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第 9 章  主要投資インセンティブ(奨励ゾー

2.  奨励業種

  BOIは、2000年8月から運用された投資奨励策において、①投資を通じての経済回復の スピードアップ、②国際競争力の強化、③地方の発展の加速、④産業連携の基盤形成等に 資するプロジェクトを重視して、それらの活動・産業に最大の特典を付与するとともに、

税特典の効果的な配分に配慮し、奨励業種や各奨励ゾーンにおける特典の見直し等を行な った。その結果、投資奨励業種として、図表 9‑4左表に掲げた7分野129業種が指定され ている(詳細な内訳は巻末付録3.「投資奨励対象業種表」を参照)。

  同時に、BOIは、この129業種の中から、特にタイにとって重要とみられる業種を「特 別重要業種」あるいは「特別重要かつ国益をもたらす業種」として、特に厚い特典を付与 して、その業種への参入を奨励している。このうち、「特別重要業種」として指定される業 種の概要は図表 9‑4の右表に掲げた通りであり、個別具体的には、また、「特別重要かつ国 益をもたらす業種」の詳細については巻末付録3.「投資奨励対象業種表」を参照されたい。

「特別重要業種」に該当する事業の認可を得た場合に受けられる特典としては、立地場所 にかかわらず、①8年間の法人所得税免除(免除額に上限あり)および②機械輸入税の免除 が受けられる。さらに、「特別重要かつ国益をもたらす業種」に該当する事業の認可を受け

た場合には、①および②の特典の他に、法人所得税免除の上限を設けないという特典がつ く。なお、いずれの業種も、その立地場所が上記投資奨励ゾーンによる特典を重畳的に享 受できる。

図表  9‑4  投資奨励 7 分野 129 業種と特別重要業種 

関係業種 具体的業種数

1 農業および農産品からの製造業 21 1 農水産業およびその製品

2 鉱山、セラミックス、基本金属 19 2 技術開発および人的資源開発に係る事業

3 軽工業 16 3 公共事業、基本的なサービス

4 金属製品、機械、運輸機器 20 4 環境の保全、環境対策に関係する事業

5 電子、電気機械産業 9 5 重点産業(注)

6 化学工業、紙およびプラスチック 16

7 サービス、公共事業 28

合  計 129

特別重要業種

(注)  重点産業は、①鋳造、鍛造、金型、治具、一定の工作機械、精密高速機械用切断・洗浄・切削・

研磨・ねじ込み用備品及び資材の製造、②航空機、その部品及び備品の製造、修理・表面処理(鍍 金)、③エネルギーを節約する機械・設備、代替エネルギーを使用する設備及び太陽電池の製造、

④電子機器の設計及びソフトウェア産業、⑤研究・開発、科学実験室及び計測器校正、⑥人材開 発、⑦産業廃棄物処理(汚水有害化学品処理)及びリサイクル事業、並びに、⑧所定の条件を満 たす製造設計事業、デザインセンター、科学技術区、エネルギーサービス会社等である。

(出所)いずれもBOI資料より作成

3.特定の政策目的達成のための奨励制度  (1) 持続的発展のための投資奨励政策 

  BOIは、従前の投資奨励策を改め、2010年から、持続的発展、科学技術分野におけるタ イ国の国際競争力向上、製造業の質の改善、環境負荷の軽減を促進する目的で、税制上の 特典を付与する持続的発展のための投資奨励政策を採用した(2010年4月23日付けBOI 告示№2/2553)。同告示は、①投資奨励の対象産業(省エネルギーおよび代替エネルギー関 連業種、環境にやさしい素材および製品の製造、および高度技術を使用した事業の 3 グル ープ)、②省エネルギー、代替エネルギー使用、環境へのインパクト軽減のための投資奨励 措置、③新製品を製造するために技術を改善し生産効率向上を図るための投資奨励措置、

④環境問題解決措置につき、特典を定めている。

  特典の具体的内容および特典を享受するための条件は、図表 9‑5に示した通りである。 

図表  9‑5  持続的発展のための投資奨励策における特典及び特典を享受するための条件 

・機械輸入税の免除

・法人所得税を8年間免除(免税額に上限なし)。

・法人所得税の免除期間終了後さらに5年間にわたり50%減税。

・輸送費、電気代、水道代の2倍を、収益が生じた日から10年間控除。

・インフラ設置費、建設費の25%を通常の減価償却に加えて控除。

・バンコク以外の全国に立地するプロジェクトが対象。

・申請書を20121231日までにBOI事務局に提出すること。

・プロジェクトは以下のいずれかの業種に該当すること。

1) 省エネルギー及び代替エネルギー関連業種 2) 環境にやさしい素材および製品の製造 3) 高度技術を使用した事業

・機械輸入税の免除

・土地代および運転資金を含まない投資金額の70%まで3年間法人所得税を免除。なお、法人  所得税免除の対象は既存事業の収入とする。免除期間は、奨励証書受領後収入が発生した日  から開始する。

