本調査においては、前回調査との継続性を考慮して、BtoC-EC の調査対象範囲 を14 業種に分類して把握している。各業種分類には次表に示す業種がカバーされ ている(図表 3.1-1)。
図表 3.1-1 BtoC-ECの調査対象業種5とその内訳
日本標準 産業分類コード
(JSIC)
業種(代表例)
総合小売業 55 百貨店、総合スーパー、コンビニエンスストア、ホームセンター、通信販売業 衣料・アクセサリー小売業 56 呉服・服地・寝具小売業、男子服小売業、婦人・子供服小売業、靴・履物小売業 食料品小売業 57 各種食料品小売業、酒小売業、食肉・鮮魚・野菜・果実小売業、菓子・パン小売業 自動車・パーツ・家具・
家庭用品・電気製品小売業
58,591,592,
599
自動車(新車)小売業、中古自動車小売業、自動車部分品・附属品小売業、二輪自動 車小売業、自転車小売業、家具・建具・畳小売業、その他のじゅう器小売業、電気機 械器具小売業、電気事務機械器具小売業
医薬化粧品小売業 601 医薬品・化粧品小売業
スポーツ・本・音楽・玩具小売業 604,605 書籍・文房具小売業、スポーツ用品・玩具・娯楽用品・楽器小売業 宿泊・旅行業、飲食業 70,71,72,831 一般飲食店、遊興飲食店、宿泊業、旅行業
娯楽業 84 映画館、興行場、スポーツ施設提供業、公園、遊園地
06~08 総合工事業、職別工事業、設備工事業 09~17,21,
22,25~31
食品製造業、飲料・たばこ・飼料製造業、繊維・日用品製造業、化学工業、鉄・非鉄金 属製造業、産業関連機器・精密機器製造業、電気・情報関連機器製造業、輸送用機 器製造業
37~41 通信、放送、情報サービス、インターネット付随サービス、映像・音声・文字情報制作 業
42~48 鉄道、道路旅客運送、水運、航空運輸 61~67 銀行業、保険業、証券業
49~54,68,
69,88,89 卸売業、不動産業、広告業、物品賃貸業 その他(卸売業、その他サービス業)
製造業
情報通信業 運輸業 金融業
サ ー ビ ス 業 小 売 業
業種
建設業
2009年のBtoC-EC市場規模は、2008年調査の6兆890億円と比較すると、対
前年比110.0%の6兆6,960億円に達している。2006年~2007年の成長率が121.7%、
2007年~2008年の成長率が113.9%であることを鑑みると、市場規模は堅調に成 長しているものの、成長率は鈍化傾向にあると言える。EC化率は、2008年調査の
1.79%と比較すると、0.29ポイント増の2.08%に達しており、商取引の電子化は伸
展していると言える(図表 3.1-2)。
5 日本標準産業分類(平成14年3月改定)の産業分類に基づき表記
37
図表 3.1-2 日本におけるBtoC-EC市場規模の推移
66,960億円 60,890億円
53,440億円
2.08%
1.79%
1.52%
0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 80,000
2007年 2008年 2009年
0.00%
0.50%
1.00%
1.50%
2.00%
2.50%
3.00%
EC市場規模(左目盛) EC化率(右目盛)
(億円)
2009年のBtoC-EC市場規模の拡大に寄与した業種として、対前年比の観点でみ
ると、「医薬化粧品小売業」(対前年比130.8%)、「食料品小売業」(対前年比128.7%)、
「自動車・パーツ・家具・家庭用品・電気製品小売業」(対前年比122.1%)などの 業種は対前年比が大きく、項調な成長を遂げていることがわかる(図表 3.1-3)。
同様に、市場規模の増減の観点でみると、「自動車・パーツ・家具・家庭用品・
電気製品小売業」(対前年差1,710億円増)、「情報通信業」(対前年差1,290億円増)、
「食料品小売業」(対前年差840億円増)、「宿泊・旅行業、飲食業」(対前年差770 億円増)、「総合小売業」(対前年差740億円増)などの業種は対前年差が大きく、
これらの業種は BtoC-EC 市場規模の底上げに寄与していることがわかる。一方、
「製造業」や「その他(卸売業、その他サービス業)」では、日本経済が景気後退 局面を迎えていることに影響を受け、「製造業」で対前年差110億円減(対前年比
93.5%)、「その他(卸売業、その他サービス業)」で対前年差 100 億円減(対前年
比85.7%)と市場規模が縮小している。
さらに、EC化率の増減の観点でみると、「宿泊・旅行業、飲食業」(対前年差0.60 ポイント増)、「医薬化粧品小売業」(対前年差0.47ポイント増)、「自動車・パーツ・
家具・家庭用品・電気製品小売業」(対前年差0.45ポイント増)、「総合小売業」(対 前年差 0.43 ポイント増)などの業種は対前年差が大きく、これらの業種では、商 取引の電子化が伸展していると言える。
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図表 3.1-3 日本におけるBtoC-ECの業種別内訳
EC市場規模 EC化率 EC市場規模 EC化率 EC市場規模 EC化率
(億円) (億円) (億円) 対前年比
総合小売業 12,190 2.78% 13,550 3.17% 14,290 105.5% 3.60%
衣料・アクセサリー小売業 570 0.45% 730 0.58% 860 117.8% 0.70%
食料品小売業 2,510 0.42% 2,930 0.48% 3,770 128.7% 0.62%
