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45. SINET L2VPNを用いた商用クラウドメール接続

まさに狙い通りですね。電子メールシステムについては民間の商用クラウドサービスへ移行されましたが、こ れはどのような経緯があったのですか。

萩原氏:本学は平成元年からメールサービスを提供しており、既に 20 年以上もの運用実績を積んでいます。しか し、近年ではスパムメールが急激に増加し、その対応に多くの負担を強いられるようになりました。メールはもは や大学の基幹システムですから、決して止めることはできません。しかし、その対応をいつまでも自前でやってい たのではキリがない。そこで商用サービスの利用を検討し始めたのです。

商用サービスの採用にあたっては、どのような点を要件とされたのですか。

辻澤氏:まずは、しっかりとしたウイルス・スパム対策機能を備えていること。それと充分な容量のメールボックス が確保されていること、大容量の添付ファイルが利用できること、コスト面でリーズナブルであることなどですね。

 ウイルス・スパム対策については言うまでもありませんが、以前のシステムでは1ユーザーあたりのメールボックス 容量が 100MB しかなく、最近の利用状況には少々合わなくなっていました。添付ファイルについても大容量の ファイルを送受信するケースが増えているので、それに対応できることが必要でした。また、本学には教職員・学生 合わせて約 11,000 名のユーザーがいますので、一人あたりのアカウント費用や一時的な変動費用をできるだけ抑 えることも重要なポイントでしたね。

最近では無償で利用できるクラウドサービスなども提供されています。そうしたものは候補に挙がらなかったの ですか。

萩原氏:全く考えなかったわけではないのですが、本学の場合には機密性の高い研究情報も数多くやりとりされ ます。無償サービスには、メールデータの商用利用や国外保管、返却不可などの条件が付いているものが多いの で、先端研究に注力している本学の要件には合わなかったのです。

辻沢氏:最終的には、これらの要件を全て満たすアカデミック分野向けクラウドサービスを採用すると同時に、

ファイル転送サービスなども併用してメールシステムの負荷軽減を図っています。利用者からの評判は上々で、

「以前よりスパムが減った」「安全にファイルをやりとりできるようになった」といった声が寄せられています。

2011 年 12 月には、SINET4 の新サービスである商用クラウド接続サービスを利用して、学内のクラウド 環境と商用メールサービスを接続されていますね。

辻澤氏:今回の基盤調達ではメールシステムを外部へ出しましたが、元々は完全なプライベートクラウド環境で全 システムを構築したかった。その点、商用クラウド接続サービスを利用すれば、SINET4 のデータセンタとサービス 提供事業者とを SINET4 の L2VPN 回線で直接結ぶことができます。よりセキュアで安定的な環境が実現できま すので、これを利用しない手はないと考えたのです。学内の ICTインフラと外部の商用サービスを SINET で接続 するのは、我々にとっても初の試みですが、特に問題もなくスムーズに接続できましたね。

電子計算機システムの概要

SINET と商用サービスが接続できることの意義についてはどうでしょうか。

辻澤氏:非常に大きいと思いますね。本学の場合はメールシステムに適用しましたが、これはメールに限らずいろ いろな種類の上位レイヤーサービスに適用できます。ストレージサービスでも構わないですし、アプリケーション サービスでも構わないわけです。今後は様々な民間事業者がアカデミック分野向けのクラウドサービスを提供 するでしょうから、そうしたものとの橋渡し役を SINET が担ってくれるのは大変ありがたい。

萩原氏:3.11 の東日本大震災をきっかけに、大学でも BCP の重要性が再認識されるようになっています。もしキャ ンパスが被災したら、大事なデータや業務環境を失ってしまう可能性も大きい。しかし、商用サービスとの連携が 可能であれば、そうした時の対応に役立つ部分も少なくないでしょう。もちろん、外部でデータを保管する際のセ キュリティなど、解決すべき課題も少なくありませんが、今後はこうしたものの活用も視野に入れておく必要がある と感じますね。

最後に SINET への期待をお聞かせ下さい。

辻澤氏:SINET4 からはデータセンタへの接続を行う形になりましたが、この設計思想は非常に素晴らしいと思 います。3.11 の際にもネットワークへの影響を最小限に留めるなど、高い信頼性・耐障害性を実証できました。ネッ トワークは我々の活動を支える生命線ですから、今後もこうした取り組みを続けて欲しいですね。

萩原氏:SINET4 へ移行したことで、ノード未設置県や帯域の問題がかなり解消されたことも高く評価できます。

特に農学連携では、ネットワーク事情の良くない大学との接続も多いので、こうした点が改善されることはありが たい。今後もぜひインフラと学認や eduroam などのサービスの拡充に努めて頂ければと思います。

ありがとうございました。

46. キャンパスネットワーク「MEINET」での

L2VPN利用

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