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4.3 越境電子商取引に関する事業者動向

4.3.3 中国・韓国

中国のインターネット人口は 2008 年時点で米国を抜き世界最大となり、2009

年には3億3,840 万人に達したが、その普及率は30%未満であり、今後の成長余

地が十分残っているとみられている。また、2009 年の 3G サービス開始などを契 機とした、モバイルインターネットの進展により、インターネットビジネス市場は さらなる拡大が予想されている。

このような市場認識のもと、自社のリソースの状況および、海外市場における強

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力な競合の存在などを考慮し、現段階では成長を続ける自国市場にフォーカスした 事業戦略を選択している事業者が多い。なおこうした傾向は、特に越境EC展開に 地理的な制約が大きい物販系のEC事業者に顕著にみられる。

しかしその一方で、中国に文化・言語的背景が比較的近い上、サービス消費が旺 盛で、支払能力が高い消費者が多い日本や韓国の市場を、非常に魅力的なマーケッ トと捉えていることも事実であり、検索サービス事業者などが日本への進出を実現 しているが、現段階で十分な収益を実現しているケースは尐ない。

一方韓国では、そもそも自国市場が小さい上、昨今の経済環境を受けて、自国の インターネットビジネスの成長率が鈍化しており、海外展開に活路を見出したいと 考えている事業者が多い。

しかし、各事業者が想定する展開先地域のうち、先進国(米国・日本など)には 既に強力な競合が存在し、途上国(中国・ベトナム・ロシアなど)には、インフラ 環境(IT・決済・物流含む)の不備や、偽物・海賊版の横行など、海外展開を躊躇 させる種々の要素があり、実際に海外展開を実現している事業者は一部に留まる。

また韓国では、海外の事業者が韓国国内に向けたEC販売を行う上での諸機能(在 庫管理、受注、ピッキング、梱包、配送処理など)を、自社のインフラを利用して 提供する事業者が現れている。

このように、中国・韓国とも、2009 年の断面では、海外展開に積極的な業者は 尐ない。従って、以下では、本調査でいう「越境電子商取引(以下、越境EC)」の 定義に沿わない事例も含み、2009 年時点で海外展開ないし、海外展開を支援する 中韓両国の事業者の事例について紹介する。

百度(Baidu)は、世界最大の中国語によるインターネット検索サービスを展開 する中国の事業者である。百度は中国語検索サイト以外に、2008年1月より、現 地法人を通じて、PCと携帯の両ウィンドウで使用できる、日本語での検索サイト のサービスを開始している。しかし、現時点では一日あたりの訪問者(UV)数は

2,500人程度であり、売上高は非常に小さい。現在は営業活動やマーケティングよ

りも、日本語による検索サービスとしての機能改善に注力している段階である。現 時点では、日本以外の海外展開は予定していない。

なお、前述したように、2010年1月、百度は日本のEC事業者、楽天と提携し、

中国におけるBtoC-ECモールの開設を発表している。

易査(Yicha)は、主に中国で携帯検索サービスを展開する中国の事業者である が、中国以外に、日本でも検索サービスを展開している。当サービス事業は、現地 法人によってマネジメントされており、日本側は主にマーケティングの責任を負い、

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サービスの運営および技術サポートは中国側のスタッフが担当している。

海外展開にあたっては、現地の有力事業者との連携を重視し、日本における提携

先はNTTDoCoMoを選定した。将来的には、ロシアや韓国への事業展開を検討し

ている。特にロシアは、中国よりも携帯検索技術は遅れており、米Googleの市場 シェアもまだ小規模であるため、この市場に向けて自社のモバイル検索サービス提 供する余地があると考えている。

ZIO Interactive はモバイルゲームを提供している韓国の事業者である。現在、

主要なマーケットは韓国であるが、その他欧州、米国、中国、日本で事業を展開し ている。海外市場に参入する際には、同社は現地におけるモバイルゲームの展開や 運営を担当する現地事業者と提携する方法を採用している。こうした事業者と同社 との売上高の共有比率は、各事業者との責任分担の範囲によって、およそ30~70%

の間で変動する。日本では、同社ゲームの販売契約を、「ケータイ版ハンゲーム」

を展開するNHNジャパン(韓国NHNの日本法人)と結んでいる。

NAVERは、韓国最大のオンライン検索ポータルを展開する韓国の事業者である。

同社は韓国以外に、米国、中国、日本で検索サービスおよびオンラインゲームを展 開している。現在の海外売上は同社の総売上の1%程度である。

日本向けの検索サービスは2000年開始していたが、2005年に一旦撤退し、2009 年7月より、日本市場向けのサービスを追加して再参入した経緯がある。ネットレ イティングスが2010年1月に発表した調査結果10によると、同社の日本サイトの

“ユニークユーザー(家庭と職場からのアクセス)”は、2009年のサービス再スタ ートより半年間で134万人に達したとのことである。当サイトが提供する、特定テ ーマに沿ったリンクや画像、動画を集約したまとめページをユーザー自身が作成し、

それを他のユーザーが検索できるサービス「NAVERまとめ」が人気を博している。

Lotte.comは、韓国ロッテグループ傘下のECショッピングモール事業者である。

同社は、ショッピングモールなどの事業展開に並行して、韓国市場参入を希望する グローバル企業に対し、米 Amazon が展開している「フルフィルメント by

Amazon11」と同様のサービスを提供していくことを計画している。Lotte.comは、

日本のアパレル事業者ファーストリテイリング(ユニクロ)に対して、既にこのサ ービス「フルフィルメントby Lotte.com」を提供している。ファーストリテイリン

10ネットレイティングス株式会社プレスリリース

(http://www.netratings.co.jp/New_news/News01272010.htm)2010127日更新

11 Amazonプラットフォーム上で商品を販売する事業者・出品者の商品在庫管理および、受注、

ピッキング、梱包・配送業務を代行するサービス。

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グは、当サービスを利用して、2009年4 月にオンラインのフラッグシップショッ プ12として、BtoC-ECサイトを韓国内で立ち上げている。

12 自社の代表として、ブランドコンセプトや提案を最も適切な形で提示する店舗。

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III 世界の国・地域におけるインターネットビジネス動向

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