2.4 事業者動向
2.4.3 CGM・その他サービス
SNS は、米国のインターネット利用者の間で、人気の高い CGM サービスであ る。SNS の代表的事業者としては、Facebook、MySpace などが存在する。2008 年は、音楽系のアーティストが自身の作品を紹介、公開しているMySpaceが最も 人気が高かった。2009 年は、実名にて一般の消費者同士が交流する Facebook に おいて、利用者数が1億1300万人と前年比で3.5倍以上も増加し、米国内で最も 利用されるSNSとなった(図表 2.4-3)。
Facebookがこれほどまでに伸びた理由の一つとして、Facebook上で動くアプリ
を外部企業に開放したことがあげられる。2009 年は、特に Facebook 上のアプリ ケーションが多様化した。日本の調査会社ネットマーケティングによると、2009
年9月現在、Facebook上で提供されるアプリの数は5万個を超えている。Facebook
のアプリの豊富さは利用者にとって魅力であり会員数の伸びが加速した。会員数が 増えるとアプリ開発者にとっても魅力であるため、相乗効果を生んでいるという。
Facebookアプリランキング1位の「Texas HoldEm Poker」というゲームアプリ
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は、月間アクティブ数が1,200万人を越え、売り上げも月間数億円の規模に達して いるという。日本のmixiの利用者数は2009年9月30日現在、約1,792万人と報 告されており、mixiという1つのSNSの2/3に匹敵する利用者により、Facebook アプリの 1 つのコンテンツが利用されていることになる。このように、Facebook は既に、インターネットビジネス事業者にとっての、巨大なプラットフォームへと 成長したと言える。
図表 2.4-3 米国のSNSの利用状況
Unique Visitors % Change*
Facebook 113.0 253.7%
MySpace 56.9 -5.6%
Twitter 19.7 1043.0%
Note: *vs. same month of prior year
出所:eMarketer
また、2009年は、Twitter の動向が注目された。2009 年現在、Twitter は米国
内で1,970万人に利用されており、前年比で1,043%と11倍以上も増加している。
Twitterは、FacebookやMySpaceなどのCGMサービスと比較すると、まだ利用
者数は尐ないが、その可能性、影響の大きさにより、非常に注目を集めている(図 表 2.4-3)。
Twitterはマイクロブログと呼ばれるCGMサービスであり、一回140文字まで
のコメントを「つぶやき」として投稿することができる。また、他の人を「フォロ ーする」ことでお気に入り登録ができ、その人がコメントを投稿すると、コメント が、自分のアカウントのページにてリアルタイムで表示される。
マイコミジャーナルで紹介されている米国の調査会社 Pear Analytics の調査結 果によると、米国の Twitter で投稿されるつぶやきの内容は、「サンドイッチを食 べている」などの無意味なつぶやきが41.6%で最も多くなっており、次いで、問い かけなどの会話型のつぶやきが37.6%となっている。米国では、Eメールの利用が 拡大した際にスパムメールが激増したように、Twitterにおいても同様の現象がみ られると考えられていたが、スパム型のつぶやきは非常に尐なく、会話型のつぶや きがこれほど広がっていることは期待以上の結果だったと伝えられている。
Twitter は、そのリアルタイム性から、情報収集の手段としても活躍しており、
フォローする情報としては、ニュースや映画の情報が多くなっているという。日経 BP社の情報サイト「ITPro」によると、Twitterにおいて、新聞社などのメディア サイトのアカウントをフォローする人の割合は28%となっており、最も多くなって
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いる。続いて、映画情報提供サイトのアカウントが23%となっている。
Twitter は、企業が顧客とのコミュニケーションを図る手段としても使われた。
米国のピザレストランNAKEDpizzaでは、売上の15%がTwitterを通じて発生し たものであるという。NAKEDpizzaは商圏5km以内の世帯をターゲットとする地 域密着型のピザレストランである。消費期限間近のピザがあると、割引販売のアナ
ウンスをTwitter上で行うという。これに反応し、多くの顧客がNAKEDpizzaを
利用するという。
また、ニューヨークを拠点とするアイスクリーム店Tasti D-Liteでは、ポイント
カードとTwitterに連動させ、販促に活用している。Twitterのアカウントと連動
