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国際経営人材に必要となる能力開発の仕組み

第6章 地方大学国際化のための国際経営人材の育成

Ⅵ 国際経営人材に必要となる能力開発の仕組み

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⑤ 個人の働きがいをつくる……自分が組織にどのように貢献しているのかについて、

可視化して理解することができ、自分で設定した目標を達成することができれば、達 成感や仕事の面白さを味わうことができる。

そして、個人が目標を達成し、部署目標が達成され、その集合として組織全体の戦略目 標が達成されることになる過程において、個人は内発的動機づけともなる「達成感」や「仕 事の面白さ」を感じ、OJTとともに自己啓発による能力開発が促進される。

今後の課題としては、このような個人の成長をどのように人事評価につなげ、適切な評 価とフィードバック、そして適切な処遇を行っていくかということである。そのためには、

ミドルの管理職のマネジメント力、評価能力の向上や育成が鍵となるであろう。また、納 得性と客観性のある人事評価制度を構築しなければならない。

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理念や建学の精神を理解・説明する能力、海外および国内における政策動向を把握・理解 する力、高い経営倫理観である。

そして、Off-JTにおいてそれら国際経営人材に必要となる能力開発を行うにあた って、大学経営者に必要となる考え方および研修を受ける者の態度や姿勢をつぎのとおり 提示した。大学経営者は、研修は中長期的な「投資」であると考える必要がある。しかし ながら、地方大学にとって人的資源に投資する資源は限られていることから、他の機関が 提供する研修や能力開発のためのプログラムを活用する。そして、NAFSAやEAIE、

APAIEといった国際教育会議などが開催するセミナーやワークショップへの参加機会 を活用し、国際感覚を身につけるとともに、海外の高等教育動向を把握する機会を創出す る。また、経営人材に必要となる経営に関する能力開発を行うために、経営学を学ぶ専門 職大学院、大学経営を学ぶことができる大学院などでの高度な学びの機会を支援する必要 がある。一方、研修を受ける者は、主体的かつ積極的な態度と姿勢が必要となる。そして、

研修において、他者を尊重し、他者と学び合い協働し、新たな価値を創造していく。

また、OJTによる能力開発として、目標管理が、組織における個人の目標と組織の目 標とを統合することができる総合的なマネジメント・システムであることから、日常的に 個人の成長を促すことができるよう、目標管理による人材育成について考察を行った。そ して、五十嵐(2016)82の先行研究を基に、大学経営戦略と目標管理との関係について 170 頁の図表6-2のとおり整理し、その関係性を明らかにした。

BSCにおける「学習と成長の視点」に着目し、地方大学の国際化の推進に必要となる 大学経営人材および国際経営人材の重要性について考察してきた。これら経営人材の育成 は、組織が時代の変化に適切に対応し、持続的経営を行っていくための経営管理の基盤と なるものである。このことを踏まえて、大学組織を運営し、国際化を推進していくうえで の基盤となる教職員の意識改革と行動改革、教職協働による組織変革について、次章で論 じる。

1 両角亜希子「大学職員教育コースの役割」『IDE現代の高等教育』IDE大学協会、

No.591、2016年6月、47頁。

2 Drucker, F. P., THE PRACTICE OF MANAGEMENT, Harper & Row, Publishers,

Inc., 1993. 上田惇生訳『現代の経営[上]』ダイヤモンド社、2009年10月、128頁。

172 3 『同上書』129頁。

4 金子元久「専門職化と高度化」『IDE現代の高等教育』IDE大学協会、No.591、2017 年6月、9-10頁。

5 「同上稿」10頁。

6 「同上稿」11頁。

7 「同上稿」。

8 URA(URA: University Research Administrator、リサーチ・アドミニストレータ ー)は大学等において研究分野におけるマネジメントを専門に行う人材である(東京大 学リサーチ・アドミニストレーター「URAとは」http://webpark1691.sakura.ne.jp/

about、2018年9月15日閲覧)。

9 IR(IR: Institutional Research、インスティテューショナル・リサーチ) は「各大学 内の教育研究活動に関する調査研究活動を行う管理部門であり、かつ経営そのものに 関わるさまざまな情報の入手とその分析を行い、組織管理の改革支援を行っている部 門である」(山田礼子「高等教育における IR(Institutional Research)の役割」『私 学高等教育研究叢書』日本私立大学協会附置 私学高等教育研究所、2011年1月、2頁)。

10 金子元久「前掲掲」2017年、12頁。

11 「同上稿」11-12頁。

12 「同上稿」12-14頁。

13 一般社団法人私立大学連盟「法人基本情報」http://www.shidairen.or.jp/about/

foundation、2018年8月28日閲覧。

14日本私立大学協会「概要」https://www.shidaikyo.or.jp/apuji/about/outline.html、2018 年8月28日閲覧。

