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4.タイ工業団地公社法(1972 年制定、1979 年、1991 年、1996 年、2007 年改正) 

  この法律は、工業省に属する国営企業としてのタイ工業団地公社(IEAT)の設立とその 目的、業務に関して規定している。IEATは、工業団地の造成、工業団地関連インフラの整 備、工業団地の管理・運営等の業務を、独自にあるいは民間企業と共同して行なうことと されている。

5.工場法(1969 年制定、1975 年、1979 年、1992 年改正) 

  この法律の目的は、労働者の安全の確保と公害の防止であり、概ね50馬力以上の動力源 を使用する工場はこの法律の規制対象となり、操業前に許可証(有効期間 5 年)を取得す る必要がある。工場の新設の際には、ほとんどの場合、建築業者により代行されているの で、一般にはあまり注意されることがないが、その後の工場内の変更、拡張にも、許可申 請が必要になるので注意を要する。所管は工業省工業局である。

6.土地法(1954 年制定、1999 年、2008 年改正) 

  この法律では、外国人もしくは株式会社で外国人が資本金の 49%超を有する場合または 外国人株主が半数を超える場合、原則として土地所有を禁止している。1999年改正により、

外国人が少なくとも 4,000 万バーツ以上を外国から投資した場合、住居用として 1 ライ

(1,600平方メートル)以下の土地を所有できることとなった。その場合の投資の種類につ いては省令で定めることとなっており、国家に有益な事業、BOI が奨励するもの等が該当 する。2008年改正により、土地権利証・開発許可書取得のための手続が変更された。

7.公開株式会社法(1978 年制定、1992 年、2001 年、2008 年改正) 

  上場を前提とする公開株式会社(Public Company Limited)は、公開株式会社法および

「証券および証券取引所法」の関連規則により規制を受ける。一般大衆から株式を募集し、

取引所で取引されるため、縁故募集等による非公開株式会社より厳しい内容になっている。

2001年の改正により、債務の株式化、一定の条件を満たす自己株式の取得や4分の1以下 の減資が認められた。上場をしない非公開株式会社は、この法律の適用を受けず、民商法 典にその規定がある。タイの日系企業は大部分が非公開株式会社である。2008年には行政 罰に関する条項を1つ追加する改正がなされた。

8.労働者保護法(1972 年革命団布告第 103 号に始まる、1998 年法律に改定、

2008 年、2010 年改正) 

  この法律は、労働者の保護に関して規定し、日本の労働基準法とほぼ同様の内容の規定 振りとなっており、就業規定、年少労働者の保護、労働時間・休暇、賃金、時間外労働、解 雇補償金、退職積立基金等について定めている。2008年には、労働者の不可抗力に基づか

働安全、衛生、環境に関する新法と平仄をあわせる改正が行われた。

9.労働関係法(1975 年制定、1999 年、2001 年改正) 

  この法律は、労働組合、労使紛争の仲裁、調停、ストライキの規則について定めている。

法律上、ストライキおよびロックアウトは調停が不調に終わった場合に限られる。なお、

この法律は、民間部門の労働者のみを対象としており、国営企業労働者については、別途、

2000年に制定された国営企業労働関係法がある。2001年には国営企業労働関係法の制定と 平仄を合わせる改正がなされた。

10.日・タイ経済連携協定(JTEPA)(2007 年) 

  日本およびタイの両国政府は、物品およびサービスの貿易の自由化および円滑化、自然 人の移動、相互承認の円滑化、知的財産の保護、政府調達分野における協力の拡大等につ いて日・タイ経済連携協定を締結し、2007年11月1日に発効した。日・タイ経済連携協 定の発効により、物品の貿易に関しては最終的には日本からタイへの輸入貿易額(2004年)

の約97%、タイから日本への輸入貿易額(2004年)の約92%の関税が段階的に撤廃される

予定である。