41. 山形DCを活用した高度な
SINET4 では山形県ノードが新設されましたが、その効果については如何でしょう。
吉田氏:これは非常に大きいですね。SINET3 の時には東北大経由での接続で、仙台-山形間の回線帯域も 100Mbps しかありませんでした。最近では遠方の大学や研究機関と連携して研究や会議を行うケースも多く、本 学でも農学連合や素粒子物理学など、様々な分野でネットワークを利用した共同研究を行っています。しかし帯域 が 100Mbps しかないと、どうしてもテレビ会議やファイル共有などで気を遣う場面が出てくるんですね。その点、
SINET4 では山形ノードへ接続できるようになりましたから、帯域不足の問題で頭を悩ませることはなくなりました。
田島氏:しかも以前は、もう一つ大きな問題がありました。本学の場合は学内での利用だけでなく、県内の他の 大学や高専、県立の研究機関なども、本学経由で SINET に接続しています。学内だけでも相当トラフィックが 多いのに、他機関も一緒に使うわけですから相当厳しい。実際、本学経由で接続している学校等の中には、昼 休みのピーク時などにアクセスがタイムアウトしてしまうケースもあったほどです。その点、現在では帯域にも随 分余裕がありますし、各機関が直接山形ノードへ接続することもできるようになりました。ネットワーク環境は大 幅に改善していますね。
伊藤氏:以前は正直ネットワークが遅いと感じる場面も多かったので、帯域が太くなったのは非常にありがたいで すね。たとえば研究用に VLAN を追加したいと思った時も、元々が 100Mbps しかない状態のところへ「20Mbps 下さい」とはちょっと言い出しにくい ( 苦笑 )。その点、現在では、研究者の要望に応じて充分な帯域を確保できま す。特に工学部では大容量データを使用する研究も多く、Spring-8 などの先端研究機関と接続したいというニー ズも珍しくありません。こうした要望にもしっかりと応えられるようになったのは、大きな進歩と言えるでしょう。
山形大学ネットワーク構成図
先生方の研究活動にも大きなメリットがあったということですね。
田島氏:ええ。実は去年の夏なども、東日本大震災による電力供給の問題で、関東の研究機関で共同研究用の サーバが立てられないという事態が生じました。そこで急遽、本学のサーバをファイル共有用として提供するこ とで急場を凌ぎました。以前のような細い帯域では、とてもこうした対応もできなかったでしょう。
吉田氏:また、研究活動だけでなく、大学の業務面でも効果が生まれています。本学では東京サテライトキャンパ スをはじめ、国内外に拠点を展開しています。こうした場所へ職員が出張で出向いた際なども、ネットワーク経由 で快適に学内の業務システムを利用できるようになりました。メールや業務データをローカルで持ち歩かずに済む ので、セキュリティ的にも安心です。
伊藤氏:それともう一つは、事業継続対策の強化です。主回線の SINETとは別にもう一本バックアップ回線を用 意し、それぞれ別々にピアリングを張っておけばかなり安全な環境が実現できます。以前のように仙台まで回線を 引くとなると相当なコストが掛かってしまいますが、山形ノードまでなら負担も軽くできます。
最後に SINET への期待と今後の意気込みを伺えますか。
伊藤氏:学生達がより効率的に学べる環境を用意することが重要と考えていますので、講義資料などのコンテ ンツを大学間で共有できるようなサービスを SINET で提供してもらえると嬉しいですね。研究だけでなく教育 にも SINET をフル活用し、次世代のエキスパート育成に役立てていきたいと思います。
田島氏:SINET はもちろんのこと、サーバ証明書や eduroam など、NII のサービスはいつも便利に活用させて もらっています。今後もさらなる拡充をお願いしたいですね。また、学内に対しては、各学部の教職員や学生の意見 を取り入れて、よりよいサービスを実現していきたいと考えています。
吉田氏:本学では地元イベントへの参加や中高生向けの活動なども積極的に行っていますが、SINET4 を活用す ることでネットワークを利用した地域貢献もいろいろと考えられるのではと思っています。ぜひ山形地方ならでは の特色を活かしたサービスを創り上げていきたいですね。
ありがとうございました。