第1章 インドネシアのあらまし
1.4 文化・社会制度
1.4.5 運輸交通
○ WHO Global tuberculosis report 2016
○ WHO Website (http://www.who.int)
1.4.5 運輸交通
1.4 文化・社会制度 31
同統計の2010年の資料と比較すると、国道の延長が38,570kmから47,01 7kmに、州道が、53,291kmから55,416kmに、県・市道が363,00kmから 421,541kmに増加している。道路状況については、良好あるいは中程度の状況 が、国道、州道、県・市道でそれぞれ、91.05%、74.93%、61.42%であり、2 010年とほぼ横ばいの結果となっている。2009年には道路交通法が改正され、
道路の保全のための基金を創設することが定められているが、特に県・市道に関し ては、依然として、維持管理の改善が課題となっている。
なお、高速道路(有料道路)は国道の総延長に含まれており、2016年時点で約 989kmの高速道路のほとんどがジャワ島内、他、一部メダン・マカッサルにおいて 供用されている。ジョコウィ政権下では、スマトラ島を縦貫する高速道路が計画され ており、2017年現在、一部建設が実施されているところである。
道路総延長が急激に延びない一方で、自動車・二輪車の登録台数は増加してい る。2015年時点でのインドネシア国の登録車両は、約1.2億台である。1.4.5-
表2に2011~2015年の自動車登録台数の推移を示す。
近年の順調な経済成長を反映し、自動車登録台数は大きな伸びを示しており、道 路ネットワークへの負荷が高まっている。バイクの伸び率が高く、構成比のシェアが 増加している一方で(2015年:81%)、相対的にバスの利用割合が減少しており、
バスから個人所有のバイク・乗用車への転換が進んでいる。
1.4.5-表1 国道、州道、県・市道の総延長、舗装及び道路状態(2015年)
(単位:km、%)
項 目 国道 州道 県・市道
延長 構成比 延長 構成比 延長 構成比 総 延 長 47,017 100.0 55,416 100.0 421,541 100.0
舗装 状況
アスファルト 42,784 91.00 43,844 79.12 214,757 50.95 砂利 4,233 9.00 5,122 9.24 95,318 22.61 土 0 0.00 3,582 6.46 85,948 20.39 その他 0 0.00 2,868 5.18 25,518 6.05
道路 状態
良好 27,652 58.81 27,964 50.46 165,521 39.27 中程度 15,156 32.24 13,563 24.47 93,374 22.15 破損 2,600 5.53 8,335 15.04 92,715 21.99 ひどく破損 1,609 3.42 5,554 10.02 69,931 16.59 注: 有料道路は国道に含まれる。
出所: Statistik Transportasi2015 より作成
7)
道路交通インフラ整備政策
2019年を目標とした新たな中期開発計画(RPJMN2015-2019)において、
運輸インフラの整備は重要な課題の一つとして引き続き認識されており、経済成長 を支えるとともに、村落部と都市を結ぶリンケージの役割を担い、もって国内の開発 格差の是正が達成されることが期待されている。
ジャカルタ首都圏の道路ネットワーク開発については、集中する道路混雑を緩和 すべく、ジャカルタ特別州内有料高架道路(6路線)、同一般高架道路(4路線)の整 備が進められている。
なお、有料道路事業に関連しては、2004年に成立した新道路法により、国営高 速道路会社(Jasa Marga)による有料道路事業の独占が終わり、民間業者も参加が 可能になった。これにより従来Jasa Margaが有していた規制者と事業者の2重の役 割は分離され、コンセッションの許認可権等は新組織である有料道路庁(BPJT)に 移管された。現在、インドネシア政府はPPPによる有料道路整備を推進しているが、
PPPを想定したF/Sが整っておらず、民間事業者にとってリスクが不明確である 一方、入札段階で民間事業者の資金調達能力や事業実施能力を十分に確認する ことが出来ないため、政府側と民間側の双方で契約不履行が生じる事態が発生し ている。
8)
課題
ジャカルタ等の主要都市圏における道路交通の渋滞は深刻化の一途を辿ってお り、バスやMRT(Mass Rapid Transit)をはじめとする都市鉄道といった公共交通シ ステムの整備・拡充が喫緊の課題である。また、フライオーバーやアンダーパスの 整備によるボトルネック渋滞の緩和、さらには交差点の小規模改良による道路キャ パシティの拡充も必要である。
1.4.5-表2 車種別の自動車登録台数
(単位:千台、%)
登 録 台 数 年平均
伸率
構成比
(2015年)
2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
乗用車 9,549 10,432 11,485 12,599 13,481 9.00 11.11 バス 2,254 2,274 2,286 2,399 2,421 1.80 1.99 トラック 4,959 5,286 5,615 6,235 6,611 7.45 5.45 自動二輪 68,839 76,381 84,733 92,976 98,881 9.48 81.45 合計 85,601 94,373 104,119 114,209 121,394 9.13 100.0 出所: Statistik Perhubungan 2015 より作成
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インドネシアの道路全般に見られる経年劣化に対しては、維持管理業務の最適 化・合理化に向けたアセットマネジメントの導入が喫緊の課題であり、同マネジメント を積極的に推進するための予算の増額が不可欠である。
PPPによる有料道路整備については、停滞する既存事業の課題を整理するとと もに、民間事業者が適切に投融資判断を出来るようなPPPプロジェクトの準備・形 成が必要である。
なお、MRTについては有償資金協力「ジャカルタ都市高速鉄道事業(I)」
(2009年3月31日承諾)を通じてルバックブルス-ドゥクアタス駅間の 建設等を支援し、また、2014年7月からは技術協力「JABODETAB EK都市交通政策統合プロジェクト フェーズII」を通じてジャカルタ首都圏 都市交通マスタープランの更新・実施促進、公共交通志向型プロジェクトの実 施・関係組織の能力強化等を実施中である。道路キャパシティ拡充の他、右協 力を通じ公共交通手段の利用促進を図っていくことが必要である。
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