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第5章 産業の動向

5.8 製鉄・鉄鋼産業

5.8.1 概 要

インドネシアにおける最近の鉄鋼産業の指標データを以下に示す。

5.8.1-表1 インドネシアの鉄鋼産業の指標データ(2011~2015年)

(単位:千トン)

項 目 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 粗鋼生産 3,621 2,254 2,644 2,254 2,644 熱間圧延生産 5,448 5,418 5,116 5,418 5,116 全鋼材生産 5,075 5,052 5,081 5,052 5,081 鋼材輸入 6,686 7,932 8,190 7,932 8,190

鋼材輸出 1,182 850 614 850 614

鋼材見掛消費 10,952 12,500 12,692 12,500 12,692 出典:SEAISI(東南アジア鉄鋼協会)統計

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5.8.1-表2 ASEAN 主要各国の鋼材見掛消費の推移データ(2011~2015年)

(単位:千トン)

国 名 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 インドネシア 10,952 12,500 12,692 12,898 11,375 マレーシア 8,238 8,922 10,049 10,079 10,000 フィリピン 5,108 6,008 6,705 7,325 8,760 シンガポール 3,849 3,826 4,276 3,833 4,016 タイ 14,554 16,380 17,604 17,323 16,554 ベトナム 9,698 10,956 11,769 14,441 18,254 出典:SEAISI(東南アジア鉄鋼協会)統計

5.8.1-図1 ASEAN国別全鋼材生産量推移(2001~2015年)

出典:SEAISI(東南アジア鉄鋼協会)統計

0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 16.0

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015

Thousands

インドネシア マレーシア

フィリピン シンガポール

タイ ベトナム

5.8.1-表3 ASEAN国別全鋼材生産量推移(2004~2015年)

(単位:千トン)

国 名 年

2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 インドネシア 5,343 5,280 5,109 4,961 5,316 5,075 5,052 5,081 6,695 6,941

マレーシア 7,636 8,138 6,251 5,690 7,231 7,494 7,385 7,490 7,478 6,931 フィリピン 2,413 2,461 2,456 2,344 2,542 3,102 3,436 3,950 4,683 5,463 シンガポール 604 710 753 689 716 750 705 429 540 501

タイ 10,171 9,227 9,604 8,980 9,991 9,145 9,184 9,476 9,605 9,432

ベトナム 4,743 5,598 5,753 6,901 9,248 9,153 9,213 10,289 12,331 15,022 出典:SEAISI(東南アジア鉄鋼協会)統計

1) 2015年のインドネシアの鋼材消費規模はアセアン諸国の中では、ベトナム、タイ に次ぐ第3位、2011年から2015年までの増加率は+4%とアセアン平均の+32%

を大きく下回っている。(5.14.1-表1)

2) 2015年のインドネシアの鋼材生産の2011年からの増加率は+13%と伸びてい るものの、生産規模はベトナム、タイ、に次ぐ第3位であり、これらの国と比較して輸出 依存度がより高い。(5.14.1-表1及び5.14.1-表3)

3) 2015年の品種別鋼材生産の比率は5.14.1-図2のとおり。棒鋼、線材、鋼 管など建設やインフラ分野向けの品種が多い。板類(厚板、熱延、冷延、鍍金等)

の比率は全体の26%であるが、自動車、2輪、電機向けが主である冷延、熱延, 亜鉛鍍金等の高級材については、引き続き多くを輸入にたよっているのが現状で ある。

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出典:SEAISI(東南アジア鉄鋼協会)統計

4) インドネシアは、銑鉄や粗鋼生産などの上流工程が不足しているのもこれまでの 特徴のひとつである。これまで、鉄鉱石を精錬するいわゆる製鉄工程を保有してい るのはDRI(直接還元鉄)プラントを有する国営クラカタウスチール社だけであり高 炉は存在しておらず、クラカタウのDRI製造設備も天然ガスを使用するHyL法であ るため、天然ガスコストの高騰により稼働率が低下し、スクラップや半製品の輸入に より下工程向け素材不足を補っているのが状況であった。

5) こうした中、2012年Indoferro 社がチレゴンにて銑鉄用ミニ高炉を稼動(能力25 万トン/年)、2014年からは韓国大手高炉メーカーであるポスコ社とクラカタウの 合弁であるクラカタウポスコ社がチレゴンにて大型高炉~転炉~連続鋳造~厚板 工程を含む一貫製鉄所を稼動させ、インドネシアにおいて高炉法による本格的な粗 鋼生産が開始した。また、クラカタウ社は年産120万トン能力のミニ高炉建設を独 自で開始しており、2017年前半での稼動を目標としている。

6) 国営クラカタウスチール社は、1971年設立。1977年に年産58万トンの鉄筋棒 鋼工場として操業を開始。1978年に還元鉄製造製造設備、電気炉、ビレット設備を 稼動させ 一貫製鉄所となった。1983年にスラブ製造工場、熱間圧延工場、1987 年にタンデム冷延工場を新設、その後の増設を経て、現在の公称年間製造能力は、

還元鉄:238万トン、スラブ:270万トン、ビレット:65万トン、熱延コイル:240万ト ン、冷延コイル:80万トン、線材コイル:45万トン、鉄筋棒15万トン、形鋼15万トン、

5.8.1-図2 2015年品種別鋼材生産比率(最終製品ベース)

(単位:千トン)

棒鋼 25%

線材 10%

鋼管 厚板 18%

13%

形鋼 11%

亜鉛鍍金鋼板 2%

熱延薄板 8%

冷延薄板 8%

ぶりき 2%

その他表処 3%

鋼管24万トンのレベルとなっている(一部推定値)。現在インドネシア証券市場に上 場しているが、インドネシア政府が80%の株式を保有。

7) クラカタウ・ポスコ社は第1期事業として、総事業費26.6億米ドル、資本金931 百万米ドル(ポスコ70%、クラカタウ30%)にて2013年末に稼動開始。粗鋼能力 300万トン/年、厚板生産能力150万トン。厚板製品販売に加え、スラブの外販も 実施。将来の第二期事業として300万トンの生産能力アップを表明。

8) このほか、粗鋼生産工程として、スクラップを主原料とする電気炉メーカー工場が、

ジャワ島、スマトラ島、スラウェシ島に50ほど存在する。

9) 熱延以降の下工程については、民間の熱延、冷延、厚板、溶融鍍金(トタン)、鋼 管等の各ミルが多数存在しているが、その原料の多くはまだまだ輸入に頼っている 割合がかなり高いのが現状である。

10) こうした中で自動車市場やインフラ向け鋼材需要の拡大を背景に、わが国の鉄 鋼メーカーによる下工程への投資および現地生産化を加速する動きが見られる。2 013年以降の実施案件は5.8.1-表4のとおり。

5.8.1-表4 2013年以降のわが国鉄鋼メーカーによる主な投資事業案件

メーカー名 事業内容 稼動年 製品(年産能力:万トン)

新日鐵住金 建材製造

(豪ブルースコープ社と合弁)

2013

建材用アルミ亜鉛鍍金(26)

三菱製鋼

特殊鋼鋼材製造

(JATIM TAMAN STEEL社への 資本参加)

2016

特殊鋼棒鋼、ばね平鋼(17)

JFEスチール 自動車用鋼板製造 2016 自動車用溶融亜鉛鍍金(40)

大阪製鐵 建材製造(クラカタウとの合弁) 2017 鉄筋棒鋼、形鋼、平鋼(50)

新日鐵住金 自動車用鋼板製造事業

(クラカタウとの合弁)

2017

自動車用冷延・亜鉛鍍金(48)

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