させたポイントカードを使うと、ポイントが通常の2倍つくようになっている。そ の代わりに、ポイントカードを使った時点で、「I'm at Tasti D-Lite(私は今Tasti
D-Liteでアイスを買った)」というつぶやきが自分のアカウント上で自動的にされ
るようになっている。
米国の LCC(格安航空会社)JetBlue 航空では、クレームなどの即時対応に
Twitter を活用している。Twitter 専用の管理人を設置し、常時、顧客からのクレ
ームや要望を監視している。例えば、顧客が空港にて「チェックインカウンターに 担当者がいない」とつぶやくと、管理人が即座に手配をし、「あと10分後に向かい ます」と返答する。こうしたやり取りを、他の顧客にもみえる形で行うことで、信 頼感、公正さをアピールできているという。
2009年は、Twitterにおいて、注目のニュース、事件、事故の際に、多くの人か
らの利用が殺到するなどの社会現象にもなっている。これは、共通のテーマに関す るつぶやきを簡単に検索できる「ハッシュタグ」機能や、面白いつぶやきを他のフ ォロワーに転送する「RT(リツイート)」の機能があるため、情報の伝達スピード が加速したためであると言われている。例えば、2009年1 月にハドソン川に不時 着した「ハドソン川の奇跡」では、ハドソン川への旅客機不時着に関する現場から の速報や写真が投稿されるなど、Twitter を利用した情報発信が盛んに行われ、
Twitterへのアクセス数が急増したという。
Twitterのリアルタイム性は、GoogleやMicrosoft(Bing)など検索エンジン事
業者からも注目された。現在では、これら検索エンジンの「リアルタイム検索」機
能の中でTwitterのつぶやきが表示されるようになっている。
もう一つ、例年に続き活況なのが、YouTubeなどの動画共有サイトの利用である。
米国の調査会社comScoreによると、2009年10月現在、YouTubeの利用者は、1 億260万人に達しており、米国のインターネット利用者の3/4を占めるまで至った
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(図表 2.4-4)。また、一人当たりの年間平均視聴動画数は 83.5 回となっており、
プロダクションにより制作されるプレミアムコンテンツを提供する Hulu の 20.1 回と比較しても4倍以上の視聴数となっている。
YouTubeの人気の大きな理由としては、ユーザー登録なしに無料で動画視聴がで
きることがあげられる。YouTubeは、基本的には一般の利用者が撮ったビデオ画像 をアップロードする動画サイトであるため、画像の内容や画質はHuluなどのプレ ミアムコンテンツよりも务るとされているが、登録されている画像の数が圧倒的に 多いことが魅力となり、視聴者数が増加しているという。
図表 2.4-4 米国の無料動画サイト利用状況
Property Unique Viewers (000)
Average Videos per Viewer
Total Internet 167,231 167.1
Google Sites 126,103 83.5
Fox Interctive Media 53,410 8.4
Yahoo! Sites 50,061 6.8
CBS Interactive 43,658 5.8
Hulu 42,464 20.1
Facebook.com 41,155 6.0
Microsoft Sites 40,692 11.1
Viacom Digital 39,509 10.3
NBC Universal 29,876 6.4
AOL LLC 25,936 6.5
出所:comScore
米国では、YouTube のような一般の利用者が作成した動画共有サイトの他、
VimeoやFORA.tvなどの、アーティストの作品や、科学者や専門家の講演などを
特集した動画共有サイトも注目を集めている。
Vimeoは、2004年に米国で設立された動画共有サイトである。2010年2月現在、
290 万人以上の利用者がおり、毎日、16,000 を超える動画がアップロードされて
いる。Vimeoでは、1280x720サイズのHD画質の動画ファイルを公開することが
できる。これにより、ユーザーがPCのディスプレイを最大に使用する「フルスク リーンモード」に切り替えて閲覧した際も、映像の美しさを保つことが可能となっ ている。
FORA.tv は、大学の講義やシンクタンクの発表会や国際会議などで撮影された
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映像の動画共有サイトである。「経済」「環境問題」「政治」「科学」「文化」など、
多様なテーマの動画を扱っている。例えば、ノーベル経済学賞を受賞した米国の経 済学者ポール・クルーグマン(Paul Krugman)がグローバル経済について語って いる動画などを視聴することができる。
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3 欧州