SFAS123
第6節 SFAS123(R)の概要
くは登録書類)
小規模事業発行体の適用
2005年12月15日より後に 2005年12月15目以降に開始
を受ける公開企業 開始する期中もしくは年次報 する最初の事業年度の最初の告期間の開始時 期中もしくは年次報告期間の 開始時
非公開企業
2005年12月15目より後に
規定なし 開始する事業年度(出所)SECウェブサイト:http:〃www.sec.gov/news/press/2005−57.htmより作成
ことにより、サービスまたは財貨を獲得する取引に適用される。しかし、実際の規定では、
従業員の株式報酬が中心であり、これについては、6−2−2.で述べたように、わずか な例外はあるものの、あらゆる種類のものが含まれている。従業員以外の当事者を含む株 式報酬や、従業員持株会制度はSFAS123(R)では取り扱われておらず、今後取り扱う予 定とされている。よって、これらについては、従来の基準が適用されることになる(図表
1−6参照)。
図表1−6 SFAS123(R)が取り扱う範囲
SFAS123(R)で取り扱っているもの 従業員に対する株式報酬(ESPPs、ストッ ク・オプション、限定株式、SARsを含む)
今後取り扱う予定のもの
従業員以外の当事者を含む株式報酬
(EITF96−18)、従業員持株会制度(SoP93・6 または76 3)
(出所)FASB[20041,paras.4−5.より作成。
6−1−4 ESPPs
SFAS123(R)は、あらゆる種類の従業員の株式報酬を対象としているが、ESPP sにつ いて、以下の全ての条件をみたす場合は費用計上の必要はないとしている69。
①同種のクラスの株式保有者に対して与えられる条件よりも好条件でないこと、または、
割引があっても市場価格の5%を超えないこと。
②一定の雇用条件に合致するほぼ全ての従業員が公平に参加できること。
③下記以外にはオプションとしての特徴を有しないこと。
・制度に参加するための購入価格が決定してから参加するまでの期間が短期間(31日を 超えない期間であること)。
・購入価格が購入目の株式の時価、つまり市場価格のみにより決定されており、従業員 は購入目までに参加をキャンセルし、既に払い込んでいた金額の返還が許されている
こと。
6−2 株式報酬取引の認識の原則
SFAS123では、株式と交換に受け取った従業員のサービスについては、当該サービスを 受けた企業の財務諸表において人件費として認識すべきであるとしているが、SFAS123(R)
では、このSFAS123の結論を再確認している70。また、SFAS123では、一定の開示を行う ことを条件に、APB025の本源的価値法を選択適用することを認めていたが、SFAS123(R)
では、このような開示は、人件費を財務諸表で計上することの代替手続きとしては不十分 であると考え、選択適用を禁止した。
69 FASB[2004],para.12.
70
このため、SFAS123(R)でまず、株式報酬取引の認識の原則として、企業は、株式報酬 取引において、財貨を取得したまたはサービスを受けたときに、取得した財貨または受け たサービスを認識しなければならない。その際、付与されたものが資本か負債のどちらに 分類されるかにより、資本か負債のどちらかを対応して増加させると説明している。
また、財貨またはサービスが除却または費消されたときには、関連するコストを認識し なければならない。したがって、財貨またはサービスのコストは当初、棚卸資産などのほ かの資産を取得しあるいは建設したコストの一部として資産化し、その後、当該資産が除 却または費消されたときに費用として認識されるとし、株式報酬取引の会計処理は、当該 取引がどのように組み立てられていようと、保有者に渡された権利と保有者に課された義 務を反映したものにならなければならないとしている。
6−3 株式報酬取引の測定の原則
SFAS123(R)では、株式法主取引測定の原貝1」として、従業員との株式報酬取引は、発行し た持分証券の公正価値で測定するとしている71.
6−4 ストック・オプション等の測定日
SFAS123(R)では、当該ストック・オプション等が資本に分類されるか負債に分類され るかにより測定目が異なる。つまり、以下のように規定されているのである。
①資本に分類されるストック・オプション等は、付与目における公正価値により測定され、
その後再測定されない72。
②負債に分類されるストック・オプション等は、公開企業の場合、決済されるまで毎期末 に公正価値で再測定される73。
ストック・オプション等がどのような場合に資本に分類されるのか、負債に分類される のかは後述する。
なお、上記は従業員に対する株式報酬についてである。獲得される財貨または受け取る サービスのコストの測定が、発行される持分商品の公正価値に基づくことになる従業員以 外との株式報酬の取引の測定目については、SFAS123(R)において特別に記載はしていな
い74
6−5 オプション価格算定モデル
SFAS123(R)では、公開企業は公正価値の見積もりのために、オプション価格算定モデ ルを利用することが要求されるが、特定のモデルの利用は要求していない。SFAS123(R)
