4. 両接辞による派生形容詞
5.4. まとめ
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常、別の表現手段が用いられる」という可能性もある。拙稿では、この関係的用法のより多 角的な記述のために、この用法の表現上の自発性を考察する必要があると述べた。
そこで、Tsutahara (2015b) では、分析の対象とした858 種類の名詞句と、それぞれの名詞
句と同義的でかつ一定の生産性を有すると考えられる N + de V 句 (efecto calmante/efecto de
calmar) を同時に分析し、その使用頻度の差を分析した。前者を ADJ、後者を DEとし、結
果をまとめたものが以下の表である。全部で 87 種類の efecto -nte 句の場合においては ADJ > DE となるケースが 65 例、DE > ADJ となるのは 22 例となっている。これは、87 種類の efecto -nte 句の内、65 の名詞句が、対応する de V による名詞句よりも使用頻度が 高く、22 の同様の名詞句が同義的な de V 句よりも使用頻度が低かったことを表している。
表 9. 派生形容詞の関係的用法と前置詞句の使用頻度の高低
分析の結果、今回の分析対象となった 858 種類の名詞句の大多数は、同義的な de V に よる名詞句よりも使用頻度が高いことが分かった。つまり、現代スペイン語において、両派 生形容詞の関係的用法は、ある名詞となんらかの動作の関連性を示すための有力かつ自発 的、自然な表現手段であるということができるだろう。
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とを指摘し網羅的な記述を行った研究として位置づけられるだろう。また、関係的用法の初 出の年代だけでなく、広まりを見せた時期、ならびに表現としての自発性に関する考察も、
Tsutahara (2015b) の新奇性である。
本章で紹介した様々な事実はこの関係的解釈は、限られた数の両派生形容詞が限定され た文脈でのみ持ちうるような例外的なものではなく、修飾する名詞の性質次第で生じうる 体系的なものであることを示唆している。従って、両接辞は主語的派生名詞、主語的派生形 容詞を形成するという点のみならず、関係的形容詞を派生するという点においても共通し ている。そして、両接辞による形容詞の関係的用法は現代において名詞と動作の関係を示す ための極めて自然な表現手段である。本稿の目的は両接辞の意味的な類似点と差異を明ら かにすることにあり、従って、-dor による関係的形容詞と -nte による関係的形容詞の比較、
検討を行う必要があると考える。
そこで、次章では「同一の動詞を語根とし、かつ同じ名詞を関係的用法で修飾する -dor/
-nte派生形容詞のペア ( ex. función limitadora/función limitante) 」を分析し、関係的形容詞を 派生する接辞としての -dor, -nte の意味的性質の記述、および、両者の間に存在する意味的 な差異と類似点の説明を行う。
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