• 検索結果がありません。

106

© 2016 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.

現行のIFRSとの比較

IAS 11.21

IAS 11

107

© 2016 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.

KPMGの見解

償却期間に、予想される契約を含めなければならない場合がある

IFRS第15号においては、資産化された契約コスト資産を、その資産に関連する財またはサービス の移転に基づき償却する。関連する財またはサービスの移転とは何か、またどのように移転する かの判定に際しては、すでに締結した契約に加えて、明確に特定できる予想される契約があれば それも考慮する。

IFRS第15号には、1つまたは複数の予想される契約を明確に特定できるか否かを、企業がどのよ うに判定するかについての規定はないが、時の経過に伴い実務が醸成されていくものと考えられ る。検討すべき要因には、同一の顧客層との取引経験、及び実質的に類似する契約から得られる 将来の予測を裏付ける証拠が含まれる。さらに、企業は当初契約期間の後の財またはサービスの 市場に関する入手可能な情報(例:更新が予測される場合、サービスの需要がまだあると予想さ れるか否か)を検討する場合がある。契約コスト資産の償却期間の決定には判断が伴うが、企業 は類似する契約については、関連する企業の経験及び他の客観的な証拠に基づき、一貫した見積 り及び判断を適用しなければならない。

実務上の便法が適用できるか否かを判定する際には、予想される契約を含める

IFRS第15号においては、企業は、契約を獲得するための増分コスト(契約を履行するためのコス トは、この実務上の便法を適用する要件を満たさない)について資産を認識しない実務上の便法 を適用する要件を満たすか否かを判定する際に、償却期間を評価する。例えば、ケーブルテレビ 企業に、当初の契約期間1年間の顧客との契約を獲得するのに増分コストが発生したとする。顧 客のうち多くが当初の契約期間末に契約を更新する場合には、企業は実務上の便法を適用できな いことになり、償却期間を決定しなければならない。

反復的に支払われる手数料が契約に含まれている場合、判断が要求される

顧客と締結された、新規の契約(すなわち、新たなサービス及び(または)新たな顧客)と契約 の更新または延長を含む、すべての契約について販売手数料を支払うケースもある。新規契約に 対して一定の手数料を支払い、その後の個々の更新についてそれぞれ相応の手数料が支払われる

(すなわち、顧客が契約を更新するか取り消さない場合に、その都度販売員が増分手数料を受け 取る)場合、企業は新規の契約に係る当初の手数料を当初の契約期間のみにわたって償却するべ きか、より長い期間で償却するべきかを判定する際に判断を行使する。

資産化された契約コストは通常、手数料がカバーする期間にわたり認識する。更新手数料が当初 の手数料と整合する場合は、当初の手数料は当初の契約期間にわたって償却し、更新手数料は更 新期間にわたって償却する。手数料が個々の契約の価値と合理的に比例している場合、当該手数 料は通常、互いに整合しているとみなされる。

複数の履行義務に関連する契約資産の規則的な償却

新基準では、契約資産が関連する財またはサービスの顧客への移転と整合する規則的な方法(定 額法とは限らない)でその契約資産を償却することが要求される。契約に、異なる時点で充足さ れる複数の履行義務が含まれる場合、企業は適切な償却期間及び償却パターンを決定する際にそ のことを考慮する。

108

© 2016 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.

返金不能のアップフロントフィーの会計処理とは、相関関係はない

資産化した契約コストの償却パターン(特定の予想される契約の契約期間を含める)と返金不能 のアップフロントフィーの収益認識パターン(すなわち、アップフロントフィーの当初の支払い により重要な権利が顧客に提供される更新期間を既存の契約期間に加える)(8.6を参照)は、IFRS 第15号においては整合していない。したがって、契約コストと返金不能のアップフロントフィー が同一の契約で両方とも繰り延べられる場合であっても、IFRS第15号においては、これらの2つ の期間の収益認識パターンを統一することは要求されない。

償却コストの表示

企業が費用を性質ごとに表示することを選択する場合、資産化した契約コストの償却から生じる 費用の性質を決定するのに、判断が要求される。企業やそれが営む事業の性質により、適切な区 分が異なる場合がある。いずれのケースでも、企業は、表示が誤解を招かず、財務諸表の理解に 関連性があるものとなるように、一般規定に従う。

4.4 資産化した契約コストの減損

新基準の規定

IFRS 15.101

企業は、資産化した契約コストの帳簿価額が回収可能価額を超過する範囲で、減損損失を認識する。

回収可能価額は以下のように定義される。

-

資産が関連する財またはサービスと交換に企業が受け取ると見込んでいる対価の残りの金額 から

-

当該財またはサービスの提供に直接関連するが、まだ費用として認識されていないコストを控 除した金額

IFRS 15.102

資産化した契約コストの減損を評価する際に、減損テストで使用する対価の金額は、企業が受け取

ると見込んでいる金額に基づき算定される。この金額を見積るために、企業は以下の2点を除き、

取引価格の算定に関する原則を適用する。

-

変動対価の見積りを制限しない。すなわち、修正された場合に収益に重大な戻入れが生じる結 果となり得るか否かに関係なく、変動対価の見積りを含める。

-

顧客の信用リスクの影響を反映するように金額を調整する。

109

© 2016 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.

KPMGの見解