では、以下の要素を考慮し、オプション価格算定モデルでストック・オプションの付与目
71 FASB[20041,para.7.
72 FASB[20041,par孔16.
73 FASB[2004],para.37.
74 アの点については、EITF96−28「財貨またはサービスの獲得もしくは売却に関連して従業 員以外に発行した持分商品の会計処理」(A㏄ounting允rEquityInstrumentsThatArelssuedto
Other Than Emp1oyeesわrAcquiring,or in Co句unction with Se11ing,Goods or Services)によるこ とになる。
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における公正価値を見積もることとしている。
①オプションの行使価格
②株式の現在の価格
③オプションの予想残存期間(以下の点を考慮に入れる)
・オプションの契約条件 ・従業員の権利行使の見込み
・権利確定後の従業員の退職状況の予想
④株価の予想ボラティリティ
⑤株式の予想配当金
⑥リスクフリーの利率
ストック・オプションの公正価値の見積もりに際しては、過去の経緯と将来の経験がど のくらい異なってくるか(過去のストック・オプションの平均残存期間、株価のボラティ
リティ、配当)を考慮しなければならない。また、単純な加重平均期待期間を使用したモ デルと、従業員の権利行使のパターンの期待値に影響を及ぼす要素や権利確定後の失効等 の要素を組み込んだモデルとを明確に区別し、モデル化しなければならないとされている。
6−6 株価条件、業績条件、勤務条件
ストック・オプション等は権利確定のための条件として、次のいずれかの条件が付与さ れていることが多い(図表1−7)。
①株価条件(会社の発行する株式価格等が一定の価格以上になることを条件とするもの)
②業績条件(従業員が一定期間サービスの提供を行い、かつ企業のオペレーションに関し て一定の業績目標を達成すること条件とするもの)
③勤務条件(従業員が必要な勤務期間にサービスを提供することのみを条件とするもの)
これらの条件は、当該報酬の付与目における公正価値の測定に際して考慮される、行使 価格、契約期間、数量、交換割合等に影響を与える75。
このうち業績条件あるいは勤務条件がついているストック・オプション等については、
これらの条件がみたされずに報酬が失効した場合は、報酬コストは認識されない。一方、
株価条件がついている場合、株価条件は付与目の公正価値に直接影響を及ぼし、要求され るサービスが提供される限り、株価条件がみたされるかどうか、いつみたされるかに関係 なく、株価条件に関する報酬コストが認識される76。
つまり、株価条件付報酬は、業績条件付報酬や勤務条件付報酬とは異なった会計処理を 行うということである。すなわち、株価条件の影響は付与目現在の報酬の公正価値に反映
され、その結果、業績条件や、勤務条件のみが付いた報酬の公正価値より低くなるのであ る。株価条件付報酬のコストは、勤務期間が完了すれば認識され、株価条件が最終的にみ
75 FASB[2004],para.49.
76
たされなくても、報酬費用は戻し入れされない77。
図表1−7 株価条件、業績条件、勤務条件の比較
株価条件 業績条件 勤務条件
定義 株式報酬において、報酬の 報酬の公正価値の決定の 報酬の公正価値の決 公正価値の決定の際に使用 際に使用される、権利確
定の際に使用され
される、行使価格、行使条 定、実行可能性、行使価格、 る、権利確定、実行 件、その他の要素に影響を 行使条件、その他の要素に 可能性、行使価格、
与える条件であり、以下の 影響を与える条件であり、 行使条件、その他の いずれかの事項の達成を条 以下の両方の事項の達成 要素に影響を与える 件とするもの。①会社株式 を条件とするもの。①従業 条件であり、以下の の特定の株価や株価のみに 貝が特定の期間サービス 事項を達成の条件と IndeXされる特定の本源的 を提供することおよび② するもの。①従業員 価値あるいは②同様の持分 会社のオペレーションだ が特定の期間、会社 証券あるいはそのIndeXに けに連動するように定義 に対してサービスを 関する、会社株式の特定の された業績目標を達成す 提供すること。
株価 ること。
費用の
勤務期間中サービスの提供 従業員が①会社のオペレ 従業員が勤務期間中取り消
が満了できなかった従業員 一ションや活動に関連付 のサービスの提供が しおよに付与されていた報酬だ
けられた特定の業績目標 満了できなかった湯び失効
け、報酬費用が戻入される。 を達成できなかった場合、 合には、確定目以前分の修 勤務期間が完了していれ
あるいは②勤務期間中の の報酬費用について 正 ば、市場条件が満足されて サービスの提供が満了で 戻入される。いなくても報酬費用は戻入 きなかった場合には、確定
されない。 目以前の報酬費用につい
て戻入される。
例 株価が行使価格より10ドル 売上実績3億円の目標を達
従業員が3年間サー
以上上回った場合に、オプ 成したときにオプション ビスの提供を行った ションは行使可能となる。 は確定する。あるいは、IP0 場合、オプションは その他の資金調達活動、支 確定する。従業員の配権の変動、 死亡、障害、理由な
あるいは資産運用レート き解雇によりオプシ で目標を達成した場合。 ヨンが確定する場合
も含まれる。
(出所)FASB[20041,para.48より作成。
77 FASB[2004],par孔48.
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