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第5章 産業の動向

5.19 銀 行

に引継がれた。

6) 不良債権比率は99年3月末をピークとして2000年以降順調に低下し、足許は 危険ラインを大きく下回っており、最近のインドネシア経済の成長とともに、銀行 業績も概ね順調に推移している。尚、銀行数も未だオーバーバンキングの状態 にあるものの、ピーク時の240行から116行(2016年12月末時点)へと半減し た。

7) 銀行業界の資産構成(2016年12月末時点)を見てみると、商業銀行は総資産6,

730兆ルピア、貸出残高4,200兆ルピア、預金残高4,630兆ルピアとなって いる。引き続き貸出残高の進捗は続いており、、預貸率は規制上限の92%に迫 っている。

5.19.2 中央銀行(BI:Bank Indonesia)

金融サービス庁(OJK:Otoritas Jasa Keuangan)

1) 中央銀行は1945年のインドネシア憲法に基づき政府から独立した組織として設立。

金融政策の決定・実行、資金決済システムの円滑化、銀行の監督・指導等を行ってい る。また、中銀証券(SBI)の発行等を利用して通貨供給量調整を主体とした金融調整 を行っている。

2) 1999年新中央銀行法が制定され、金融機関監督業務を中央銀行から独立させ る計画を立てた。

3) 2011年10月に

ようやく、すべての金融機関を監督する「金融サービス庁(O JK)」の設置法が国会で成立。2012年末に銀行以外の金融機関監督が同 庁に移管され、2013年末に銀行監督が中央銀行より移管された。これによ り、2014年からは、金融・マクロ政策を中央銀行が担当し、金融監督・ミクロ 政策を金融サービス庁が担うこととなった。

5.19.3 商業銀行

1) 国営銀行

(1) 従前の国営商業銀行5行(BNI・BBD・BDN・BRI・BEII)は1968年特別法に より特定の産業向け金融を主目的とした政策金融機関としての役割を持ってい たが、その後、業務としての実態は通常の銀行との差が無くなり、1992年の 新銀行法制定により各設置法は廃止された。

(2) 政府は金融機関立て直しの一環として1997年12月国営銀行の合併・再編を 発表、1998年8月BBD・BDN・BEII・BAPINDOの4行を統合し、Bank

5.19 銀 行 187

Mandiri が設立された。現在、国営銀行は4行(Bank Mandiri、Bank Negara

Indonesia(BNI), Bank Rakyat Indonesia(BRI), Bank Tabungan Negara(BTN),)

となっている。

2) 民間商業銀行

(1) 1988年10月の金融規制緩和以降銀行数は増加してきたが、1997年の通貨 危機発生時に銀行破綻の懸念が生じ、同年11月には16行が閉鎖され、199 8年以降IBRA主導による銀行の再建・統合が進められた。

(2) 有力企業グループの経理部門的な存在から発展したものが多く、一部を除き 小規模な銀行も多い。

5.19.4 外国銀行支店・合弁銀行及び駐在員事務所

1) 外国銀行はスカルノ時代末期に閉鎖された後1968年に10行が支店として営業 を認められた。

2) 外国銀行と地場商業銀行との合弁銀行は1989年までは大和銀行系 PT. Bank

Perdania 一行のみしか営業していなかったが、1988年の金融規制緩和により

地場商業銀行との合弁の形で銀行設立が認められた。

5.19.5 地方開発銀行

1) 地方開発銀行(BPD:Bank Pembangunan Daerah)がほぼすべての州に1つずつ設 置され、主に地域経済開発のための中小企業向け短・中期投資金融を行う。

2) 預金は政府の税金収入が中心なるも一般人の預金も可能であり、最近では普通 銀行業務の比重も高まっている。

5.19.6 庶民信用銀行

1) 1988年10月の金融規制緩和以降、従来の村落銀行・米殻銀行・協同組合銀 行・中小商人銀行・従業員銀行などをBPR(Bank Perkreditan Rakyat)と総称。

2) 1992年付新銀行法で新たに法的地位が一本化され、主として中・低所得層を対 象とした少額貯蓄・融資業務を行う地域金融機関で、村落地域の開発を目的とし ている。本店は原則「郡(Kecamatan)」に設置されるものとし、都市部への設置 は原則禁止されている。

5.19.7 シャーリア(Syariah)銀行

1) 1992年インドネシア初のイスラム金融専門銀行「ムアマラート銀行(Bank Muamalat)」誕生。イスラム教シャーリア(イスラム法)の考え方に基づく無利子 金融銀行であり、シャーリアの認める範囲で利子を獲得することなく最大限の利 潤を追求することが求められる。得た利益は預金者・出資者に還元している。

2) ムダ-ラバ(銀行が事業家に資本金を全額出資するパートナーシップ契約)を基 本的契約形態とし、ダーリブ(事業家)が得た利益を通常1:1で銀行と分け、事 業による損失は全てムダ-リブ(出資者)負担となる。ムダ-リブはリスク軽減の 為複数者による出資を基本としている。

3) 物を購入するために融資を受ける場合はムラ-バハ(購入原価より高い価格で 転売する売買契約)という契約を結ぶ。銀行は物を購入し顧客は契約時に予め 定められた転売価格で銀行より買取る。例えば100万ルピアで銀行が購入し、1 20万ルピアで転売する。顧客支払方法は毎月10万ルピア12回払いとなる。

4) リース業務も取扱っており、イジャーラ(賃貸借契約)とイジャーラ・ワ・イクティー ナ(購入額+手数料を払いきった時点で所有権が顧客に移転するオプション付 賃貸借契約)がある。

5.19.8 主要トピックス

1) インドネシア金融マスタープラン

(1) 2004年に公表されたインドネシアの金融マスタープラン「Indonesian Banking Architecture、またはインドネシア語で(API:Arsitektur Perbankan

Indonesia)」。不良債権処理の目処が立ち、安定的な経済成長のため銀行業 界強化を目的とした構造改革指針を示したもの。本政策は、資本金規制等を 課すことにより、銀行の統合・再編を目指したもの。

(2) 尚、現在金融サービス庁は、今後の金融政策重点分野を中心に新たなマス タープラン(MP21)を策定中であり、2014年度末までに発表する計画。

2) 1社・1グループ貸出制限(Legal Lending Limit : LLL)

(1) 1社・1グループに対する貸出制限が設けられている。

(2) 関連先(銀行の払込資本金の10%以上の所有者、経営支配権を持っている 者等)宛の無担保貸出の場合、銀行の自己資本(Tier1+Tier2)の10%ま で。