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データとサンプル

ドキュメント内 非財務情報の企業価値 (ページ 140-145)

第 9 章 企業の環境対策活動と企業価値

9.3 データとサンプル

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ε β

β β

β α

+ +

+ +

+

排出量 売上高一単位あたり

次期予想利益 経常利益

純資産簿価 株式時価総額=

2 5

3 2

1

CO

(9-2)

本章では,さらに,排出量の削減状況と企業価値の変化に関する分析もおこなう.国や一般社 会からの要請を受け,CO2排出量削減に取り組む企業も増えている.そのことを前提とすれば,

CO2排出量に対する株式市場の評価は,その絶対量に対してもなされるであろうが,過去との比 較においてもなされるはずである.排出量削減の測定に際し,単なる業績の変化による排出量の 増減の影響をコントロールするため,排出量総量の変化に関する分析はおこなわずに,売上高一 単位あたりの排出量の変化に関する分析をおこなう.したがって,分析対象となる仮説は仮説 9-1cである.以下の(9-3)式におけるβ14の係数が有意に負であれば仮説が支持される.

仮説9-1c:売上高一単位あたりのCO2排出量の変化と企業価値の変化との間には負の関 係が存在する

ε β

β β

β α

+ +

+ +

+

排出量 Δ売上高一単位あたり

Δ次期予想利益 Δ経常利益

Δ純資産簿価 Δ株式時価総額=

2 14

13 12

11

CO

(9-3)

133

る.そのため,公表されている CO2排出量に対して資産合計に基づく連単倍率を乗じること 86 で,利用する変数がすべて連結決算ベースになるよう調整している.

財務データと株価データは日経NEEDS-FinancialQUESTから抽出した.本章での分析は,

CO2排出量の相対的に多い製造業のみを対象としている.製造業であるか非製造業であるかの分 類は日経業種分類コードにしたがった.さらに,業種ごとに CO2の排出形態が異なることを考 慮し,業種ダミーを加えている.また,売上高一単位あたりのCO2排出量の計算には,翌年度の 売上高を用いた.株式時価総額およびすべての財務データは期末の資産合計でデフレートしてい る.株式時価総額,純資産簿価,経常利益,次期予想利益,およびCO2排出量について対数変換 するとともに,上下1%ずつを外れ値として分析対象から除外した.分析に必要な変数がそろわ ない企業も除外した.以上の結果,クロスセクショナル分析(排出量総量)については1,094社・

年が,クロスセクショナル分析(売上高一単位あたり排出量)については1,097社・年が,排出 の変化に基づく分析については568社・年が分析対象となった.それぞれの記述統計量および相 関係数について,図表9-2および図表9-3に示している.なお,VIF値の確認をおこなったとこ ろ,すべての説明変数間のVIF値が3未満であった.したがって,多重共線性の問題は発生し ないものと考える.

86 単独決算ベースの数値を連結決算ベースの数値に換算するための連単倍率については,必ず しも資産合計の連単倍率を利用する必然性はないため,売上高,経常利益,当期利益による連 単倍率を用いた場合についても分析し,ここでの議論に大きな変化がないことを確認してい る.

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図表9-2 記述統計量

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パネルA: クロスセクショナル分析(CO2排出量総量)のデータ(N=1,094)

平均 標準偏差 第1四分位 中央値 第3四分位

株式時価総額 -0.639 0.624 -1.055 -0.656 -0.208 純資産簿価 -0.764 0.410 -1.017 -0.716 -0.461

経常利益 -2.943 0.712 -3.327 -2.861 -2.445

次期予想利益 -3.220 0.851 -3.724 -3.147 -2.568 CO2排出量総量 -0.950 1.338 -1.798 -1.058 -0.148

パネルB: クロスセクショナル分析(売上高一単位あたり排出量)のデータ(N=1,097)

平均 標準偏差 第1四分位 中央値 第3四分位

株式時価総額 -0.642 0.624 -1.056 -0.659 -0.212 純資産簿価 -0.766 0.410 -1.018 -0.718 -0.464

経常利益 -2.944 0.710 -3.327 -2.861 -2.450

次期予想利益 -3.221 0.851 -3.727 -3.148 -2.572 一単位あたりCO2排出量 -0.899 1.350 -1.729 -1.024 -0.098

パネルC: 排出量の変化に関する分析のデータ(N=568)

平均 標準偏差 第1四分位 中央値 第3四分位

Δ株式時価総額 -0.314 0.215 -0.482 -0.316 -0.177 Δ純資産簿価 -0.008 0.117 -0.070 -0.015 0.052 Δ経常利益 -0.224 0.680 -0.652 -0.357 -0.021 Δ次期予想利益 0.171 1.504 -0.641 -0.109 0.389

ΔCO2排出量 0.085 0.246 -0.046 0.044 0.167

※ 各変数は期末の資産合計でデフレートし,さらに自然対数値に変換したうえで,上下1%ずつを   外れ値として除外している.

※ 各変数は期末の資産合計でデフレートし,さらに自然対数値に変換したうえで,上下1%ずつを   外れ値として除外している.

※ 各変数は期末の資産合計でデフレートし,さらに自然対数値に変換したうえで,上下1%ずつを   外れ値として除外している.

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図表9-3 相関係数

パネルA: クロスセクショナル分析(CO2排出量総量)のデータ(N=1,094)

株式時価総額 純資産簿価 経常利益 次期予想利益 CO2排出量総量 株式時価総額 1 0.524 0.688 0.585 -0.284 純資産簿価 0.522 1 0.358 0.235 -0.136

経常利益 0.655 0.360 1 0.663 -0.107

次期予想利益 0.559 0.211 0.585 1 -0.081 CO2排出量総量 -0.262 -0.116 -0.072 -0.063 1

※ 対角線の左下がPearsonの積率相関係数,右上がSpearmanの順位相関係数である.

パネルB: クロスセクショナル分析(売上高一単位あたり排出量)のデータ(N=1,097)

株式時価総額 純資産簿価 経常利益 次期予想利益 一単位あたり CO2排出量 株式時価総額 1 0.520 0.653 0.559 -0.200

純資産簿価 0.522 1 0.358 0.211 -0.041

経常利益 0.686 0.356 1 0.587 -0.077

次期予想利益 0.586 0.235 0.665 1 -0.064 一単位あたりCO2排出量 -0.212 -0.044 -0.112 -0.077 1

※ 対角線の左下がPearsonの積率相関係数,右上がSpearmanの順位相関係数である.

パネルC: 排出量の変化に関する分析のデータ(N=568)

Δ株式時価総額 Δ純資産簿価 Δ経常利益 Δ次期予想利益 ΔCO2排出量

Δ株式時価総額 1 0.339 0.542 0.614 -0.251 Δ純資産簿価 0.307 1 0.444 0.203 -0.065 Δ経常利益 0.478 0.381 1 0.423 -0.289 Δ次期予想利益 0.376 0.073 0.253 1 -0.332

ΔCO2排出量 -0.182 -0.014 -0.157 -0.181 1

※ 対角線の左下がPearsonの積率相関係数,右上がSpearmanの順位相関係数である.

※ 各変数は期末の資産合計でデフレートし,さらに自然対数値に変換したうえで,上下1%ずつを外れ値   として除外している.

※ 各変数は期末の資産合計でデフレートし,さらに自然対数値に変換したうえで,上下1%ずつを外れ値   として除外している.

※ 各変数は期末の資産合計でデフレートし,さらに自然対数値に変換したうえで,上下1%ずつを外れ値   として除外している.

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