新 規 事 例
51. 学内ICTインフラのクラウド移行
こうした状況を抜本的に改善するためには、ネットワーク系基幹サーバもクラウド化するしかないとの結論に 至ったのです。
構築にあたってはどのような点を要件とされましたか。
中村氏:まず一点目は、安定運用を実現できる高い信頼性・可用性を備えていることです。
また、重要な情報がやりとりされるネットワークですから、セキュアで高速な接続が行えることも重視しました。
あとは日々の管理・運用まで含めて一元的なアウトソーシングが行えるという点です。
その結果選定されたのが SINETクラウドサービスだったというわけですね。
中村氏:そういうことです。SINETクラウドサービスを利用すれば、学内 LAN の延長として L2 レベルでのク ローズドなネットワークが実現できます。
しかも、この環境がそのまま商用クラウドと直結されているとなれば、まさに本学のニーズにピッタリです。
また、今回は、NTT 東日本の「Biz 光クラウド安心サーバホスティング」を利用していますが、これは名称にもあ る通りホスティングサービスなので、自前で物理的なサーバ資産を持つ必要がありません。 これにより維持・運用 コストの削減も図れます。
SINET4 を活用した大学クラウドイメージ
実際に構築された環境についても伺えますか。
中村氏:現在は津田沼・新習志野の両キャンパスから SINET に接続すると同時に、両キャンパス間を結ぶ回線も 用意して、トライアングル型のネットワーク環境を構築しています。
これにより、万一どちらかのキャンパスから接続できなくなった場合も、もう一方のキャンパスを経由することで アクセスが可能です。
また、ネットワークインフラは一度構築すると 7 〜 8 年は使い続けるものですから、SINET-データセンタ間の 接続も含めて全ての経路で 10Gbps の帯域を確保し、今後のトラフィック増大にも備えています。
ネットワーク構成図
構築にあたって苦労された点などはありましたか。
河村氏:今までは学内で運用していたネットワーク系基幹サーバを外へ出すわけで すから、最初は正直不安もありました。
しかし実際に作業を行ってみると、特に苦労するような場面もありませんでした ね。 両キャンパスと SINET クラウドとの接続作業についても、拍子抜けするくらい スムーズに進みました。
中村氏:ネットワーク系基幹サーバのクラウド化を行うとなると、遅延に対する不安 を感じる方も多いことと思います。 ちなみに本学のケースでは、学内にあった時代の
レスポンスが 3 〜 4msec だったのに対し、現在は 18 〜 20msec となっています。 確かに多少遅くはなっていま すが、Google のサーバを使うのにも 30 〜 40msec 掛かりますので実用上は全く問題ありません。
しかも本学では学生に iPad を貸与すると共に、530 台の無線 LAN AP もキャンパス内に設置していますが、
これらの認証も特に支障なく行えています。 なお、本学では、キャンパスの基幹スイッチと末端の教室・事務室を光 ファイバーで直収する「FTTD(Fiber to the Desk)」を 2004 年から構築していますが、これとクラウド化との相性 も非常に良かったですね。
最後にプロジェクトの総括と今後の展望を伺えますか。
中村氏:まず大学の BCP 強化という面では、予想通り非常に大きな成果がありました。
現在では大規模自然災害への対応はもちろん、建物の法定点検による停電などの影響も受けずに済むようになっ ています。
SINET の回線品質も非常に高いので、常に安定的なサービスを提供できていますね。 また、運用管理の効率 化・省力化という意味でも、従来の取り組みをさらに一歩進めることができました。
今後は今回のようなインフラ分野だけでなく、先端研究の分野でも SINET のサービスを積極的に活用してい きたいと考えています。
ありがとうございました。