自動車・パーツ小売業 家具・家庭用品小売業 電気製品小売業
医薬化粧品小売業 1,410 1.47% 1,720 1.67% 2,250 130.8% 2.14%
スポーツ・本・音楽・玩具小売業 2,220 1.22% 2,650 1.52% 2,970 112.1% 1.78%
宿泊・旅行業 飲食業
娯楽業 990 0.63% 1,020 0.66% 1,060 103.9% 0.74%
N/A N/A N/A N/A N/A N/A N/A
1,510 N/A 1,700 N/A 1,590 93.5% N/A
14,880 N/A 16,280 N/A 17,570 107.9% N/A
2,370 N/A 2,670 N/A 2,650 99.3% N/A
1,010 N/A 870 N/A 800 92.0% N/A
53,440 N/A 60,890 N/A 66,960 110.0% N/A
33,050 1.52% 38,670 1.79% 43,750 113.1% 2.08%
2009年
2.71%
620 N/A
その他
N/A
合計
合計(小売・サービス)
運輸業 金融業 卸売業
2.36%
700 製造業
情報通信業 建設業
2.04%
6,510
2.81%
N/A 9,460
4.13%
9,090
600
122.1%
109.3%
85.7%
2007年 2008年
サ ー ビ ス 業
業種
7,750 小
売 業
8,320 3.53%
6,650
BtoC-EC 市場規模の構成比の観点でみると、最も構成比が大きい業種は「情報
通信業」(構成比26.2%)であり、次いで「総合小売業」(構成比21.3%)、「自動車・
パーツ・家具・家庭用品・電気製品小売業」(構成比 14.1%)、「宿泊・旅行業、飲
食業」(構成比13.6%)となっている。これら4つの業種を合計すると、日本にお
けるBtoC-EC市場規模の75.3%を占めることになる(図表 3.1-4)。
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図表 3.1-4 日本における2009年BtoC-ECの業種別構成比
26.2%
21.3%
14.1%
13.6%
24.7%
情報通信業 総合小売業
自動車・パーツ・家具・家庭用品・電気製品小売業 宿泊・旅行業、飲食業 その他の業種
BtoC-EC 市場規模の成長要因の一つとして、利用者の裾野の広がりが挙げられ
る。総務省「平成20年 通信利用動向調査」によると、2008年末時点での国内の インターネット利用人口は9,091万人(人口普及率75.3%、対前年差2.3ポイント 増)に達している。
同様に、総務省「平成 20 年 通信利用動向調査」によると、PC および携帯電 話からのインターネットの利用機能・サービスとして、「商品・サービスの購入・
取引」(パソコンからの利用:45.5%、携帯電話からの利用:30.1%)、「デジタルコ ンテンツの入手・聴取」(パソコンからの利用:19.4%、携帯電話からの利用:21.8%)
などが上位に挙げられており、BtoC-EC 関連の利活用が進んでいることがわかる
(図表 3.1-5)。
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図表 3.1-5 インターネットの利用機能・サービス(上位項目)
56.8
49.1
47.4
45.5
36.8
22.1
19.4
18.1
13.0
12.6
11.3 13.6
54.5
16.3
30.1
14.0
15.3
21.8
5.3
6.1
3.3
4.8
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60%
企業・政府等のホームページ(ウェブ)・ブログ(ウェブログ)の閲覧
電子メールの受発信(メールマガジンは除く)
個人のホームページ(ウェブ)・ブログ(ウェブログ)の閲覧
商品・サービスの購入・取引(金融取引を除く)
地図情報提供サービス(有料・無料を問わない)
メールマガジンの受信(有料・無料を問わない)
デジタルコンテンツ(音楽・音声、映像、ゲームソフト等)の入手・聴取
インターネットオークション
電子掲示板(BBS)・チャットの閲覧
金融取引(ネットバンキング、ネットトレード等)
アンケート回答
パソコン 携帯電話
出所:平成20年 通信利用動向調査(総務省)から作成
2009 年は、金融危機以降の景気低迷の影響を強く受けた年である。内閣府が公 表しているGDP速報(1次速報)によると、2009年のGDPの対前年比は実質で
▲5.0%、名目で▲6.0%であり、厳しい業況となった。同様に、家計最終消費支出 の対前年比は実質で▲1.1%、名目で▲3.2%となった。
このような業況であったにも係わらず、BtoC-EC 市場規模が堅調な成長を遂げ ることができたのは、インターネットショッピングというチャネルの特長によると ころが大きいと考えられる。本調査で実施したアンケートによると、インターネッ トショッピングの利用理由として、「実店舗で買うよりも価格が安いから」、「店舗 までの移動時間、営業時間を気にせずに買い物ができるから」などが主な利用理由 として挙げられる。
景気低迷の影響を受けて、より良い商品・サービスを、より賢く購入・利用した い、といった消費者ニーズも増大している。このような消費者ニーズを受けて、価 格の安さや手間の軽減などの特長が、近年のインターネットショッピングの利用を 牽引していると考えられる。