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OBOIは、この他に、タイの業種および地域ごとの投資機会に関する総合的な情報を整備 し、タイ人投資家および外国人投資家に無料で提供している。また、合弁相手先、技術・

経営およびマーケティングに関する協力企業、あるいは下請企業に関する情報を提供し、

タイで合弁先、協力相手先、部品・資材調達先を探している企業に対する支援も行ってい る。

(3) OSOS 

  また、2009 年 11 月、投資に関連する多数の政府機関職員が一箇所で対応するワンスタ ートワンストップ投資センター(One Start One Stop Investment Center、以下「OSOS」) が創設された。OSOS では、法人登記に必要な手続き、投資奨励恩典の申請手続き、外国 人事業ライセンスの取得手続き、環境影響評価の実施、公共設備の利用等について、外国 人投資家の利便性を図っている。また、ビザ及び就労許可(ワークパーミット)の手続き のためのワンストップサービスセンターもバンコク所在のOSOSと同じ場所に移転し、一 層外国人投資家の利便を図るようになった。

  図表  6‑2  OSOS に代表される政府機関    商務省/ Ministry of Commerce

財務省/ Ministry of Finance エネルギー省/ Ministry of Energy 工業省/ Ministry of Industry 内務省/ Ministry of Interior 労働省/ Ministry of Labor

天然資源・環境省/ Ministry of Natural Resources and Environment 厚生省/ Ministry of Public Health

運輸省/ Ministry of Transport

観光・スポーツ省/ Ministry of Tourism and Sports

(出所)BOI資料より作成

(参考:連絡先)

One Start One Stop Investment Center (OSOS) 住所:18th Floor, Chamchuri Square Building

319 Phayathai Road, Pathumwan, Bangkok 10330, Thailand 電話: +66-2-209-1100

メール: [email protected]  (担当者: Ms. Krongkanok Manakitjongkol)

2.最近の動き  (1) 奨励業種 

  現在のタイにおける投資奨励策は、BOIの投資奨励策(2000年8月施行)を基に実施さ れている(なお、投資奨励法に基づく具体的な投資奨励ゾーン、奨励業種等については、

第9章において詳しく説明する)。

現行の投資奨励策においては、BOI の投資奨励恩典対象は7区分に分けられ、対象業種 は129業種ある(2010年8月現在、詳細は第9章参照)。特に製造業への投資が奨励され ており、外資の出資比率についても、タイの経済発展、技術の向上に寄与する産業であれ ば、立地場所や輸出比率にかかわらず、外資(独資)比率100%まで可能になっている3。   なお、最近追加されたものとしては、ナノ原料・製品の製造、楽器、既製住宅・ノック ダウン組立住宅、サービス工業区等がある(2009年9月)。

(2) 特別重要業種 

  また、別途、特別重要業種(農業産業、公共事業・インフラ建設、環境保全、機械金属・

精密部品の生産に関する事業、技術開発・人的開発に寄与する事業、特定目的産業等)を 設け、立地に関係なく法人所得税の8年間免除等の特に厚い恩典を付与している。

  BOIは、2008年、2009年をタイ投資年(Thailand Investment Year)と定めた。2008 年には、「新たな刺激策による投資優遇策」として、①省エネ・代替エネルギー、②ハイテ ク事業、③環境対応素材・製品製造事業に対する優遇措置を実施した。

また、2010年の新外資政策「持続的発展のための投資奨励」においては、エネルギー保 全、代替エネルギーの利用、環境負荷の軽減を掲げ、環境配慮型製造業、省エネ・代替エ ネルギー、ハイテク事業に対する恩典をさらに拡充している(第9章3.(1)を参照)。

(3) 技術移転・人材開発等 

BOI は、産業の活性化を図ることを目的として、技術移転、人材開発、雇用創出、外貨 獲得可能性、研究開発等の重要性に鑑み、これを特別重要業種の一つとして特典を付与し ている。具体的な対象は巻末付録3.「投資奨励対象業種表」を参照。

(4) ゾーン別恩典の追加措置 

  2009年3月4日には、第2ゾーンの工業団地に対する恩典拡大の期限を、当初の2009 年12月31日から2014年12月31日まで5年間延長することが決定された。この結果、

対象となるレムチャバン工業団地、ラヨン県にある第 2 ゾーンの投資奨励工業団地におけ る新規投資案件については、上記期間、引き続き第3ゾーンと同等の恩典が付与される。

