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考察

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 95-98)

第 3 章 来日前不安

3.6 考察

84 ため、個々に応じ面接法などの支援が必要となる。

学修観アンケートを実施することにより、学生者自身が自己の学びの自己評価を行うこ とと、教師がその結果を踏まえて学生の特性を把握することができ、学習者の個別の学修ス タイルやニーズを理解した上での指導助言を行うことができるようになる。

以上のように、日本人学生と留学生を比較しながら、学修観が留学生を対象としても妥当 な結果を示すかどうかを検証した。日本人学生への調査は、既に加藤・後藤(2014)をはじ め、8大学の学修観W.G.が行い、研究結果が出ているが、留学生を対象としたものは初め てだったため、上記のようなデータ分析を行った。質問項目の英語訳を修正したこと、質問 項目に特別な問題点は生じなかったことが分かった。よって、不安軽減や動機づけなど個別 のデータ分析を行い、不安軽減のための個別支援のために活用する意義はあると考える。

85 以上から、次のようにまとめることができる。

「来日前不安」の定義を行うために、いくつかの調査を行い、「来日前不安尺度」を作成し た。これを使って分析した結果、4因子を検出することができ、来日前不安には様々な要因 が絡み合っていることが実証できた。

「来日前不安尺度」については、追加調査を行うことで精度を増し、ある程度妥当な結果を 得ることができたが、それでも命名や分類項目の妥当性は今後精査が必要である。しかし、

この調査は、分類することが目的ではなく、学生の不安因子を把握することで、どのような 視点からどのようなアプローチをしたら効果的であるのか、またどのような支援が可能な のかを検証するためのものであるため、その意味からも有効であったと考える。

「来日前不安」について、日本語不安や動機づけ、さらに自己効力感との相関関連を検証し た結果、来日前という時期は、様々な不安を抱えているが、同時に学習意欲は高く学習目的 もはっきりした学生が多いということが分かり、その学習意欲に応じた学習教材を提供す ることができれば、高い学習効果が期待できると考えられる。

また、ある程度の不安は学習を促進する可能性があるが、不安が大き過ぎると動機づけが 低くなるという調査結果からも、不安軽減を図ることは重要である。

来日前不安の調査結果から、来日前の時期に求められている教材は、来日先の文化や情報 が得られるもの、実践的コミュニケーション能力が高められるものであることが分かった。

さらに、来日前の環境は他者との競争意識に悩むことはない状況であるが、孤独になりがち であるため、何らかの双方向交流が図れる機会を作ることなどが有効であると考える。

学修観を取り入れることは、単に分析にとどまらず、個々に応じた支援体制を構築するた めにも有効であると考える。

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