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42. SINET L2VPNを利用した

これまでの歩みと成果についても教えて下さい。

長谷川氏:本学では以前から、浜松キャンパス・静岡キャンパス間を10Gbps の専用線でつないでいましたが、ちょ うどその間の焼津に新設された民間データセンタを本学のクラウド基盤として採用。2010 年 3月より教育・研究用 パブリッククラウドサービスの提供を開始しました。教員や学生がサーバを使いたい場合は、このパブリッククラ ウドからスピーディに必要なリソースを払い出します。以前のようにユーザーが自前でサーバを構築・管理する必要 はなく、セキュリティ的にも安心な環境が実現できています。また 2011年 8月には、事務系のシステム群を収めたプ ライベートクラウドも稼働させています。基本的学内にはサーバを置かない方針ですので、両キャンパスの電気代 も飛躍的に下がっています。

クラウドサービス

さらに今回、山口大学との連携で、基幹業務システム群の遠隔バックアップにも踏み切られました。これに はどのような理由があったのですか。

長谷川氏:データセンタは非常に堅牢なファシリティを備えていますし、サーバ群を収めたラックも海抜約 30mと 水没リスクの低い場所に設置されています。ここに学内のシステムを収容したことで、BCP に必要な要件はある程 度クリアできました。とはいえ、学内からはシステムやデータの置き場所が一ヶ所に集中していることに懸念を抱く 声も挙がっていました。そこで万全の上にも万全を期すべく、遠隔バックアップシステムの構築に着手したのです。

バックアップ先に山口大学を選んだのはなぜだったのでしょう。

長谷川氏:距離が離れているというのはもちろんですが、もともと山口大学とは情報セキュリティマネジメントシス テム (ISMS) の活動を通じて連携を取っており、人的な交流なども深かったのですね。また、山口大学は他大学と も大学間データバックアップの実証実験を行うなど、この分野での経験も豊富です。そこで我々としても、両大学 間で合意書を締結し、今回のバックアップ先として利用させて頂くことになったのです。

遠隔バックアップの対象となるシステム/データには、どのようなものがあるのですか。

井口氏:人事給与システム、財務会計システム、調達管理システム、授業料管理シス テム、グループウェアなど、大学運営を支えるほとんどの基幹業務システムが、今回の 遠隔バックアップの対象となります。ちなみにこれらのシステムの容量をすべて合計 すると約 3TB にも上ります。

相当な容量ですね。それをどのようにして山口大学へ送るのですか。

井口氏:データセンタ内でも各システムのローカルバックアップを定期的に取得していますので、そのバックアップ データを SINET 経由で山口大学へ転送します。各業務システムは VMware による仮想化を行っていますから、

その仮想マシンイメージをまるごと遠隔地に転送する形ですね。もっとも、業務システムの重要度によって、バック アップの頻度や取得内容は若干異なっていますので、毎日 3TB 分の容量をすべて転送するわけではありません。

遠隔バックアップシステムを構築する上で、工夫された点などはありましたか。

井口氏:今回のシステムでは、セキュリティ確保の観点から、バックアップデータに暗号化を施しています。ところ が VMware の標準バックアップツールでは、暗号化されたディスク領域に直接データを保存するような形が取れ ません。そこで、学内のバックアップサーバにまず一度転送し、そこで暗号化を行った上でバックアップを行う仕組 みを構築しました。

ネットワーク面での課題などはありましたか。

長谷川氏:大容量データ転送に必要な帯域とセキュリティ。この 2 点をいかに確保するかが大きな課題でした。

大量バックアップデータを安定的に転送するためには、高い品質と信頼性が不可欠ですし、通信経路でのセキュ リティも守る必要があります。そこでいろいろ検討していたところ、山口大学 メディア基盤センターから教えて頂 いたのが、SINET の L2VPN サービスでした。これなら 1Gbps の帯域を遠隔バックアップ専用に使用できます し、セキュリティ面での問題もありません。

大学の重要データを保全するための仕組みとして、SINET の L2VPN サービスが役立っているわけですね。

長谷川氏:その通りです。今後は、こうした大学間での遠隔/相互バックアップの取り組みも増えてくるでしょう が、そのインフラとして民間事業者の回線を使用すると、莫大なコストが掛かってしまいます。その点、SINET の L2VPN サービスを利用すれば、多大なコスト負担を抱え込むことなく、情報資産の安全・安心を担保できます。

大容量データを活用する先端研究だけでなく、このような分野においても SINET の果たす役割は大きいと思 いますね。

遠隔 / 相互バックアップ図

最後に今後の展望について伺えますか。

長谷川氏:長谷川氏:今回は基幹業務システムの遠隔バックアップに取り組みましたが、今後は教育・研究用システ ムやその他の業務システムなどについても、今回の仕組みを拡げていきたい。特に本学では、大学に関わった人た ちのデータの永年管理を今後の目標として掲げていますので、長期にわたってしっかりとデータを保全できる基 盤を実現したいと考えています。SINET の今後の発展やサービスの拡充にも大いに期待していますよ。

ありがとうございました。

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