培養,クラミジア抗原検査,画像診断などで異常がなければ,機能性月経困難症 と診断する.本疾患と診断されたら器質性疾患のないことを患者によく説明する.思春期の患者などで 標準的な婦人科的診察を主体とした診断法が適切ではない場合には,経直腸的診察あるいは経直腸超音 波検査で代用する.若年者の場合は,患者の不安を取り除くために,一般に月経困難症は,年齢ととも に,また妊娠出産によって症状は軽快することなどを説明する(CQ401,402).

 1.月経困難症の発生には分泌期内膜で産生される PG の関与が大きいので,PG の合成阻害薬であ る非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs:アスピリン,ジクロフェナクナトリウム,メフェナム酸,イブプ ロフェン,ナプロキセンなど)が有効である2).低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬も有効であ り3),保険適用薬としてドロスピレノン・エチニルエストラジオール錠(ヤーズ)あるいはノルエチス テロン・エチニルエストラジオール錠(ルナベル配合錠 LD およびルナベル配合錠 ULD など)が用 いられている.レボノルゲストレル放出子宮内システム(LNG-IUS)は,欧米では 1990 年代はじめ から子宮内膜症や子宮腺筋症に伴う月経困難症や機能性月経困難症を軽減させる目的で用いられてきて おり4)5),英国のガイドラインでも,子宮内膜症に伴う痛みだけでなく,子宮内膜症によらない周期性疼 痛にも本システムの使用が考慮されるべきだと述べられている6).1 回の挿入で約 5 年間の効果が期待 される5).わが国では 2014 年 11 月に月経困難症に対して保険適用となった.

 2.以上の処方のほかに,漢方薬により月経困難症を効果的に治療できる可能性がある.当帰芍薬散,

加味逍遥散,桂枝茯苓丸,桃核承気湯,当帰建中湯などから,漢方医学的診断に基づいて処方する7). 漢方薬治療に即効性はないが 4 ないし 12 週間の投与で症状の改善を期待できる.なお芍薬甘草湯は月 経痛が激しい場合に頓服で用いることができる.また,子宮発育不全に伴う月経痛と考えられる場合に は月経困難症に保険適用がある鎮痙薬(ブチルスコポラミン臭化物:ブスコパン)を用いることができ る.保存的治療の無効例には心理・社会的背景が関与している可能性があるので,カウンセリングや心 理療法を考慮してもよい.思春期で低年齢の場合には,月経をネガティブにとらえやすい.不安や緊張

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