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30. スパコン「地球シミュレータ」とSINETとの連携

JAMSTEC ネットワーク概要

JAMSTEC と言えば「地球シミュレータ」も有名ですが、こちらの概要についても教えて下さい。

大倉氏:初代地球シミュレータは、1990 年代後半に、気象計算、具体的には大気 大循環モデルの計算で当時のスパコンの 1000 倍の性能を実現すべく開発されまし た。2002 年 3 月に運用を開始した際には、スパコンの性能を測る指標として知られ る LINPACK ベンチマークで第一位を獲得し、世界最速のスパコンとして大きな話 題を呼びました。この初代地球シミュレータは、その後 7 年間にわたり研究に活用さ れてきましたが、環境面や運用面からもそろそろ更新が求められてきたため、2009 年 3 月に二代目となる現在の地球シミュレータ (ES2) に交代しました。ベクトル型ス パコン「SX-9/E」160 ノードで構成され、131TFLOPS の演算性能を叩き出す地球 シミュレータ (ES2) は、運用開始当時国内では最速、また世界でも依然としてトップ クラスの性能を誇るスパコンです。

現在はどのような形で運用されているのですか。

大倉氏:地球シミュレータの計算機資源は、大きく分けて「一般公募枠」「特定プロジェクト枠」「機構戦略枠」の 3 つの用途に割り当てられています。まず一般公募枠では、地球科学分野やそれ以外の研究分野から応募を募り、

先進的・独創的と認められた研究に対して資源を提供しています。2009 年度は地球科学分野で 16 件、それ以外 の分野で 9 件の利用がありました。次に二番目の特定プロジェクト枠とは、国からの委託や補助で進められるプロ グラム向けに地球シミュレータを提供するものです。ここでも21世紀気候変動予測革新プログラムなど、様々な先 端研究に地球シミュレータが利用されています。そして最後の機構戦略枠は、JAMSTEC 自身の研究プロジェク トに地球シミュレータを利用するものです。ちなみに、計算機資源の全体的な割当比率は、一般公募枠が 40%、特 定プロジェクト枠と機構戦略枠がそれぞれ 30% ずつとなっています。また、2010 年 1 月時点での登録者数は、利 用機関数で 113 機関、研究者数で 569 名となっています。

地球シミュレータ(ES2)

民間企業が研究や製品開発のために地球シミュレータを利用することもできるそうですが。

大倉氏:ええ。これは「地球シミュレータ産業戦略利用プログラム」と呼ばれる制度で、毎年公募を行っています。

2009 年度の公募では、流体、ナノ、バイオ、環境の 4 つの分野を設定しました。もっとも、このプログラムでは利用成 果を公開することが原則ですから、製品開発などには馴染まない面もあります。そこで、これとは別に、成果を非公 開にできる「成果専有型有償利用制度」なども用意しています。

地球シミュレータクラスのスパコンになると、シミュレーションで取り扱うデータ量も相当膨大なのでしょうね。

大倉氏:一つの研究プロジェクトだけでも数百 TB 級のデータが発生しますので、現在はユーザーディスクとして 1.5PB の容量を確保しています。さすがに、これくらいのデータ量になると、研究者の方も気軽に自分の大学や機 関に転送するわけにはいきません。そこで現在は、シミュレーションの計算結果をネットワーク経由で参照する使 い方が主流になっています。もっとも、今後ネットワークがさらに進化すれば、こうした使い方も変わってくるかもし れません。そういう意味では、SINET に掛ける期待も大きいですね。

地球シミュレータ(ES2) システム概念図

最後に今後の抱負をお聞かせ下さい。

直井氏:JAMSTECでは今までのお話以外にも、東大・地震研と地震研究のためのネットワークを構築したり、海上 の船舶から JAXA の衛星を経由して横浜研究所へ接続するなど、様々な取り組みを行っています。情報システム部 門としても、ITインフラの整備拡充を図ることで、こうした先端研究をしっかりと支援していきたい。また、それと並 行して、ネットワークの新たな活用研究も進めていきたいと思っているので、より高速なSINET4 に期待しています。

ありがとうございました。

31. SINETを介した計算機資源等の提供、

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