3 BOIが奨励許可する事業については、外国人事業法の適用を受けない。

ひとくちメモ (5):  タイの外資政策の変遷 

【1970 年〜1990 年代前半までの主な動き】 

  これまでのタイの経済発展において外資の果たした役割は大きく、そのため、外資政策はタイの経 済・産業政策運営において重要な政策手段となってきた。現在にいたっては、充実した投資奨励策が特 徴的なタイであるが、過去には他の開発途上国と同様に、時として外資に対する警戒感から、外資に対 する規制の強化に傾きがちであった。そうした警戒感から施行されたのが、1972 年に制定された投資 奨励法(旧法)と外国企業の事業や外国人の就業規制等であった。 

  しかし、このような、揺り戻しがあったものの、その後のタイ政府および投資委員会(BOI)の外資 導入に対する姿勢は一貫して積極的なものであった。1970 年代の後半には、石油ショックの影響もあ り不況に見舞われたタイであったが、その打開策として再び外資誘致による経済の回復に期待が寄せら れるようになった。その結果、外国企業の誘致促進のため、1977 年に投資奨励法が新たに制定され、

同法により BOI の権限強化、投資サービスセンターの設置等が行われた。 

  1980 年代後半以降、タイでは、日本を中心とした外資の流入が急増し、経済も活況を呈するように なったが、その一方で、地域間の所得格差の拡大、インフラ整備の遅れや技術者等人材不足が露呈し始 めた。そこで BOI は、外資導入政策の質的転換を図り、1991 年に投資奨励法を改正し、経済発展に遅 れをとった地域への投資優遇措置の強化を行った。 

 

【アジア通貨危機を契機とする外資政策の変化】 

1997 年 7 月に発生した通貨・経済危機は、タイの外資政策にも大きな変化をもたらした。タイ政府 は、IMF の指導の下、流出する外資を抑え、国内資本の蓄積を図るため、外資への規制緩和に動きだし た。規制緩和の一つとして、外資出資比率規制の緩和である。バーツ切り下げによる外貨建て債務の増 加や収益の悪化等からタイ側出資者の資金調達能力が低下し、外国側出資者の増資が不可欠であったに もかかわらず、外国側出資者に対する出資比率制限がその障害となっていたのである。BOI は、1997 年から 1998 年にかけて、外国企業についても BOI 認可特典を受けて参入できる業種を拡大して行った。

そして、1999 年 10 月には、外国人事業法そのものを改正し、規制業種をそれまでの 63 業種から 43 業 種に削減、小売・卸売業等への外国企業の参入を容認することとなった。 

  また、タイ政府は、経済発展の推進、国際競争力の強化、地方開発の促進、産業間の連携に寄与する 税制面での特典付与の適正化等を目的に、従来のシステムを一新した新たな投資奨励策を策定し、2000 年 8 月以降の認可事業から適用している(BOI 布告(2000)No.1,2)。 

 

    通貨・経済危機以降の外資比率等規制緩和の動き   

                     

(出所)JETRO バンコク・センター資料より作成   

実施時期 外 資 比 率 等 規 制 緩 和 の 内 容

1997年 11月 ・外国企業の参入が制限されている事業分野のうち、BOI の認可を受けて内国企業として既 に参入していた企業について、タイ側パートナーの同意を前提に、外資50%超の出資(外国 企業になること)を可能とする。

・金融機関(銀行・ファイナンスカンパニー)への外資出資限度比率(25%)を10年間に限り撤 廃。

1998年 5月 ・BOI 認可未取得企業でも奨励業種の場合は土地所有等の特典付与。

        12月 ・新規のBOI 認可事業について、1999年末までの期限付きで、外資出資比率規制を撤廃

(その後、その期限を2000年7月末まで延長)。

・内国企業として既に進出している外資系小売業について、BOI の認可を受けることにより、

外資100%まで出資可能に(BOI への申請は2000年末まで)

1999年 10月 ・改正外国人事業法が成立(規制業種を63業種から43業種に削減、小売・卸売業等への外 資100%での参入が可能に、2000年3月施行)。

2000年 8月 ・BOI 新規投資奨励策公表。

・製造業は輸出比率に関係なく外資が100%まで出資可能に。

・国内部品現地調達比率規制を撤廃。