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P腹部正面

ドキュメント内 ガイドブック_医療編 (ページ 63-68)

シャント手術の実際

V- P腹部正面

う)がなく、またカテーテルの挿入のしやすさを考えても具合がい いのですが、しかし、長さのある脳室カテーテルを入れることがで きないために、脳が厚みを増してきた時に、カテーテルが脳室から 抜けやすいという問題があります。

 後頭頭頂部からの挿入は、前角に比べると挿入しづらいのです が、長い脳室カテーテルを挿入できることから、カテーテルが長期 間、脳室内に留まってくれます。ただし、カテーテルが脈絡叢に絡 んで詰まることがしばしばあります。

 挿入前まで、これらのカテーテルは抗生物質入りの生理食塩水に 浸けてあり、創部もその食塩水で洗います。

 カテーテルを挿入するためには、頭皮の切開が必要になります が、これは髪の毛の生えるゾーンに行いますので、後で髪が伸びて くれば傷跡はほとんど目立たなくなります。

 さて、頭皮を切開し、穿頭をします。前頭部または頭頂部に1円 玉くらいの大きさの穴を開けるのです。それから硬膜を切開し、脳 内の操作に移ります。

 もう一方のお腹ですが、左右どちらかに2 cm くらい、皮膚割線 に沿って横に切開します。人間の皮膚には、この皮膚割線という目 に見えないスジがあり、このスジに沿った切開は後でくっつきやす く、痕跡も線になって残る程度で済むのです。以前は、患児が水着 になったときに傷跡が目立たないようにと、臍部と腸骨の間に行っ ていましたが、季肋部(肋骨の下あたり)の下から挿入した方が、

カテーテルが長期に腹腔内に留まっていることがわかってきました ので、近年は、季肋部の下からの挿入にしています。

 小児の場合は体が成長していくことを考え、予備的に腹腔カテー テルを長く腹腔内に入れます。長ければ長いほど、成長に伴う腹腔

カテーテルの交換時期が遅くできるわけですが、逆に長すぎるとカ テーテルによる腸穿孔が心配になります。

 さて、穿頭部から中継点をもうけて腹部まで、パッサー(細い管 状のもの)を挿入します。これはカテーテルを挿入するためのガイ ドのようなもので、この中に腹腔カテーテルを通すのです(カテー テルが入ったら、パッサーは抜いてしまいます)。

 脳室カテーテルは側脳室に挿入します。先端は前角内に置くよう にします。前頭部から入れる場合は、骨縁からカテーテル先端まで 6 〜 8cm、頭頂部から入れる場合は、8 〜 13cm ぐらいの長さで挿入 できます。

 腹腔カテーテルは腹腔に30〜40cm挿入します。皮下や腹膜に固 定したりはしません。成長に伴って、カテーテルが腹腔から出てい くのを妨げないためです。もし固定すると、カテーテルは成長に 伴ってちぎれてしまうでしょう。

 こうして、体に挿入した脳室カテーテルと、シャント・バルブ(必 要な場合はアンチ・サイフォン・デバイスも)と、腹腔カテーテル を結合させます。

 一連の作業が終われば、皮膚を閉じます。皮下は吸収糸(いわゆ る溶ける糸)で縫合し、皮膚はナイロン糸で縫合します。

パッサーの 内筒と外筒

 使用した製品(シャント・バルブやカテーテル)のカタログ番号、

ロット番号を記録しておきます。不具合が生じたときに、迅速に業 者に対応してもらうためです。クロイツフェルト・ヤコブ病を引き 起こした人工硬膜の事件では、こうした記録がなかったために調査 がなかなか進まなかったのです。

 麻酔などの時間を除いた、実際のシャントの手術時間は 30 分か ら1時間です。麻酔と手術を合わせても、大体2時間といったとこ ろでしょうか。しかし、当然のことながら、難しい症例ではそれ以 上に時間がかかります。

 患者が麻酔から覚醒すれば、気管に挿入していたカニューレは抜 管します。覚醒が悪い場合は、そのまま気管内挿管の状態を続け、

酸素を送ったりします。

 抜糸は、手術の 7 〜 14 日後に行います。

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脳室−心房短絡術 (V-A シャント)

 なんらかの事情で、腹腔内にカテーテルを挿入できないときに行 います。理由としては、

・腹膜炎後に癒着がひどくてカテーテルが挿入できない

V-A胸部前後 V-A側面

・挿入できても髄液の吸収が十分でなく、シャント閉塞症状を引き 起こす

・腹腔内嚢胞ができてしまう

・人工肛門が設置されている

・腹腔内の細菌がなかなか消失しない

・腹部の外科手術(胆石、腹部腫瘍など)が必要で、手術の際、細 菌が腹腔内に広がるおそれがある

といったことなどが考えられます。

 手術時の体位は、脳室−腹腔短絡術と同じです。頸部の顔面静脈 を露出し、顔面静脈に心房カテーテルを挿入し、先端は右心房内に 置きます。カテーテルは顔面静脈から内頚静脈を通り、上大静脈か ら右心房に入ります。

 入った位置の確認のために、単純レントゲン写真を撮るか、造影 剤を使用した上で撮影します。心房カテーテルの場合は、軽く顔面 静脈に固定します。

 V-A シャントには、特有の合併症がみられることがありますの で、以下に列記します。

・心臓の不整律動

・細菌性心内膜炎

・敗血症

・肺塞栓

・心臓に右→左短絡がある場合、脳梗塞や脳膿瘍

・心房カテーテルの抜去困難

・シャント腎炎(弱毒細菌感染)

・成長に伴ってカテーテルが短化しやすい  (余分に心房カテーテルを挿入できないため)

・心房カテーテルの心臓への脱落

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脳室−胸腔短絡術(V-Pleural シャント)

 V-P シャント、V-A シャントができない時に行われる手術です。

胸腔は腹腔とほぼ同じ性質を持っていますが、髄液の吸収が腹腔ほ ど大きくありません。特に新生児、乳幼児では吸収が悪く、胸腔に 髄液が貯まって(胸水といいます)呼吸困難に陥り、レントゲンで みると真っ白になっていたりします。ですからこの年代の児にする 場合は、一時的な短絡術になります。大きい児の場合は問題ありま せん。

 手術は第6−8肋骨直上の皮膚を切開し、肋骨を切断し、ここを 広げ、壁側胸膜を切開し、カテーテルが肋骨に当たって切れないよ うに、筋層を通して腹膜カテーテルを挿入します。30〜40cm 挿入 します。切断した肋骨はナイロンで固定します。

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脊髄くも膜下腔−腹腔短絡術(L-P シャント)

 髄液の吸収が悪い時に適応になります。成人の正常圧水頭症で時 に行われます。また、水頭症であるのに脳室が大きくなく、脳室カ

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