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53. AWSを利用したハイブリッド・クラウド環境の構築

ハイブリッド・クラウド環境の構成

SINETクラウドサービスと AWS を採用されたのはどういう経緯からだったのですか。

髙木氏:AWS は他社の IaaS より商用サービスでの導入実績が豊富な上、運用機能も充実しています。 また、本 学とアマゾンジャパン社とは、同時期に教科書販売分野での連携協定を結んだこともあり、候補に挙げたクラウ ド事業者の中でも最有力候補でした。

 さらに、この取り組みを後押しすることになったのが、SINET クラウドサービスの存在です。 検討を進めてい る最中に、SINET クラウドサービスは AWS と直結できるらしいとの話を聞き、それならこれを利用しない手は ないと思いました。

SINETクラウドサービスのどのような点を評価されたのですか。

髙木氏:まず一点目は、SINET の広帯域なネットワークでクラウドに接続できるという点です。 また、商用回線で の接続を行うとなると高額なコスト負担が発生しますが、SINET ならその心配もありません。

 さらに、L2VPN での接続ですから、大学の通信基盤に欠かせない高いセキュリティも確保できます。 特に本 学では通信ポリシーの一元管理を行っており、データセンタやAWSへの通信は、すべて一度学内のファイアウォー ルを経由した上で行うような構成を取っています。 当然、大量のトラフィックが集中するケースも考えられるわけで すが、SINETくらい広帯域なネットワークであればこれも余裕をもってさばけます。

導入にあたって注意したポイントなどはありますか。

髙木氏:本学がファーストユーザーということもあり、まずは万一のリスクを避けるためにスモールスタートで始め ることにしました。

 具体的には Web サーバ 2 台とスパム対策サーバ、DNS を AWS 上で構築。 また、万一トラブルがあった場合 に備えて、安価なバックアップ用の商用回線も別に用意しておきました。

 AWS 廻りでは多少苦労する場面もありましたが、SINET クラウドサービスについては特に問題となるようなこ とはありませんでしたね。 現在も高いスループットを発揮できており、大いに満足しています。

ハイブリッド・クラウド環境を構築したことの意義についても伺えますか。

牛島氏:本学では非常に大規模かつ広域な情報基盤を運用していますので、ICT 投資の最適化を図っていくと いう面でのメリットは非常に大きいと考えています。

 従来のインフラ構築というのは、いわば自分の土地に家を建てていくようなもの。これを借地借家にすれば、自 前で資産を持つ必要もなくランニングコストだけで済みます。 また、それと同時に、新たなユーザーニーズへの即 応が図りやすくなるというメリットもあります。

今後はどのような形でクラウド活用を進めていかれるのですか。

髙木氏:教育系システムについては、既に 5 年先までを見据えた移行計画を立てています。 そこでは各システムの 要件に合わせて、データセンタ、AWS、学内と設置場所を変えていく予定です。 たとえば AD サーバのように学内 で大量のトラフィックが生じるものは東大阪キャンパスに、DMZ のように学内・学外問わずアクセスが発生するも のは AWS にといった具合ですね。

 さらに将来的には、学内からサーバやストレージなどの機器を一掃し、ネットワークスイッチしか残らないような 環境を目指したい。 クラウド化によって運用管理工数も減ると考えていますので、その時間をこうした戦略・戦術 立案の部分に充てていきたいと思います。

最後に SINET と NII への期待を伺えますか。

牛島氏:欧米諸国と異なり、日本では大学の約 8 割が私立大学です。 本学もいわば日本の文教施策の一端を支 えているわけですが、そうした中で SINET をはじめとするNII のサービスにはいつも非常に助けられています。

 大学運営にも ICT が深く関わるようになり、また ICT を活用したサービス化が加速し続ける現在では、これに 比例して解決すべき課題も増加の一途です。 クラウド利用も例外ではなく、そうした意味からも、NII には今後と も幅広い分野での支援を期待しています。

ありがとうございました。

54. e-ポートフォリオの構築と運用

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