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頭蓋縮小再建術

ドキュメント内 ガイドブック_医療編 (ページ 105-110)

その他の関連手術

4. 頭蓋縮小再建術

(1) どんな場合適応となるか

 極めて頭囲が大きく、しかも脳の厚さが薄くなった高度の水頭症 があった患者で、シャント手術が施行された後に、脳室が縮小した にもかかわらず、脳自体の厚さが増加しないために、硬膜下腔(頭 蓋と脳との間の間隙)が拡大し、慢性硬膜下血腫が発生した状態を

「頭蓋―脳不均衡状態」といいます。その他の治療法ではこの頭蓋

―脳不均衡状態が消失しない場合に、最後の手段として、頭蓋内容 積を縮小するために行う手術です。

図3 シャントカテーテル  頭皮 

頭皮  頭蓋骨 

頭蓋骨弁 

側脳室 

硬膜 

硬膜  血腫外膜  硬膜下血腫  硬膜下血腫 

 この手術の目的は、頭蓋容積を縮小し、頭が大きいことによる患 児の運動制限を軽減すること、頭蓋―脳不均衡をなくし、慢性硬膜 下血腫ができないようにすることです。頭蓋―脳不均衡は極めて高 度の水頭症に対してシャント手術が施行された後に起こることです ので、早期診断・早期治療が行われ、圧可変型シャントなどの技術 が進歩した今日では、少なくなっています。したがって、最近では 頭蓋縮小再建術が適応される機会はほとんどありません。

(2)特有のリスク・ トラブル

 広範囲な頭蓋骨に対する手術ですので、大きな手術となります。

手術中の出血量も多く、患者への侵襲度も大きな手術です。あくま で最終手段的手術ですので、その他に病態(頭蓋―脳不均衡状態)

を少しでも改善させうる方法があれば、そちら(S-P シャントや頭 蓋内血腫除去術)をまず優先させます。

(3)手順

 頭蓋骨を広範に骨切りし、両側前頭骨、頭頂骨、後頭骨、上矢状 洞部正中の骨片に分割します(必要があれば各骨片を小さくしま す)。その上矢状洞部骨片を下方に移動させて、前頭骨、頭頂骨を 縫縮し、均等に頭囲、頭蓋容積が縮小するように頭蓋を再建します

(図4)。正中部の上矢状洞部骨弁は左右の前頭骨および頭頂骨骨片 の下にくるので、左右の前頭骨および頭頂骨がすり寄せられ、頭蓋 が小さくなるわけです。この操作により上矢状洞が下方へ移動し、

慢性硬膜下血腫の出血源となる橋静脈が牽引されることがなくなり ます。

(4)アドバイス

 水頭症を早期診断・早期治療し、頭囲拡 大や脳室拡大が極めて高度にならないうち に治療すれば、頭蓋―脳不均衡状態の発生

は防止できます。そうすればこのような侵襲の大きな手術を行わな くてもすむわけです。

 一番大事なことは水頭症が進行性であるときには、頭囲や脳室拡 大が極めて高度にならない前に、将来を予想して治療することで す。

図4

硬膜 

<横断面での図>

上矢状洞  上矢状洞部骨弁 

●上矢状洞部骨弁は左右の前頭骨   又は頭頂骨の下にきます 

左右の前頭骨又は頭頂骨 

脳  脳  骨切り線 

上矢状洞部骨弁  頭頂骨 

前頭骨  前頭骨 

頭頂骨 

硬膜  骨切り線 

Section C 水頭症の原因疾患

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