15 一般社団法人国立大学協会「概要(定款)」http://www.janu.jp/gaiyou/articles.html、

2018年8月28日閲覧。

16 一般社団法人公立大学協会「概要」http://www.kodaikyo.org/?page_id=8402、2018年 8月28日閲覧。

17 風間規男「日本私立大学連盟による研修プログラム」『IDE現代の高等教育』IDE 大学協会、No.591、2017年6月、35頁。

18 「同上稿」。 19 「同上稿」。

173 20 「同上稿」。

21 小出秀文「私立大学職員の人事マネジメント」『IDE現代の高等教育』IDE大学協 会、No.591、2017年6月、39頁。

22 「同上稿」41頁。

23 「同上稿」41-42頁。

24 「同上稿」41頁。

25 木谷雅人「職員の採用・研修に係る国立大学協会の取組」『IDE現代の高等教育』I DE大学協会、No.591、2017年6月、33頁。

26 中田晃「公立大学協会の職員研修」『IDE現代の高等教育』IDE大学協会、No.591、

2017年6月、43頁。

27 「同上稿」45頁。

28 「同上稿」46頁。

29 志摩慶子「学園ミッションを実現に導く職員組織マネジメント」『IDE現代の高等教 育』IDE大学協会、No.591、2017年6月、18頁。

30 「同上稿」18頁。

31 「同上稿」18-19頁。

32 「同上稿」18頁。

33 「同上稿」18-19頁。

34 「同上稿」19頁。

35 「同上稿」21頁。

36 両角亜希子「大学職員教育コースの役割」『IDE現代の高等教育』IDE大学協会、

No.591、2017年6月、47頁。

37コース満足度の詳細は、満足が61%、ある程度満足が34%であったとしている(「同上 稿」49頁)。

38 「同上稿」50頁。

39 「同上稿」。 40 「同上稿」52頁。

41 「NAFSAは、アメリカを拠点とし、国際教育交流を推進する目的1948年に設立さ

れた非営利団体」であり「NAFSAは会員制度により運営され、世界150ヶ国、3,500 以上の教育機関や団体、政府機関、民間企業などに所属する約10,000人の教員や職員、

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専門家などにより構成」(JAFSA「NAFSAについて」https://www.jafsa.org/

global/nafsa/nafsa-intro/entry-95.html、2018年8月29日閲覧)されている。

42 「同上ウェブサイト」。

43 「EAIE(European Association for International Education)は、欧州の国際教育交 流団体です。1989年に設立された非営利団体で、高等教育機関の国際化促進に向けて 活動しています。毎年9月中旬頃に開催される『EAIE年次大会』は、欧州での国際 高等教育大会では最大規模」となっている(JAFSA「EAIEについて」http://www.

http://www.jafsa.org/global/eaie/abouteaie/entry-1136.html、2018年8月29日閲覧)。

44 「『APAIE』(Asia Pacific Association for International Education)は、アジア太 平洋地域の国際教育交流団体」である(JAFSA「APAIEとは?」http://www.

jafsa.org/global/apaie/apaie2018/entry-1141.html、2018年8月29日閲覧)

45 AUA, Our purpose and values, https://aua.ac.uk/about/, 2018年8月30日閲覧を基 に筆者が訳出している。

46 久志敦男「英国大学職員の現状と未来-2012 年AUA年次総会から見えてきたもの」

『大学行政管理学会』第16号、2013年8月、120頁。

47 AUA, The AUA CPD Framework,

https://aua.ac.uk/professional-development/cpd-framework/, 2018年8月29日閲覧を基に筆者が訳出している。

48 久志敦夫「前掲稿」2012 年、124 頁を参考に、①から⑨の( )内を筆者が訳出してい る。また、内容説明についてはAUA, https://aua.ac.uk/wp- content/uploads/sites/37/

/2018/06/AUA_CPD_Framework_third_edition-2017.pdf, pp. 3-4の記載内容を基に、

筆者が訳出している。

49 一般社団法人大学行政管理学会「2011年度AUA総会参加会員の募集について」http://

juam.jp/wp/im/2010/10/26/2010、2018年8月30日閲覧。

50 大谷忠彦・米田達郎「海外派遣研修の立案と課題」『IDE現代の高等教育』IDE大 学協会、No.591、2017年6月、22-25頁。

51 「同上稿」21頁。

52 「同上稿」22-23頁。

53 「同上稿」22頁。

54 「同上稿」。

55 「同上稿」22-23頁。

175 56 「同上稿」24頁。

57 「同上稿」。

58 小出秀文「前掲稿」2017年、39頁。

59 両角亜希子「前掲稿」2017年、52頁。

60 産業能率大学「目標管理の現状と課題」『労政時報』第3517号、 2001年11月、 65 頁。調査対象は上場・非上場企業から無作為抽出した2,496社、調査期間は2000年2 月18日から3月10日、回収は447社で回収率は17.9%となっている。

61 諏訪英広・髙谷哲也「小学校における目標管理の運用方法に関する事例研究」『兵庫教 育大学研究紀要』第49巻、2016年9月、143頁。

62 諏訪英広「高等学校における目標管理の運用方法に関する事例研究 <研究論文 : 学習 開発学の今>」『学習開発学研究』広島大学大学院教育学研究科学習開発学講座、第8号、

2015年3月、231頁。

63森口毅彦「わが国企業における戦略マネジメント・システムと目標管理制度の実施」『富 山大学経済学部富大経済学論集』第57巻第3号、2012年3月、46-47頁。

64 Drucker F. P.『前掲書』1993年、166頁。

65 『同上書』187頁。

66 奥野朋子「日本における目標管理の現状と課題」『経営研究』大阪市立大学経営学会、

第47巻第1号、1996年5月、91頁。

67 今野浩一郎・佐藤博樹『人事管理入門(第2版)』日本経済出版社、2009年12月、151 頁。なお、森口毅彦「前掲書」52頁にも同様の引用箇所がある。

68 『同上書』151頁。なお、森口毅彦「前掲書」52頁にも同様の引用箇所がある。

69 奥野朋子「前掲稿」1996年、98頁。

70 森口毅彦「前掲稿」2012年、54-55頁。

71 五十嵐英憲『新版 目標管理の本質』ダイヤモンド社、2006年6月、40-41頁。

72 『同上書』42頁。

73 『同上書』41頁。

74 『同上書』44頁。

75 『同上書』45頁。

76 『同上書』2頁。

77 『同上書』54頁。

176 78 『同上書』144頁。

79 『同上書』151頁。

80 『同上書』153頁。

81 小出秀文「前掲稿」2017年、39頁の見解を踏まえて、整理している。

82 五十嵐英憲『前掲書』2006年、135頁。

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