・本政策は、BOIの奨励を受けた既存のプロジェクト、BOIの奨励を受けていない既存のプロ  ジェクト(ただし投資奨励対象業種に該当すること)の両方に適用する。

・BOIの奨励を受けたプロジェクトも、法人所得税の減免期間が終了しているか、法人所得税  の免税恩典を受けていないプロジェクトの場合、本政策の申請をすることができる。

・申請者は、省エネルギー、代替エネルギーの導入、あるいはまた以下のいずれかを採用する  ことによる環境負荷の軽減のために、機械を変更するための投資計画を提出すること。

1) 指定の割合でエネルギー消費量を減少させるために近代的な技術を導入するための機械    の能力改善への投資

2) 全体エネルギー消費量と比較して指定の割合で代替エネルギーを使用するための機械の    能力改善への投資

3指定の割合で、廃棄物、廃水または排気量を減少させるための機械の改善能力への投資

・申請書を2012年12月31日までにBOI事務局に提出し、奨励証書発給日から3年以内に実施を  完了すること。

・既存プロジェクトによる本政策の申請については、投資額の規模によらず、すべてBOI事務  局において検討される。

・立地ゾーンに関係なく、機械輸入税を免税。

・新製品の生産から得られる収益に対する法人所得税を3年間免除。ただし、免除額の上限  は、生産ラインの改善に対する投資額とする。

・本政策は、BOIの奨励を受けた既存のプロジェクト、BOIの奨励を受けていない既存のプロ  ジェクトの両方に適用する。

・投資企業は、新製品製造が可能になるよう、既存の生産ラインの改善に投資すること。

・改善後の生産ラインによって製造された新製品は、既存の製品とは違ったもので、異なる名  前を有すること。またその新しい製品は、法人所得税の免除恩典が付与されている投資奨励  対象業種表に含まれること。

・生産ラインの改善には、組立てラインの改善は含まれない。

・申請書に新製品製造の為の技術の改善に対する投資計画を添付し、20121231日までに  BOI事務局に提出すること。

・既存プロジェクトによる本政策の申請については、投資額の規模によらず、すべてBOI事務  局において検討される。

条件 特典

条件

 3. 新製品製造のための技術改良によって生産効率の向上を促進するための政策 特典

 1. 対象産業に対する投資奨励政策

特典

条件

 2. 省エネルギー、代替エネルギーの使用、環境負荷の軽減を促進するための政策

・環境負荷を軽減するために機械の改善をする場合に、機械輸入税を免除

・土地代および運転資金を含まない投資金額の70%まで3年間法人所得税を免除。なお、法人  所得税免除の対象は既存事業の収入とする。免除期間は、奨励証書受領後収入が発生した日  から開始する。

・申請者は、環境経営基準および政府が特定する条件を順守し、汚染レベルは法的基準値より  低く、また以下の産業であること。

  -石油精製   -天然ガス分離   -電力発電   -化学・石油化学   -鉱物・基礎金属

・本政策は、BOIの奨励を受けた既存のプロジェクト、BOIの奨励を受けていない既存のプロ  ジェクトの両方に適用する。

・プロジェクトは、BOIが定める基準や手法に則って、環境負荷を軽減するものであること。

・申請書は、BOIが定める基準や手法に則った環境負荷軽減計画を含めて、2012年12月31日  までにBOI事務局に提出し、奨励証書発給日から3年以内に実施を完了すること。

・既存プロジェクトによる本政策の申請については、投資額の規模によらず、すべてBOI事務  局において検討される。

4. 環境問題解決措置

特典

条件

(出所)BOI資料より作成

(2) 地域統括本部設置の奨励 

  BOIは、2002年8月から、地域統括本部の設置に係る特典制度を導入した。これは、ア ジア地域にある関係会社6に対して一定のサービスを提供する地域統括本部(ROH)をタイ 国内に誘致する目的で、設けられた特典制度で、それをタイ国内に設置した外国企業に対 して以下に示すような特典を付与する制度である。

① 外国の関連会社、支店へのサービスによるROHの収益に対し、法人税は10%とする。

② 海外にある関連会社、支店より得た研究開発のロイヤルティー収入に対し法人税は 10%とする。

③ 借入金の分に限り、海外にある関連会社、支店に貸し付けることによる利息収入に対 し、法人税は10%とする。

④ 法人税免除対象のROHから出た配当金に関し、それを受けた、海外の法律に基づき 設立され、タイに事業展開していない法人、合資会社に免税恩典を付与する。

⑤ 国内外にある関連会社、支店より受けたROHの配当金に法人税を免除する。

⑥ ROHの事業のために購入または譲渡された建物に対し、ROHは受け取った日に25%

で減価償却を計上し、残り20年間で償却することが可能。

⑦ 研究開発を目的としたROHが輸入する機械に対し、BOIより輸入関税の減免の権利 特典が付与される。

  なお、この特典を受けるために求められるROHの資格、事業内容等の要件は図表 9‑6の